二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第42回 加賀・三策塾(学術研修会) 参加

2011年05月06日 | 鍼灸
5月1日(日)、学術研修会である加賀・三策塾に参加しました。

ゴールデンウィークの最中ですが、勉強ですね

☆ 第42回 加賀・三策塾(学術研修会) ☆

  日 時:平成23年5月1日(日) 午前10時~正午
  会 場:石川県立盲学校
  内 容:鍼灸マッサージ研修会&業界・学会情報交換



 開会の挨拶は、常盤会長…右隅は司会の中田先生

勉強会の内容は、『筋骨格系マニュアル』の輪読、そして、DVDを観ながらの筋肉を触診する実技が行われました。まず、最初にDVDでは肘にある円回内筋を例に挙げて筋肉の触診のやり方が映像に流れました。



その後、ベッドにて臥位での、イスにて座位での、僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、棘上筋、棘下筋、大円筋、小円筋の位置の確認と触診が行われました。「そんなもの分かるわい」と思いがちですが、深部筋肉などは特にですが、力の入り具合で触れる場合、感じることができる場合と、そうでない場合があるんですよね。基本なのですが、基本を疎かにすると経穴も正確にはとれなくなるんですよね。軽く皮膚を触る場合でも、その奥の筋層が関係あるんです。このようなことは、それ以前に酔耀会の実技にて意識はしていることなのですがね


 実技の様子


 臥位のモデル…豊島先生(筋肉が触診しずらい例 脂肪が…


 臥位のモデル…酔耀会では若い先生がモデルになるので…今日は私が実験台に


 座位のモデル…木下先生(ベテラン先生とは思えないギリシャ彫刻のような身体
 水泳やウォーキングを定期的に行っているとか… 素晴らしい

筋肉の触診に関して、たいへん対照的で分かりやすい二人のモデルさんでした

その後、『鍼灸医療 安全対策マニュアル』の輪読でした。ここでは「インシデントレポート」「鍼灸医療事故の予防対策」を勉強しました。
インシデントレポートとは、事故や事象として発生してしまったもの、あるいは未然に気づいて事故は起こらずにすんだものの、事故となり得た事象(ヒヤリ・ハットあるいはニアミス)のことです。その意義、ルール、システムの効果と限界などを学習しました。また、事故予防対策では、インフォームドコンセント、患者や家族との対話、医療面接、カルテ記載などを学習しました。治療技術とは関係のないことですが、社会のシステムとして仕事をしているのは鍼灸師も同様ですから、意識して勉強しておくべきことだと感じます。



最後は、常盤会長から、最近の鍼灸保険診療の問題点についての話がありました。保険診療と言っても、私たち鍼灸マッサージの保険は療養費の給付です。これから財政が厳しくなる中、どうしたら現状を維持しながら、少しでも鍼灸の保険の向上を図れるかなんですね。それは取りも直さず患者さまのためなのです。毎月、健康保険料を納めているわけですから、自分の受けたい医療、効果的な医療を選ぶのは患者さまの権利であり、国民の権利です。

そのためには、鍼灸師が勉強し、資質向上を図り、臨床研究を行い、常に患者さまにも、第三者にも分かりやすい医療を行うことが大切なんです。安全面もね。その点、近代科学、先端科学の発展は目覚ましく、「東洋医学は科学をもってしても…」「気の流れが…」というようなことを前面に出して診療を行っていたのでは、いつまでたっても鍼灸の現状は変わらないでしょうね。眼に観えない鍼灸の大事な部分を否定するわけではなく、古い善き伝統を大切にしながら、新しい科学に歩み寄る姿勢が大事だと私は感じます。

その観点からいくと、私が所属する東洋医学研究所グループでは、治療頻度、鍼の刺激の深さ、全身調整の治療(生体制御療法)、局所治療、すべてに一定の実証医学的、基礎医学的原則があり、非常に治療者も患者さまも分かりやすく、そして効果的です。何でも効くというわけではありませんが。その辺りは当院HPあるいは東洋医学研究所HPをご覧くださいね。

勉強すればするほど、勉強することがたくさん出てくるものですよね。どんな仕事や業界でも同様だと感じます。

※冒頭の写真は、会場駐車場の脇に咲いていたお花さんたちです

二葉鍼灸療院 田中良和
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