四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

薔薇に包まれ

2022年05月14日 12時42分23秒 | 日々の歩み


過日、五月の薔薇が見ごろとの連絡を頂き、横須賀の薔薇園「ヴェルニー公園」へ細君共々
行って参りました。ウイークデーにもかかわらず、最盛期の薔薇を求めてかなりの人出でした。


     「薔薇 ブルーバュー」

ヴェルニー公園は、このブログでも前に触れましたが…、
公園の対岸にフランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した旧横須賀製鉄所が望める
フランス庭園様式を取り入れた公園として、平成13年度末に整備され今日に至っております。
フランス式花壇や噴水、洋風あずまやなどもあり、約1,700本の薔薇が五月の太陽の下で
艶やかな彩りを添えていました。


      「戦艦「陸奥」の主砲が展示されている 公園入口」

また、この公園は、横須賀本港を一望でき、係留されている艦船を見ることができ、公園から見て、右手に米海軍基地、左手に海上自衛隊地方総監部が望めますが、薔薇と艦船のコラボは初めての方には不思議な印象を残すのではないかと思っています。特に「ピース」の名称を持つ素敵な薔薇の背景に、真っ黒な原子力潜水艦が係留されている景観には、未だなじめないものを感じます。


       「薔薇と艦船」

また、今年の春の「ローズフェスタ」は5月21、22日に予定されているとのことですが、かなりの混雑も予想されますので、それを避けて訪れたことは正解であったと改めて思いました。
海沿いにはボードウォークがあり、潮風の中で丁度見ごろに咲いた薔薇を、細君共々デジイチでスケッチしながら散歩を楽しみました。


     「薔薇 シャルダン ドゥ フランス」

この公園には、昨年2021年5月29日に『よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸』が
開館いたしました。
ティボディエ邸は、横須賀製鉄所副首長ジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎で、1869(明治2)年頃に建築され、2003(平成15)年の解体時まで本州最古級の西洋館でした。このミュージアムでは、その小屋組みを移設した実物展示のほか、日本近代化の礎となった横須賀製鉄所の歩みなどを展示しており、一見の価値はあると感じました。案内される方に
親切な説明をして頂き、改めて横須賀の近代史に果たした役割を学ぶことができました。



     「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」

この薔薇園や、日々の徒然に、即興で短歌に詠みましたので掲載させて頂きます。
 ☆公園に薔薇と艦船並びいる 危ういながら共に陽をあび
 ☆艦船も潜水艦も並びたち 薔薇も溢れる海の公園
 ☆公園に光あつめる薔薇の花 平和・希望の名前もならぶ
 ☆薔薇の花 儚き命の象徴と 謳われたるも しぶとさも秘め
 ☆懐かしき さえずりなれど名は知らず かの日に聞きし里を想いて
 ☆花の雨 弟橘媛(おとたちばな)の歌碑に降る 千年の時きのうの如く


      「薔薇 ピース」

 ☆艦船を真近に眺め海巡る 「軍港巡り」に人ら溢れて
 ☆幻か 薔薇と軍艦並び立つ 遠き歴史の闇に浮かぶは
 ☆青と黄の旗に包まれ帰還する夫(つま)に涙し空仰ぐ妻
 ☆かの国で未だ殺戮続く中 米軍基地は薔薇に包まれ



      「薔薇 希望」


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
薔薇 (チョウキチ)
2022-05-14 15:24:40
薔薇は梅雨前のこの時期いいですね。私も少々植えています。周囲に気兼ねして消毒などを怠っていますので、咲く花も今一ですが、個人的には楽しんでいます。
返信する
横須賀 (カンサン)
2022-05-15 07:59:19
shouさんへ、私の映画のブログにいいね!をありがとうございます。
横須賀には2、3回行ったことがあります。
戦艦"三笠"も見学したことがあります。観音埼灯台にも行きました。ペリー上陸記念碑のある場所にも行ったことがあります。
返信する
Unknown (risukurumi48)
2022-05-15 08:03:46
ポエット•Mさん、
リコです。お早ようございます。

薔薇と軍艦の詠草を興味深く読ませていただきました。

貴方は「水曜サイト」で皆様のお世話をしてみえてお忙しいので、なかなかご自身の短歌を発表されません。
私はもっと沢山の貴方の短歌を読ませていただきたいと思いますので、今後も週一でも短歌の掲載をお願いしたいです。
貴方の短歌は時事を上手く短歌に詠んでみえます。
女性ではなかなか詠めない視線が勉強になります。

今日は通常に戻っての大阪市内での歌会です。やはり対面の歌会は皆さん楽しいとおっしゃいます。
返信する
Unknown (ユウ)
2022-05-15 14:23:44
こんにちは(^-^)/
フォローありがとうございます。私もフォローさせていただきます。よろしくお願いいたします。

バラがとても綺麗で素敵な所ですね❗️
バラの香り漂う園内をご夫婦で散策されたのですね。
返信する
チョウキチさんへ (ポエット・M)
2022-05-15 16:46:30
チョウキチさん こんにちは。
コメント頂きありがとうございます。

