タイトルだけで近代戦の戦争映画をアメリカで作ったんだって店頭で
このジャケット画像だけで購入してきたんですが
なんと実に重たい作品だった
オープニング映画会社各社のロゴが終わると事実を元にした作品っていう“This is True event ”って出てくる
見終わって調べたら、本作は2003年にアフガニスタンでの米軍小隊が面白半分に民間人を民間人に化けた戦闘員という加工をして、民間人を殺して楽しんでいたっていうドキュメンタリーを製作した
ドキュメンタリー監督ダン・クラウスが、今度はその題材そのものをドラマ映画として再び監督した作品
オリジナルのドキュメンタリー映画を、役者さんを使ってセルフリメイクした作品だったんですね
アフガニスタンに派遣された陸軍の兵士が、現地で小隊長の軍曹が爆死してしまい
後任にきた新しい軍曹が実に歴戦の強者ってことですが
偵察にでてはその村にいる民間人を退屈しのぎに殺して、自ら米軍兵士が攻撃されたように偽装して民間人を無駄に殺して楽しんでいたという事件の話です
ありそうなお話でありますし、こんなことをいくら平常でなく非常自体の中だと言って、虫螻の如く家族の目の前で射殺して兵士だっていうかとうえい加工をして正当化するなんていうのは
劇中のナット・ウィリス演じるアンドリューだけでなく
見てるこっちもまいってしまうお話なんですが、
映画としてはとても静かで穏やかな演出です、派手な殺し方を見せずに銃声だけで殺人を表しているし
いわゆる偵察中に敵の攻撃を受けての戦闘シーンも全くなく
戦場でありながらゲーム感覚で人を無差別に殺していくんですね
現実を目のあたりにしたアンドリューのショックってどんなんだったんだろう
確かに戦争は殺し合いではあるんですが無抵抗なっていうか、無垢な民間人をを戦争という名のもとで殺して言い訳はあるわけなく
ましてや一兵士であるアンドリューは上官である軍曹に物言いすることもできないわけで
さらになにかとアンドリューの言動に行動に疑問を抱くチームメイトたちに
アンドリューはチームにおいて自分の身が危険にさらされ丁くんですね。
って事で最初はチャットで父親に苦悩を告白し、父親から軍部に告発してもらうものの
軍に動きは全くなく
仕方なく自ら具申してしまうアンドリューですが、アンドリュー自身も軍法会議にかけられます。
その理由は行為を止めなかった、チームの一員として民間人を殺害したということで今でも軍に拘束されたままです。
こんな裁判はおかしいと嘆く母親。事件によって家族の息子への愛が見えてくるんですね
人間は社会コミュニティの中で孤立したくないっていう事で自分の主張を捨てて周りに同調していこうっていう習性かあります。コミュニティ内で自分だけ浮いてしまって追い出されたり殺されたりしては生活できないからです
軍隊ではそれが顕著に出ます、何せ自分の命がかかってくるから尚更です
”退屈だから、民間人ぶっ殺してやろうぜ“という兵士が出てきて、
他の兵士も同調していく話は、こう言ったコミュニティで生き残ろうとする人間の習性であって自己保身に他ならないわけでして
他の兵士も同調していく話は、こう言ったコミュニティで生き残ろうとする人間の習性であって自己保身に他ならないわけでして
そんな中で自分を貫けたアンドリューは人間としては正しい生き方なんですが
軍隊っていう特殊社会では彼の正義感は軍隊を阻害する何者でもない存在なわけでして・・・
実に静かに進行するする映画が実に怖かった
日本での公開予定は2921年1月22日だそうです。
2019年製作、アメリカ映画
ダン・クラウス脚本・監督作品
出演:ナット・ウルフ、アレクサンダー・スカルスガルド、アダム・ロング、ジョナサン・ホワイトセル、ブライアン・マーク