第二次大戦中、マスコミ(新聞各社)として皆が思う役割である所の、『真実を適切に伝えていたら』、『軍に迎合しないで毅然とした報道を続けていたら』、結末として原子爆弾は落とされずに済んだのかもしれない。
このように『たら、れば』は、いかにも意味の無い空虚な言葉であり、過ぎ去ったばかりの過去に対しては、後悔をするような形の反省をしても何の意味も無い。
しかし、同じような未来に起きる可能性の有る出来事に対する心の準備として、其れを記憶するのは、決してマイナスのことではない。
マスコミは、戦時中の報道姿勢を反省することも無く、また大阪の厚生省の『障害者郵便悪用事件』に対する報道に対しての姿勢にも、その反省は無く、今また戦時中と同じような、過ちに入り込もうとしている。 そんな感じでブログを見ていると、この様な意識は多くの方々に共有されているようである。
報道の姿勢が、高い位置からの報道で世を煽動、誘導しようとし、また街角の『インタビュー』でも、その会社の代弁者のみを、さも世間の代表的な意見のように思わせ、マスコミ各社の思う通りの落とし所に導く。 まさに、報道各社の自慰的キャッチボールと言われる様な事態が続いている。
油断もスキもない。 マスコミ各社が報道する内容については、3つの報道が有ったら、1個は事実として信用するにしても、あとの3分の2は、ケースバイケース、まともに信用してはいけないと心得るくらいで、丁度である。
下記のように、事実を報道しないと言うのも、大本営あっての事だと、理解せざるを得ない。
*** 10月2日の反中デモ・下記URLより ***
http://homepage2.nifty.com/kamitsuki/index.htm
10月2日、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件をめぐり、日本では東京など7都市で中国に対する抗議デモが行われ、渋谷では2600人が参加したとも言われています。
主催は田母神俊雄氏が会長を務める右派系の全国ネットワークです。 検索で調べた限りですが、報道機関でこれを報じたのはAFP(日本語版)、CNN(英語版)、ロイター、WSJ、香港メディアの鳳凰網、シンガポールのチャンネル・ニュース・アジアなどであり、報道した国内メディアは皆無です。
日中関係への関心が強くなっている現在、このニュースの価値は決して低くないと思われます。 それは海外メディアが取り上げていることからもわかります。 また2日には他のニュースを追いやるほどの重大ニュースはなかったので、国内メディアには何らかの圧力、あるいは配慮や忖度が働いたのではないかと勘ぐりたくなります。
尖閣問題では、中国船の船長が釈放されるまで日本メディアの冷静さが目立ちました。 9月8日の船長逮捕の後、この問題を社説で取り上げたのは産経が最も早く14日、もっとも遅かったのは22日に初めて取り上げた朝日で2週間後となっています。
文末に関連した社説の表題を記していますが、中国よりの新聞ほど報道に消極的である様子が伺えます。例外は産経で25日までに5本を掲載し、船長釈放直後の25日、各社がそろって出したなかでも政府の措置への批判が際立ちます。
領土問題、とりわけ中国や韓国との問題はナショナリズムを刺激しやすいと言われていますが、今回、国内であまり騒ぎが起きなかったのはこうした報道姿勢によるところがあるのでしょう。 9月2日のデモが黙殺されたのもこのようなメディアの姿勢によるものとすれば辻褄が合います。 しかし喜んで報道しそうな産経まで黙っていたのは報道の自粛以上のものがあったのではないかとの疑いが残り、不気味です。
独裁国など、情報統制された国の国民は海外メディアによって初めて事態を知ることがあります。今回のデモ報道はよく似た有様で、恥ずかしいことに自由な言論が保障された先進国の出来事とは思えません。
むろんナショナリズムを煽るような報道はよくありません。しかしだからといって隠してしまうのは間違っています。 ナショナリズムの発露が事態をいっそう困難にするといった判断があったとしても、メディアがそれを恣意的にコントロールしようとするのは傲慢な越権行為でありましょう。
戦前、国民の士気を低下させないためという理由で、不利な戦況を報道しなかったのと同様です。
一方、メディアスクラムという言葉はひとつの事故・事件に同じような横並び報道が集中するという、メディアの付和雷同体質を指しますが、今回のように全てのメディアが一斉に黙殺するのも同じ体質の現れであると理解できます。 全てのメディアが隠せば、事件があったことは無論のこと、隠したこと自体もわかりませんから、より厄介です。
メディアは民意、民意という表の顔とは裏腹に、国民の判断は信頼できないという考えを密かに持っているのでしょう。 腹の底では愚民どもよりも我々の方が正しい判断ができるというふうに。 でなければ世論をリードするという自負が成り立たなくなります。
しかし過去の報道を見てきた限りでは、メディアの判断に全幅の信頼を置くことは残念ながら期待できそうにありません。いっそ独立性の強い海外メディアに来てもらい、主要メディアの一角を担ってもらえば多様で自由な報道が実現するかもしれません。
朝日新聞
9月22日付 尖閣沖事件―冷静さこそ双方の利益だ
9月25日付 中国船長釈放―甘い外交、苦い政治判断
毎日新聞
9月21日付 閣僚交流停止 冷静さ欠く中国の対応
9月25日付 中国人船長釈放 不透明さがぬぐえない
読売新聞
9月16日付 尖閣沖漁船衝突 中国は「反日」沈静化に努めよ
9月25日付 中国人船長釈放 関係修復を優先した政治決着
産経新聞
9月14日付 対中姿勢 尖閣の守り強化が課題だ
9月17日付 反日運動 中国は邦人の安全を守れ
9月23日付 菅・オバマ会談 日米で尖閣防衛確認せよ9.23 02:37
9月23日付 尖閣漁船事件 危険はらむ中国首相発言9.23 02:37
9月25日付 中国人船長釈放 どこまで国を貶(おとし)めるのか
日経新聞
9月21日付 中国は対立激化を抑える冷静な行動を
9月25日付 筋通らぬ船長釈放 早く外交を立て直せ
*** 以上 全文 転載 ***