@この書は至って真面目に「バカ」を研究したヨーロッパで人気書籍だ。賢い人ほど「粗相」のある「愚かなバカ」を演じる、と言う事。だが至って真面目、誠実な人ほど一般的なことに対して信用しない人が多いと言う。それは頭がいいからこそ偏見、先入観、固定概念、差別意識から来るものだとしている。
『バカの研究』ジャン・フランソワ・マルミオン
職場で、家庭で、社会で、ネットで、人はなぜバカなことをするのか?
・ここに記述された24人の一流行動経済学、認知心理学、情報科学、哲学、人類学者ほか、多角的な視点から、人間のバカげた行動を真面目に徹底研究、解析した者が記されている
・「平均以上のIQの持ち主であっても、バカげた意思決定をすることはある。合理的知世が低いからだ」(イブ・アレクサンドル・タルマン)
・「どんなに頭が良くて、物知りでも、批判的思考ができても、バカげた事を信じる危険性のない人間などいない」(ブリジット・アクセルラッド)
・「世界を変えられると考えるほどのバカだけが、本当に世界を変えられる」(スティーブ・ジョブス)
・「知性の高さは、バカになるかどうかとは関係がありません。むしろ、変に頭が良いせいで、他の人たちを見下してバカになることもあります」
・「知性の高い人ほど神の存在を信じない」
フランスには自称占い師が10万人いる、年商30億ユーロ
・「知性の高い人ほど他の人より物事を信じにくい傾向がある」
・「自分と同じ悪習を持つ人間を誇張する傾向がある」「自らの能力を実際より高く見積もる傾向がある」(自己中心性バイアス)
・「私たちはポジティブなものよりネガティブなものにより注意を向け、関心を抱き、重要視する傾向がある」(ネガティブバイアス)
・「他人の対して偏見を抱いたり、先入観を抱いたり、固定概念を持ったり、差別化したりする」
・バカの行動は「粗相」(思慮不足・経験不足・判断ミス)
・「自分だけは大丈夫」と言う思い込み(楽観バイアス)
・「違反性・不適切などの行動は新たな発見クリエイティビティの原動力になる」
・「バカは他人より自分の方が価値が高いと勘違いしている」
・「バカは欲しいものを手に入れると満足します。他人からの注目、名声、財産、権力、高い評価など、一番賢いのは俺だと」
・「失敗したり、悩んだりする傾向は、人間は複雑で、不安定で、不確かな環境を生き延びている、過ちこそが人間だ。過ちを犯すからこそ人間らしく生きていられる」
・「バカは嘘つきより始末に負えない。嘘つきは真実がなんであるかを知っているがバカは真実には関心がないから、相手を告発、バカにする」
・「SNS等、世界は自分中心に回っている」と人々に思わせることで自己中心主義を肥大させる
・「他人に見られること」が興味の中心にある、だがフェイクも多発する
「真実・美・善」の3つの美徳が混乱している
・「消費行動に最も大きな影響を及ぼすのが感情」(行動経済学)
人は恩恵を待てない、だから選択肢を多く設ける
過剰な選択肢は選択を不可能にする(情報過多は混乱させ消費行動にならない)
牛肉1kgを生産するのに25kgの餌 (鶏肉は4.4kg、豚肉9.4kg)
・「人は夢の中で協調性がない下品な人間になる」
夢の中で味あう感情は、恐れ、悲しみ、怒りが80%
自己、病気、トラブルなどの夢いはラッキーな夢に比べると7倍
バカな夢は現実世界に役たち、発明やインスピレーションをもたらす
・「愚かなこと」をする、言うは本当のバカ
何かを決めつけこれはこう言うものだとするのは「愚かばか」
・有能な人物の言う言葉として適切なのは「少し調べたり考えたりする時間が欲しい」
瞬時に返答を問われたりしたときの対応、決して「わからない」とは言わない
・「謝罪をすることは素晴らしい」
「天才は限界にぶつかる事があるが、バカにはこうした障害はない」(アインシュタイン)
「謝罪は人生の瞬間接着剤」(リン・ジョンストン)
・「自分には欠点などない、と主張しないで自らの欠点を受け入れ、それによって多くを学び、成長していこうと言う決意が必要だ」
「概要」出典先は書籍データから抽出
【目次】
●バカについての科学研究(セルジュ・シコッティ/心理学者)
●知性が高いバカ(イヴ゠アレクサンドル・タルマン/自然科学者)
●迷信や陰謀を信じるバカ(ブリジット・アクセルラッド/哲学者)
●バカの理論(アーロン・ジェームズ/哲学者)
●人間は決して合理的な生き物ではない(ジャン゠フランソワ・マルミオン/心理学者)
●認知バイアスとバカ(エヴァ・ドロツダ゠サンコウスカ/社会心理学者)
●二とおりのスピードで思考する(ダニエル・カーネマン/ノーベル賞経済学者)
●なぜ人間は偶然の一致に意味を見いだそうとするのか(ニコラ・ゴーヴリ/数学者)
●バカのことば(パトリック・モロー/編集者)
●感情的な人間はバカなのか? (アントニオ・ダマシオ/神経科学者)
●バカとナルシシズム(ジャン・コトロー/精神科医)
●フェイクニュースを作っているのはメディア自身だ(ライアン・ホリデイ/メディア戦略家)
●SNSにおけるバカ(フランソワ・ジョスト/哲学者)
●インターネットのせいで人間はバカになる? (ハワード・ガードナー/認知科学者・教育学者)
●バカとポスト真実(セバスチャン・ディエゲス/神経心理学者)
●バカげた決定を回避するには? (クローディ・ベール/人間科学ジャーナリスト)
●なぜバカみたいに食べすぎてしまうのか? (ダン・アリエリー/行動経済学者)
●動物に対してバカなことをする人間(ローラン・ベーグ/社会心理学者)
●子どもとバカ(アリソン・ゴプニック/哲学者)
●夢とバカの関係(デルフィーヌ・ウディエット/脳研究者)
●バカは自分を賢いと思いこむ(ジャン゠クロード・カリエール/シナリオライター)
●バカなことをした自分を許す(ステイシー・キャラハン/心理学者)
●知識人とバカ(トビ・ナタン/心理学者・人類学者)
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