二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

インド ムンバイ同時テロ事件 2

2008年12月08日 | 社会
インドの経済発展にはパワーがあり、日系企業も多く資本を投入しています。今回のサブプライム問題があっても、7~8%の経済成長率を維持しているようです。さて、これが本当のインドの姿でしょうか。

インドは80%がヒンドゥ教、13%がイスラム教の国で、人口は11億人を超えます(パキスタンは97%がイスラム教、1.5%がヒンドゥ教、人口は1億6千万人強)。

次のような報告があります。

マハラシュトラ州の州都ムンバイは、アラビア海を臨むインド西海岸に位置する同国最大の都市。約1600万人の人口を抱え、金融と商業で栄えるこの都市は、インドの中の“夢の街”と称されることもあります。

街全体が好況に沸きかえる街というイメージを抱いていました。でも、それは、現実ではありませんでした。いくつかの高層ビルが建っている他はほとんどスラム。高層ビルの間にはスラムがカーペットのように広がっているのです。

ごみが散乱し、雨が降るとすぐに下水が溢れて悪臭が漂う、狭くて、暑くて、息苦しい大小のスラム。世界最大と言われるムンバイのスラムには、この街の人口の約75%が暮らしているとも言われています。

もっとも危険なのはストリートチルドレンです。ストリートチルドレンは、暴力や搾取、人身売買などの危険に晒されやすいのです。病気になっても、誰も病院に連れて行ってくれないでしょう。

インドには4億2000万人の子供がいます。そのうち、出生が登録されるのは35%だけ。47%の子供が栄養不良で、小学校に入学しても卒業できるのは4人に1人。生きるために、皆に頼り、物乞いをしなければいけない、そんなムンバイのストリートチルドレンは、推定約20万人にのぼります。

~あるスラムに暮らす家族~
「人生の中で一番楽しいことは何ですか?」
食事の時にお父さんに尋ねました。すると、お父さんは答えました。
「何もないです。こんな人生、もう飽き飽きです。楽しいことなんて一つもありません」。
私には掛ける言葉が見つかりませんでした。同じ質問をお母さんにすると、お母さんは何も答えられず、泣きだしてしまいました。子供の成長が楽しみ、一家揃って食事をしている時が一番楽しい。そう答えてくれると思っていました。頑張って働いているのに、どうしても生活がよくならない―お母さんはもう、疲れきっていたのです。

インド政府も社会的弱者の救済に取り組むなど、懸命に努力が行われています。どうしたら子供たちが平等なチャンスを与えられ、その可能性を最大限に伸ばすことができるか?

一番大切なのは、あきらめないこと。私たちにもできることがたくさんあるはずです。

『ユニセフ ニュース VOL.215 
          アグネス大使のインド視察報告』より


どこの国にも貧富の差があります。格差があります。陰と陽があります。社会的弱者の物質的貧困と、富める者の心の貧困を改善し、世界の貧困がなくなれば様々な問題が解消されるのではと思います。

わたしはインドの津々浦々まで旅をしました。そして、うつろな目をした惨めな人間の標本たちを見たのです。それがインドなのです。そうした牛糞の山に囲まれた粗末な小屋に、つましい掃除夫が住んでいます。けれどもみなさんは、彼らのうちにこそ、叡智の粋が集められているのがおわかりになるでしょう…

『人類の知的遺産 64 ガンディー』 森本達雄 著


ガンディーの生きていた、イギリスや西洋の様々な影響を受けて発展しだした頃のインドの状況です。現在、インドは本当に豊かな国になったのでしょうか。翻って日本は…、先進国と言われる国々は…。

二葉鍼灸療院 田中良和
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インド ムンバイ同時テロ事件 1

2008年12月08日 | 社会
11月26日起きたインド、ムンバイでの同時テロ事件でまた尊い命が失われました。心からご冥福をお祈りいたします。日本人の何の関係もない方も亡くなられました。これが戦争であり、紛争であって、これらが生むのは憎悪と怒り、恨みだけです。あえて言うなら富者の強欲を満たすだけです。

最近、テロ、テロ、メディアも何でもテロです。9・11以後、こう表現されることが多くなりました。9・11事件をきっかけに、イスラム過激派との戦いをテロとの戦いと称し、アフガン、イラクはじめ様々な悲惨な戦争、そしてテロ活動が繰り返されています。この9・11同時多発テロ事件も、イスラム過激派(アルカイーダ)が行ったにしては、矛盾点が多く指摘され未だ真相は闇に包まれています。このことは調べれば誰でも矛盾点に気づくでしょう。

今回のムンバイでの事件も、デカン・ムジャヒディンという、外国から侵入したイスラム過激派が起こしたとされていますが、現地からの初期報道では、この事件を起こした犯人の写真を見ると、どう見てもイスラム教ではなく、ヒンドゥ教の信者、いわゆるヒンドゥ過激派を疑う証拠も出てきているなど(インド国内の組織の犯行)、世間に流れている報道とは矛盾した真実があるように思われます。

また、捕えられた犯人の言葉に「パレスチナ難民のかたきをとった…」などという言葉も見られました。イスラムとのテロの戦いを強調するような言葉には注意が必要ですし、また、パレスチナ問題は解決しなければいけない重要な問題だとも捉えることができます。

インドとパキスタンは、カシミール地方の領土問題や核開発などの問題など様々な対立がありながら、数か月前からは両国は関係改善に向け努力していたようです。インドはこの事件により、報復戦争も辞さないような発言も行われました。また両国の緊張が高まり残念です。タイでも政治の不穏、パキスタンで爆弾事件、ギリシャでも…アジアから中東周辺が急に嫌な雰囲気になっています。このような空気は自然にできているものでしょうか??戦争、紛争が行われれば、まったく罪もない戦いとは関係のない人たちが何も知らされないままに殺戮されます。そして、それでお金を稼いでいる人がいる。こんなことは許されません。

自衛隊のイラクでの活動が終了しましたが、海域に展開している戦艦などへの給油は日本が継続して行うようです。日本が石油を持っていくのではなく、お金を出すのです。そのお金は血税から支出されます。ですから日本国民も戦争や紛争に参加していることを忘れてはいけないと思います。世界で起こること全て繋がっています。

イランや、イスラエルの中にもインド、パキスタンの和平を促している動きがあります。その裏側で、戦争や紛争を煽っている動きもあるようです。様々な国益があろうかと思いますが、こんなことを政治の道具、外交の道具に使っていてはいけません。最終的に人類は悲しい結末を選択する方向に進んでいくのではないかと危惧してしまいます。

テロ報道によって、それが本当だと思いこまないように、様々な情報を分析して自分で考えて世の中の動きを見ることが大切なのだと思います。とくに大きく報道されている事柄は、自分なりにしっかり考えるようにしています。

戦争、紛争、テロ活動は、それが作為的なものにせよ、大義名分があっても、決して行ってはいけない行為だと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
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