11月18日(水)、酔耀会の勉強会に参加しました。何かと慌ただしい日々が続いていますので、先月からあっという間にこの日が来た感じがします。
この勉強会のいいところは、テーマに沿って勉強しながら、日々の臨床などで思っていること、考えていることを出し合うところなんです。参加されている先生方の悩みを皆で共有し、それぞれが自分の血肉として明日の自分の臨床に活かす。
勉強会に参加したものしか分からない、ちょっとした患者様の診方や治療法のポイント、大きな気づき、自分の課題などなど、皆、治療方法、治療体系の違う先生が集まって勉強しているところの利点とでも言いますか、夜遅くまで勉強すると何かを掴める勉強会だと感じます。
≪内 容≫
◎第54回日本生殖医学会学術講演会 参加予告
過敏性腸症候群の症例検討
~豊島先生~
22日・23日、石川県立音楽堂とANAクラウンプラザホテル金沢で開催される上記学会に、不妊症の患者様を多く診療し、生殖医学会会員でもある豊島先生が参加(私も参加します!)されます。自身の臨床で参考になりそうな、また、鍼灸治療がこの分野で活かされるために何を勉強したらいいかなど、これから参考になりそうな発表を抄録集の中から一部紹介されました。私も不妊症の患者様を診療しているわけなんですが、豊島先生とは共通するところもあれば、違うところもあります。であるからなおのこと、身体の診方、考え方、治療方法など勉強になるところや刺激になるところも多いのですよね。
症例検討では、過敏性腸症候群の高校生 女性の症例。中学生の頃から下痢がひどく、すぐにトイレへ駆け込む生活が続いているとのこと。様々な医療機関へかかったが効果がなく鍼灸治療を希望して来院。鍼灸治療を行ったところ、下痢に少し変化が現れ、本人にも「これだけ下痢が止まっているのは珍しいこと」との声があった。まだ来院されて3週間ということでしたから、さて、この患者、どのように診て、どう治療方針を今後立て、どう治療していったらいいか、他の先生方の考えを聞くという質問を投げかける形の症例報告でした。過敏性腸症候群は程度により個人差がありますが、鍼灸治療で効果の出る症候群です。
◎全鍼師会大会in北海道 参加報告
~宮川先生~
全日本鍼灸マッサージ師会が開催している全国大会が今年は北海道で行われました。若い先生方の代表として視察してきた宮川先生の参加報告でした。来年は石川県で開催されるので、石川県から多くの先生が参加されたようです。9月、10月というのは、いろんなイベントがあり忙しい時期なだけに、今年よりさらに来年は忙しい年になりそうです。おそらく酔耀会の先生方も実行委員となる運命にあると思いますので…
◎アポトーシスとネクローシス(炎症)
~田中良和~
以前、「抗がん剤による末梢神経障害(シビレ)はなぜ起きるの?」と聞かれたとき、あいまいにしか答えることができなかったので調べていました。現代医学でもどうして末梢神経障害が起こるのか、また、その治療方法は明確ではないようです。それを調べていくうちに分子生物学や細胞生物学など細胞レベルで展開されている現象を理解することが必要かなと感じ、アポトーシス(自然死・プログラム死)とネクローシス(炎症・壊死)についての最新の研究などを参考にまとめさせて頂きました。ガン自体は、核の遺伝子が障害され、体の新陳代謝(古い細胞と新しい細胞の入れ替わり)の一部分であるアポトーシスの機能が失われたり、テロメアと言って細胞分裂の限界を取り決めてあるシステムが破たんすることや、ミトコンドリアが障害され、酸素を利用してつくるエネルギー活性が失われることによって起こります。アポトーシスとネクローシスは全く別の反応ではなく様々な関係性があることが最近の研究でも分かってきています。それらの機序などを理解し、抗がん剤による末梢神経障害(シビレ)に関して考察させて頂きました。
鍼灸治療も身体に異物を刺入する刺激です。身体局所でも反応が起きるし、脊髄から脳へ刺激が伝わります。身体に触れるということは細胞レベルで必ず変化を起こしています。そういう意味でも、生体の恒常性維持に不可欠な細胞を死に追いやるシステム(アポトーシス・ネクローシス)を理解することは大切だと思います。
この日も、いろいろ多くのことを討論しあいました。時間はあっという間に過ぎていきます。翌日は少し眠いけど、いろんな意味で臨床のモチベーションがあがるんですよね。
12月5日に石川県鍼灸師会と石川県鍼灸マッサージ師会の、初めてとなる青年部合同懇親会(飲み会)があるのですが、その確認を最後にし終了しました。一応、わたくしが鍼灸マッサージ師会の青年部長なるものを仰せつかっているので、反強制的に酔耀会のメンバーは出席となるのでした~
”火を他人に乞うてもらうより、自分で火打石を打って火を起こしたほうがいい。他人が汲んだ水をもらうより、自分で井戸を掘ったほうがいい” 『淮南子』
自分の足らないところを他人のやったことから学ぶことは大切だけど、本当に自分から求めて学問しないと、それは本当の自分の力にはならないのでしょうね。
さ~て、鍼灸に対する熱意は誰にも負けんぞ~っていうくらいの心意気で充実した一日を過ごさないとね
