二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

妊活と鍼灸 ~水分摂取・・・カフェイン・アルコールなどの摂取は?!1~

2021年08月09日 | 不妊症

 猛暑が続いておりますが、皆様、楽しく元気にお過ごしでしょうか

 今年から熱中症警戒アラートが環境省から発出されることになり、猛暑への対策に注意が呼びかけられています。
 まだまだ暑い日が続きますので気をつけてくださいね。

 

 さて、妊活の鍼灸を行っている中で様々な日常生活のアドバイスをさせていただきます。

 水分摂取は特に重きを置いてアドバイスさせていただくことはないのですが、コーヒー摂取アルコール摂取については時々、施術中の話の中で出てきますので、参考に書いておきたいと思います。

 今回は「妊娠しやすい食生活」(ジョージ・E・チャバロ他著)より、ハーバード大学による女性看護師を対象にした疫学調査「看護師健康調査」を中心に書かれた書籍を参考に書かせていただきます。
 アメリカでの調査であることと、書籍の中の実際の数値は確認していませんので、だいたいの参考と捉えていただければ有り難く思います。

 

水分摂取

 暑いと汗をかく、水分を摂らなくてはいけない、これは人にとって本能的と言いますか、生命を維持するために必要な行為であることは理解できると思います。

 人の身体は50%以上が水分で出来ています。

 生物が生まれた故郷は「海」です。人の体内の水成分は海水に似ています。生命は海水の中で誕生し、人の細胞の内外はその水分で満たされています。人には水はなくてはならない存在です。(枕詞みたいなものですね

 

水の体内での機能

・組織や器官の緩衝剤や潤滑油としての働き ・栄養素の供給と老廃物の排泄システム ・ホルモンやシグナルを伝達する分子などのやりとりの場 ・他に肌、鼻孔、肝臓、ホルモンバランスの機能維持の働き・・・など多くの働きを担う。

水分摂取の必要量 ☞ 1キロカロリーあたり1mmリットル必要

・汗や尿などで水分を排泄した分は吸収する必要がある。

・どれだけ動いたか、何を食べたか、温度や湿度の環境によっても違ってくる。

・通常、2000kcalを消費するなら、少なくても2リットルの水が必要。

・食事おいて野菜や果物、スープ、味噌汁、ご飯などから吸収することは可能だが、足らないので水分をとる必要がある。

・看護師健康調査対象者へ毎日の飲み物の写真を送ってもらったところ、その6分の1が一日にコップ6杯からそれ以上の水を飲用。
 その他はコーヒーや紅茶、炭酸飲料を飲用。アルコール(特にワイン)も飲用。

 

カフェインの影響

カフェインの主な機能

・覚醒作用 ・血管拡張作用 ・交感神経刺激(基礎代謝促進) ・胃酸分泌促進作用 ・利尿作用

 カフェインは中枢神経に作用を及ぼすので、飲み過ぎは中毒症状を引き起こすこともあるわけです。

 では、よく言われる、カフェインは妊娠に悪影響を及ぼすのでしょうか

 カフェインは他の食物と同様、肝臓に入り、そこから全身へ送られます。卵巣、子宮、卵管、精巣など生殖器官にも例外なく送り込まれます。

 

妊娠期のカフェインの危険性が指摘されたのは

・1980年のアメリカ食品医薬品局(FDA)の研究による。

・一日コーヒー200杯分に相当するカフェインを摂取させた妊娠中のラットが産んだ赤ちゃん5匹ともが、つま先の欠損、あるいは変形するなど出生異常が見られた(この量を毎日摂取すれば・・・)。

・この研究でFDAは妊婦等にはカフェインを減らすか、避けるかを警告。

・FDAの同じ研究者が、ラットが摂取する水にカフェインを混ぜ、強制ではなく飲用自由にしたところ、出生時の欠損は増加しなかった。

・しかし、先に出された警告は撤回されなかった。

 

カフェインと生殖・妊娠の関係について解明しようと研究が重ねられる

・現在のところ明確な結論には至っていない。

・少量のカフェイン(少量;1日300mg以下=コーヒー2~3杯に相当)では妊娠や胎児の発育には影響しないとの報告。

・別の研究では、同量のカフェインでも妊娠しにくくなったり、発育にもわずかなリスクが生じたとの報告もある。

 

「看護師健康調査」から得た結論

・カフェイン摂取は排卵障害には影響はないだろうということ。

・カフェインを多く摂っているグループ(1日400g以上;400g=コーヒー4杯分相当)とカフェインをほとんど摂っていないグループと比較。

 排卵障害による不妊症のリスクの率は変わらない。

 排卵障害以外の不妊症のリスクを調べた結果は、カフェインを摂るグループが20%妊娠にいたる確率が低下。

 考えられる理由;卵管の運動が鈍くなり、受精卵の輸送スピードが低下(着床のタイミングが遅れた)。

 もう一つ理由;子宮内膜そのものの着床環境悪化。

 

・他のカフェイン摂取の研究(不妊治療に通う約1000人×出産経験のある約4000人の比較)

 カフェインの多量摂取が卵管障害や着床障害による不妊リスクを高める。

 排卵障害に不妊リスクは高めなかった。

 

カフェインは本当に問題があるのか

・飲料別に調査を行った。

・結果、カフェイン添加のソフトドリンクが不妊症のリスクを高めていることが判明。

・この種のソフトドリンク飲用者を除外すると、カフェインと不妊との関連性は認められなくなった。

 

カフェインの身体への影響をどう考えるか

神経質になりすぎないほうがいいかもね

・「看護師健康調査」では、カフェインの摂取は妊娠率を低下しているように見える。

・カフェイン添加のソフトドリンクを外すと、その相関性は明確ではない。

・コーヒー、紅茶、緑茶を我慢する必要はないが、1日3杯ほどの飲用であれば大きな影響はない。

・飲み過ぎてしまう人は、カフェインフリーのコーヒーや紅茶にする。

・気持ちの中に飲用への心配がある人は、念のために飲用を控えることもありあり。

 

 少し長くなりましたが、調査や研究としては答えが出ていないということです。

 カフェインは妊娠に悪影響するというものもあれば、影響はしないというものもあり、正確なところは、その論文を精査してまとめてみないと分からないところではあります。

 しかし、このような流れを参考にしながら、妊活を頑張られる皆様にはストレスのない判断を行っていただければと思います。

 

 ここで言えることは習慣としなければ、少しのカフェイン摂取が身体に大きな影響を及ぼすことはないようにも思います。

 時々のコーヒーや紅茶、煎茶は、ストレス解消に繋がるのかもしれません。

 

 このブログでは、カフェインは「毒」みたいなものでないことを理解いただければいいかなと思います。

 妊娠を望み、出産を望むご夫婦に少しでも参考になればと幸いです。

 

 ご質問や分からないことがございましたら、ほんの些細なことでも、何でもお問い合わせください。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

 パート2では、飲料別にわけて説明を少し加えていきます。

 

 妊活と鍼灸 ~水分摂取・・・カフェイン・アルコールなどの摂取は?!2~

 

二葉鍼灸療院(金沢)

 


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