11月28日(日)、石川県鍼灸マッサージ師会の第3回 中央学術研修会が行われましたので参加しました。
27日には、星稜野球部の同期生との飲み会があり、なかなか起床時、体が言うことを聞いてくれませんでしたが、なんとかギリギリに間に合いました。
実は、この学術研修会の後、金沢市鍼灸マッサージ師会の理事会がありまして、またまた忙しい一日を過ごしたのでした。まあ、最近の休日はこんなもんですけどね
日 時:平成22年11月28日(日) 午前10時~正午
会 場:条南公民館(条南コミュニティ-プラザ) 大ホール 津幡町太田
演 題:「症状から見た腰部脊柱管狭窄症の診断と治療」
講 師:金沢医科大学 整形外科准教授・医局長 藤田拓也 先生
参加費:無料
担 当:石川県鍼灸マッサージ師会 河北支部
講師の藤田先生
司会は学術局長 中田先生
腰痛は私たち鍼灸師にとっては、もっとも遭遇する確率の高い症状です。その腰痛あるいは下肢痛、下肢症状を伴う病態の一つが「腰部脊柱管狭窄症」です。
この狭窄症は、間欠性跛行と言って、しばらく歩くと、腰から足が痛くなり少し立ち止まらないと歩行を継続することができず、その場で、腰を前かがみにしたり、しゃがんだりすると痛みが楽になり、再び歩けるような病態が出現します。
これが、腰部脊柱管狭窄症の特徴的症状の一つです。
内容としては、まず復習として腰部周辺の解剖学を分かりやすく説明して頂きました。
また、疫学的なお話や、MRI画像やレントゲン画像を示され、正常な状態と脊柱管狭窄症の違いなども説明がありました。さすが、その道に長けた人は分かりやすい説明をされます。勉強になりました。
そして、私たちが一番必要で大切な、鑑別診断と予後の判断の話に移りました。
長々と説明すると、また「ブログが長い」と苦情が出そうなので、本当の要点だけを書きますね。
先ほど述べた間欠性跛行ですが、この症状が出ている人の中の11%の人に、末梢の閉塞性動脈疾患があるということです。これはまず注意する必要があるのですが、足の甲や、足首、膝の裏の動脈拍動をチェックすると判別がつくのです。
たびたび、酔耀会でも話題になり、特に豊島先生が話を切り出すのですが、脊柱管狭窄症の片側だけに症状が出る場合、両足に症状が出ている場合の違いです。豊島先生いわく、脊柱管狭窄症と診断を受け片側だけに痛みが出ている人の症状は本当に脊柱管狭窄によるものなのかということです。これが痛みの元を把握し、適切な鍼灸治療を行うと治っていくんですよね。
藤田先生の講演の中でも、この診断された患者さまの11年後の経過をみた調査で、38%人が何もせず改善、31%の人が不変、10%の人が悪化、残りの人が手術という結果でした。4割の人が自然に改善していくのです。
そして、ここがポイントで、改善例のほとんどが片側だけの痛みだったとか。この診断を受けても片側だけの痛みの人は改善に向かう可能性が十分にあるということで、ここには鍼灸治療を積極的に行ったほうがいいということでしょう。
そして、予後不良で、放置していると悪化する恐れがある例もあるということです。その状態とは…
・腰から両足に症状が出ている
・熱くなる、締め付けるなどの異常感覚を感じる
・おしっこや大便が出にくいなどの異常がある
・夜間や安静時に痛みがある
・レントゲンなどで腰椎がずれている(すべりがある)
↓
このような状態の人は専門の医療機関に罹り診察を受け、手術する場合もあるとのことです。ここが私たちにも難しい所で、患者さまは手術をできるだけしたくないわけですが、その病態を知っておかないと将来悪化し、さらにひどい状態になることもあるということです。
何が適切な治療なのかを判断し、鍼灸治療では限界のあるものに関しては、患者さんの予後を考え、専門医療機関に委ねることも、患者さまのより良い生活のためには大切なことなんですね。勉強になりました。
その後、治療戦略として、藤田先生が行っている、腰部の低侵襲の手術方法の紹介があり、この手術だとほとんど入院もいらないようです。そんな手術方法を動画を交え説明頂きました。
より真剣に鍼を打たないといかんな~ と思いましたね。
んん~日々新たに、日々勉強ですな~。
医学も進歩していく。私たちも患者さまのため常に進化しないといけませんな