二葉鍼灸療院 田中良和
この勉強会のいいところは、テーマに沿って勉強しながら、日々の臨床などで思っていること、考えていることを出し合うところなんです。参加されている先生方の悩みを皆で共有し、それぞれが自分の血肉として明日の自分の臨床に活かす。
勉強会に参加したものしか分からない、ちょっとした患者様の診方や治療法のポイント、大きな気づき、自分の課題などなど、皆、治療方法、治療体系の違う先生が集まって勉強しているところの利点とでも言いますか、夜遅くまで勉強すると何かを掴める勉強会だと感じます。
≪内 容≫
◎第54回日本生殖医学会学術講演会 参加予告
過敏性腸症候群の症例検討
~豊島先生~
22日・23日、石川県立音楽堂とANAクラウンプラザホテル金沢で開催される上記学会に、不妊症の患者様を多く診療し、生殖医学会会員でもある豊島先生が参加(私も参加します!)されます。自身の臨床で参考になりそうな、また、鍼灸治療がこの分野で活かされるために何を勉強したらいいかなど、これから参考になりそうな発表を抄録集の中から一部紹介されました。私も不妊症の患者様を診療しているわけなんですが、豊島先生とは共通するところもあれば、違うところもあります。であるからなおのこと、身体の診方、考え方、治療方法など勉強になるところや刺激になるところも多いのですよね。
症例検討では、過敏性腸症候群の高校生 女性の症例。中学生の頃から下痢がひどく、すぐにトイレへ駆け込む生活が続いているとのこと。様々な医療機関へかかったが効果がなく鍼灸治療を希望して来院。鍼灸治療を行ったところ、下痢に少し変化が現れ、本人にも「これだけ下痢が止まっているのは珍しいこと」との声があった。まだ来院されて3週間ということでしたから、さて、この患者、どのように診て、どう治療方針を今後立て、どう治療していったらいいか、他の先生方の考えを聞くという質問を投げかける形の症例報告でした。過敏性腸症候群は程度により個人差がありますが、鍼灸治療で効果の出る症候群です。
◎全鍼師会大会in北海道 参加報告
~宮川先生~
全日本鍼灸マッサージ師会が開催している全国大会が今年は北海道で行われました。若い先生方の代表として視察してきた宮川先生の参加報告でした。来年は石川県で開催されるので、石川県から多くの先生が参加されたようです。9月、10月というのは、いろんなイベントがあり忙しい時期なだけに、今年よりさらに来年は忙しい年になりそうです。おそらく酔耀会の先生方も実行委員となる運命にあると思いますので…
◎アポトーシスとネクローシス(炎症)
~田中良和~
以前、「抗がん剤による末梢神経障害(シビレ)はなぜ起きるの?」と聞かれたとき、あいまいにしか答えることができなかったので調べていました。現代医学でもどうして末梢神経障害が起こるのか、また、その治療方法は明確ではないようです。それを調べていくうちに分子生物学や細胞生物学など細胞レベルで展開されている現象を理解することが必要かなと感じ、アポトーシス(自然死・プログラム死)とネクローシス(炎症・壊死)についての最新の研究などを参考にまとめさせて頂きました。ガン自体は、核の遺伝子が障害され、体の新陳代謝(古い細胞と新しい細胞の入れ替わり)の一部分であるアポトーシスの機能が失われたり、テロメアと言って細胞分裂の限界を取り決めてあるシステムが破たんすることや、ミトコンドリアが障害され、酸素を利用してつくるエネルギー活性が失われることによって起こります。アポトーシスとネクローシスは全く別の反応ではなく様々な関係性があることが最近の研究でも分かってきています。それらの機序などを理解し、抗がん剤による末梢神経障害(シビレ)に関して考察させて頂きました。
鍼灸治療も身体に異物を刺入する刺激です。身体局所でも反応が起きるし、脊髄から脳へ刺激が伝わります。身体に触れるということは細胞レベルで必ず変化を起こしています。そういう意味でも、生体の恒常性維持に不可欠な細胞を死に追いやるシステム(アポトーシス・ネクローシス)を理解することは大切だと思います。
この日も、いろいろ多くのことを討論しあいました。時間はあっという間に過ぎていきます。翌日は少し眠いけど、いろんな意味で臨床のモチベーションがあがるんですよね。
12月5日に石川県鍼灸師会と石川県鍼灸マッサージ師会の、初めてとなる青年部合同懇親会(飲み会)があるのですが、その確認を最後にし終了しました。一応、わたくしが鍼灸マッサージ師会の青年部長なるものを仰せつかっているので、反強制的に酔耀会のメンバーは出席となるのでした~
”火を他人に乞うてもらうより、自分で火打石を打って火を起こしたほうがいい。他人が汲んだ水をもらうより、自分で井戸を掘ったほうがいい” 『淮南子』
自分の足らないところを他人のやったことから学ぶことは大切だけど、本当に自分から求めて学問しないと、それは本当の自分の力にはならないのでしょうね。
さ~て、鍼灸に対する熱意は誰にも負けんぞ~っていうくらいの心意気で充実した一日を過ごさないとね
二葉鍼灸療院 田中良和