二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

30代の「うつ」 12月 東洋医学研究所コラム!

2010年12月10日 | 東洋医学研究所 コラム
東洋医学研究所のコラムが更新されました

『30代のうつ』 

   東洋医学研究所グループ 山田鍼灸治療院(多治見市) 山田 耕 先生


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「うつ」をはじめ精神疾患は今や糖尿病や高血圧症、癌など生活習慣病と並び、現代社会の生活の中から生じる疾患としては日本に広く蔓延してきています。

ここ10年間、日本では、奇蹟的確率でこの世に生を受けた「命」を惜しくも自身で絶ってしまうという人たちが年間3万人を超えています。今年もそのような状況になるようで、たいへん悲しい出来事が後をたちません。

今回のコラムは、「30代のうつ」という事柄を”仕事”や社会的面から捉え、その背景や「うつ」が発症する前駆症状などについて書かれています。

「うつ」をはじめ精神疾患の患者さまは、一度発症すると治癒あるいは正常に社会復帰できるまでに時間がかかります。どの病気にも個人差がありますが、精神疾患の場合はさらに複雑になり個人的な環境が大きく症状や予後を左右します。

このような患者さまを助けるべく、精神科や心療内科のドクター、心理カウンセラー、私たち鍼灸師などを含む多くの医療関係者が努力しています。治療に関して書くと、長くなってしまいますので、今回は書きません。

しかし、なぜこのような状況が「今」の社会に生まれるのでしょう

先ほど書きましたように、個人により家族や仕事、地域など社会的環境が全く違いますので、その原因や要因は本当に様々で複雑化しています。日本を包む大きな社会の流れ、グローバルスタンダードという世界の社会の流れの中の日本など、広く考えるときりがないかもしれません。

また、この疾患は先進国に特有のものです。

世界の3分の2の地域は貧困にあえぎ、明日の食べるものさえ確保するのが難しかったり、1日家族数人で1ドル以下の生活を余儀なくされている人たちが世界にはたくさん存在します。その人たちは、「生きる」ことに必死なのです。
富は世界の3分の1の先進国諸国に集中しています。その富もさらに一部の人たちに集中し、そんなアンバランスな世界が「今」世界の経済活動を覆い、破綻の危機にあります。

富が集中し物質的に豊かになった先進国において、なぜ心の病が急増し、命を粗末にする人が増加しているのでしょうか。

皆が自分のこととして考えることが必要なのでしょう。

その問題解決の鍵は目に見えないものなのだと思います。

心…心の在り方、心の捉え方、心の方向
絆…切っても切れない深い人間関係、その関係に意味を見出すこと
思いやり・感謝…相手を思う、他者を思う心、そこから生まれる自分を大切にする気持ち、生かされていることへの感謝

そういう意味でも東洋医学は、易経や道教などの目に見えない東洋哲学思想が根底に流れています。だから心身一如、こころとからだは二つで一つであり、それは切っても切れない関係にあるという観方をします。
だから鍼灸師は心を豊かに、人間性を常に磨かなければ本当の意味で患者さまを治療することはできないのです。いつも言われていた師匠の言葉が身に沁みて「今」感じます。

長くなりましたが、今月のコラムを参照に、豊かな日常生活を過ごして頂ければ幸いです。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (4)
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