二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

薬害C型肝炎訴訟について

2008年01月22日 | 社会
1月11日に薬害C型肝炎集団訴訟の解決を実現する救済法が成立しました。これは、長い間、病気の身体でありながら、肝炎ウイルスに感染し薬害肝炎となったすべての人のために、国と製薬会社を相手に戦った原告の人たちと弁護団の強い信念の結果だと思います。

それにしても、病に苦しんでいる患者が声をあげて、裁判で戦わなければならないこの国の医療行政、厚生労働省の対応は何なのか疑問とともに憤りも感じてしまいます。政治家や官僚が行う国の運営とは、国民が健康に幸せに暮らすために行われるものではないでしょうか。

いつも原告である肝炎患者の方々が、会見で涙を流しながら、言葉にできないくらいの悔しさを語る映像を見てると胸が苦しくなってきました。しかし、今回の出来事は大きな壁に風穴をあける喜ばしいことであり、この嬉し涙が、さらに良い結果につながることを願ってやみません。

全ての病に共通する、発症あるいは増悪因子は“ストレス”です。原告の人たちのストレスは相当なものだと思いますし、怒り、悲しみ、悔しさ、はがゆさ、苦しさ、不安、これらの感情は病状を悪化させます。政治家、国(厚労省)、製薬会社は真に国民の健康、幸せを願うなら、裁判という人間の心の判断としては、一番レベルの低い方法で決定するのではなく、血液製剤による肝炎ウイルス感染者すべてを無条件で救済をすべきであると思います。薬害肝炎に苦しむ人たちの一番の治療薬は”全面解決、全員救済”でしょう。

今回の救済法でも対象となるのは、輸血、あるいは医療行為により感染したと証拠を証明できる人たち1000人のようです。しかし、血液製剤などによりB型、C型肝炎に感染しているだろうと推定される患者さんは350万人にのぼると言われています。

1977年、アメリカのFDAにおいて、今回、問題になっているフィブリノゲン製剤は、その感染の危険性ゆえ製剤承認を取り消されています。であるのに日本では使用され続けました。この情報を得ていなかったとしても、知っていて検証することなく製薬会社と一部の心無い人たちの都合で使用されていたとしても、どう考えても国と製薬会社の責任は免れないと思います。

この血液製剤(フィブリノゲン製剤、第9因子製剤)で訴えられている製薬会社は、三菱田辺製薬と日本製薬です。三菱田辺製薬は、問題の主役である旧ミドリ十字社や、三菱化学薬剤部門など、時代の変遷とともに4社ほどが買収や合併した会社です。製薬会社でもグローバル経済などという一部の人に都合のよい経済システムの中で、株主が主体の会社運営を余儀なくされています。しかし、こと医療に関わる企業は『福祉』の精神を忘れてはいけないと思います。現在の経済至上主義の中でどう国民のため、世の中のためになるかを考えていくのが会社の役割であり使命ではないでしょうか。会社が大きくなればなるほど、その責任は増してくるのだと思います。

そうであれば、製薬会社も、首相や厚労大臣のように、まず患者さんに謝罪し、全面的に補償していくべきでしょう。カルテが破棄されていても、当時通院していた病院が廃院になっていたとしても、短絡的かもしれませんが輸血や手術歴があり、検査にてウイルス性肝炎と診断された場合のすべての人にです。

C型肝炎は、15~20年の潜伏期間の後に発症し、疲れやすい症状以外は、ほとんど症状として現れない病気です。そして、患者さんは半数の確率で肝硬変へ移行し、肝硬変になった人の25%ほどは肝癌となる可能性があります。インターフェロンなどの治療法もありますが効果には個人差があり、ウイルス性肝炎を完全に治す方法はありません。そういった意味からも迅速に、この問題に対処すべきでしょう。

日々、自分達と同じように苦しんでいる人のために頑張っている原告の人たち、全国で薬害肝炎で辛い思いをしている人たちが、はやく笑顔で生活でき、幸せをかみ締めることができるように、、また、国・製薬会社が、国民に心から信頼されるようになって頂くため、早く行動で示して頂けるように、心より祈っているのが私の思いです。

少し熱くなってしまい、長くなってしまいました。最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。
コメント
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