「五月の薔薇」の喩えではありませんが、薔薇は今の季節が最も美しく輝いて見えますね。
チョウキチさんもご自分のお庭で育てているとのこと。おっしゃるように薔薇は病気との
兼ね合いで消毒はどうしても必要になりますが、周囲の方との関係で厳しいですね。

私の友人に目白で見事な薔薇を育てている方がいますが、彼も消毒が大変と聞いたことが
あります。いろいろ工夫しているようです。

なお、チョウキチさんの撮影される鳥の画像にいつも惹かれています。今回も海に舞う
コアジサシを見事にとらえられていますね。特に、小魚を咥えて飛ぶコアジサシは
秀逸な画像と思います。

これからもよろしくお願いします。
返信する
カンサンさんへ (ポエット・M)
2022-05-15 16:48:10
カンサンさん こんにちは。
コメント頂きありがとうございます。映画「オードリー·ヘップバーン」は
良かったようですね。彼女の生涯とあり方、そして人となりには惹かれるものがあります。

横須賀にも来られたとのこと。戦艦"三笠"、観音埼灯台、ペリー上陸記念碑等々
主な観光地はしっかり押さえられていますね。横須賀人としては嬉しい限りです。
なお、最近「ソレイユの丘」と言う場所も、結構脚光を浴びつつあります。機会が
ありましたら立ち寄られることをお勧めします。

なお、大阪府豊中市にある服部緑地公園で撮影された薔薇が見事ですね。
特に、ブルームーン、エレナが素敵です。
これからもよろしくお願いします。
返信する
リコさんへ (ポエット・M)
2022-05-15 22:18:39
リコさん こんばんは。
励ましも含めたコメントを頂きありがとうございます。

おっしゃるように、最近短歌をあまり詠んでいませんね。反省しております。

時事詠は難しいと感じています。どうしても事実の羅列に終わり、詩として
成り立つ詩情を盛り込めず、詠歌に力量不足を感じてしまいます。
詠んでも大半を「没」としています。この面での精進を重ねたいと思います。

対面での歌会とのこと。いいですね。やはり歌会は学びの場としては最高と思っています。

これからもよろしくお願いします。
返信する
ユウさんへ (ポエット・M)
2022-05-15 22:32:39
ユウさん こんばんは。
フォロー頂きありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。

薔薇の花に目をとどめて頂きありがとうございます。
ピースと言う名前を持つ薔薇等々と、軍艦が同時に眺められる、不思議な公園ですが、
薔薇の手入れも良く好きな公園です。

ユウさんのブログには時々伺わせて頂きますが、これからもよろしくお願いします。
返信する
胸が詰まる思いに・・・ (fumiel-shima)
2022-05-16 11:34:22
ポエットMさん、こんにちは。

薔薇たちと艦船を同時に見るという意外とも思えるような光景にポエットMさんらしい視点は私の胸にも大きく響きました。

相反する物もしっかりと見つめ、遠き歴史の語るものに心を向けるポエットMさん。
そし今なお続くウクライナの悲惨な状況下で犠牲となり、国旗に包まれた変わり果てた夫と対面し天を仰いで涙する妻の悲しい姿。
それを思うポエットMさんの胸に去来するものを想像すると私の胸も・・・

さて、週が変わりましたのでまた千恵子の独楽吟を提出させていただきます。

☆たのしみは 日課の一つ街歩き 通りの木々に緑見るとき
☆たのしみは 若葉の中にヤマボウシ 真白き苞の四枚見るとき
☆たのしみは 山菜採りを懐かしむ あの山あの沢思い出すとき

よろしくお願いします。
返信する
fumiel-shimaさんへ (ポエット・M)
2022-05-16 13:31:07
fumiel-shimaさん こんにちは。
薔薇と艦船が並び立つ光景は、この地に住む方たちにとっては、今では当たり前の
風景になっていますが、私の友人もそうですが、初めて見る方にとっては、かなり
違和感を感じる方が多いのではないかと思っています。
私も未だなじめないものを感じます。
明治の開国に続く日本の近代化、さらに、戦後の横須賀の歩みはまさに米国、および、
米軍等と共にあったと実感しています。その歩みは否応なくウクライナの現状に
重なっていきます。

青と黄の国旗に包まれて帰還するウクライナ兵と、その妻の姿の多くは、その悲しみの
深さも記されず、ましてニュースにすらならないかもしれません。しかし、私たちは
その事実を自らの記憶に刻み、侵略戦争を起こした者の犯罪と、その戦の愚劣さを
改めて告発していくことが必要と感じます。そんな思いを共有でき心強く感じます。

なお、「水曜サロン」へ独楽吟を出詠頂きありがとうございます。
いつも、千恵子奥様の詠歌には短歌の原点を示唆され、学ばせて頂いています。
「ヤマボウシ 真白き苞の四枚」の描写の的確さは秀逸と思います。

これからもよろしくお願いします。
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