二葉鍼灸療院 田中良和
27日には、星稜野球部の同期生との飲み会があり、なかなか起床時、体が言うことを聞いてくれませんでしたが、なんとかギリギリに間に合いました。
実は、この学術研修会の後、金沢市鍼灸マッサージ師会の理事会がありまして、またまた忙しい一日を過ごしたのでした。まあ、最近の休日はこんなもんですけどね
日 時:平成22年11月28日(日) 午前10時~正午
会 場:条南公民館(条南コミュニティ-プラザ) 大ホール 津幡町太田
演 題:「症状から見た腰部脊柱管狭窄症の診断と治療」
講 師:金沢医科大学 整形外科准教授・医局長 藤田拓也 先生
参加費:無料
担 当:石川県鍼灸マッサージ師会 河北支部
講師の藤田先生
司会は学術局長 中田先生
腰痛は私たち鍼灸師にとっては、もっとも遭遇する確率の高い症状です。その腰痛あるいは下肢痛、下肢症状を伴う病態の一つが「腰部脊柱管狭窄症」です。
この狭窄症は、間欠性跛行と言って、しばらく歩くと、腰から足が痛くなり少し立ち止まらないと歩行を継続することができず、その場で、腰を前かがみにしたり、しゃがんだりすると痛みが楽になり、再び歩けるような病態が出現します。
これが、腰部脊柱管狭窄症の特徴的症状の一つです。
内容としては、まず復習として腰部周辺の解剖学を分かりやすく説明して頂きました。
また、疫学的なお話や、MRI画像やレントゲン画像を示され、正常な状態と脊柱管狭窄症の違いなども説明がありました。さすが、その道に長けた人は分かりやすい説明をされます。勉強になりました。
そして、私たちが一番必要で大切な、鑑別診断と予後の判断の話に移りました。
長々と説明すると、また「ブログが長い」と苦情が出そうなので、本当の要点だけを書きますね。
先ほど述べた間欠性跛行ですが、この症状が出ている人の中の11%の人に、末梢の閉塞性動脈疾患があるということです。これはまず注意する必要があるのですが、足の甲や、足首、膝の裏の動脈拍動をチェックすると判別がつくのです。
たびたび、酔耀会でも話題になり、特に豊島先生が話を切り出すのですが、脊柱管狭窄症の片側だけに症状が出る場合、両足に症状が出ている場合の違いです。豊島先生いわく、脊柱管狭窄症と診断を受け片側だけに痛みが出ている人の症状は本当に脊柱管狭窄によるものなのかということです。これが痛みの元を把握し、適切な鍼灸治療を行うと治っていくんですよね。
藤田先生の講演の中でも、この診断された患者さまの11年後の経過をみた調査で、38%人が何もせず改善、31%の人が不変、10%の人が悪化、残りの人が手術という結果でした。4割の人が自然に改善していくのです。
そして、ここがポイントで、改善例のほとんどが片側だけの痛みだったとか。この診断を受けても片側だけの痛みの人は改善に向かう可能性が十分にあるということで、ここには鍼灸治療を積極的に行ったほうがいいということでしょう。
そして、予後不良で、放置していると悪化する恐れがある例もあるということです。その状態とは…
・腰から両足に症状が出ている
・熱くなる、締め付けるなどの異常感覚を感じる
・おしっこや大便が出にくいなどの異常がある
・夜間や安静時に痛みがある
・レントゲンなどで腰椎がずれている(すべりがある)
↓
このような状態の人は専門の医療機関に罹り診察を受け、手術する場合もあるとのことです。ここが私たちにも難しい所で、患者さまは手術をできるだけしたくないわけですが、その病態を知っておかないと将来悪化し、さらにひどい状態になることもあるということです。
何が適切な治療なのかを判断し、鍼灸治療では限界のあるものに関しては、患者さんの予後を考え、専門医療機関に委ねることも、患者さまのより良い生活のためには大切なことなんですね。勉強になりました。
その後、治療戦略として、藤田先生が行っている、腰部の低侵襲の手術方法の紹介があり、この手術だとほとんど入院もいらないようです。そんな手術方法を動画を交え説明頂きました。
より真剣に鍼を打たないといかんな~ と思いましたね。
んん~日々新たに、日々勉強ですな~。
医学も進歩していく。私たちも患者さまのため常に進化しないといけませんな
二葉鍼灸療院 田中良和