@俳優はドラマの配役イメージがそのままその俳優に影響する場合もある。特に有名でない場合はそのままの「悪」イメージが残ると言う。一度そのイメージがつくと正当な「善」役は回ってこないとも言われ、仕事ととは言え俳優さんのイメージは視聴者が勝手に作ってしまい、そのイメージが継続されるのだ。「寅さん」のような場合も「善良な寅さん」でイメージされたシリーズ物は素晴らしい俳優だと評価されるが、「悪役」的な俳優さんの場合は酷い。
『私がフジコ』真梨幸子
元アイドルの小川ルミに、初めて主役の話が舞い込んだ。高視聴率の再現ドラマ番組で「殺人鬼フジコ」を演じることになったのだ。フジコは十五人も殺害した平成の鬼女として、世間で大きく騒がれた犯罪者だった。大きなチャンスに、ルミは全霊を賭けてフジコを演じようと試みるが……
ー「殺人鬼フジコ」の主役を演じながらも蔵入りとなり、自分を責めた。それはQ教団の幹部からの要請だと知ると頷けた。この「フジコ」役は実家の父母にも悪影響を呼ぶことは想像していた。それは前の作が教師の両親にとって世間体の悪いイメージを作り出したからだ。
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