川堤の少し日陰になった場所ではヒメオドリコソウの花が咲き始めました。
オドリコソウを縮めたような形からこの名が付けられたそうですが、どちらかというとホトケノザによく似ています。
花はホトケノザが頭頂部から立ち上がるように咲くのに対し、ヒメオドリコソウの花は頭頂部には付かず
その下の葉陰から外を覗くような咲き方で、生息環境もホトケノザが明るく日差しの良い所に咲くのに対し、
ヒメオドリコソウは半日陰に繁殖します。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、日本では明治26年に東京の駒場で最初に発見されたのを皮切りに
関東甲信越地方の河川域を中心に広がって雑草化し、最近では私の住んでいる京都府の南部などでも
普通に見られるようになりました。
画像のように上部の葉が紅紫色に染まることが特徴で、花よりも葉の美しさに目を奪われます。
このヒメオドリコソウやホトケノザは「蟻散布植物」と言われるもので、
種子を拡散するのに、蟻に種子を巣まで運ばせるという少し変わった生態をもっています。
種子には蟻の好む脂肪酸や糖類などを含むエライオソームと呼ばれる物質が付着していて、蟻はこの物質に誘引
されて集まり、種子ごと巣まで持って帰ります。
蟻は巣に持ち帰った種子の内、エライオソームだけを食べ、種は不要なゴミとして巣の外へ排出するので
種子の拡散という植物の目的はここで達成されるわけです。
ヒメオドリコソウ<シソ科 オドリコソウ属> 帰化植物 一年草