文武廟全体は牌櫓、拝殿、武聖殿、大成殿で構成されそれぞれの建物に彫刻、文様がちりばめられています。宗教的歴史的背景がわからないものにとっては読み解くことはほとんど不可能ですが、朱色の柱が林立する様子や精緻な大理石の彫刻は見るものを楽しませます。
学問の神の孔子そして武の神の関羽と岳飛の座像の周りに三神を警護する武将像が多数並んでいます。ただし現今は、文武両道関連の願いを聞き届けるというより商売繁盛、金運上昇の願いを聞き届ける神様に変わっているようです。
廟の門を見下ろすところまで登ると日月潭を門越しに見えます。宮殿や廟そして名勝地の入り口などに建つこの門は牌楼(パイロウ)と呼ばれます。中国文化の象徴ともいわれ、それぞれの場所で大きさを競い意匠を凝らした牌楼を見ることができます。
日月潭の湖面を見下ろす位置に文武廟は建っています。発電所建造で湖底に水没する二つの廟を1938年にこの地に統合移築しました。1999年9月、13kmの至近距離を震源とする台湾中部地震で倒壊後、日本人を含む多くの人の寄進により再建しました。
訪れた人は自分の誕生日の段に近い手すりに隣の文武廟内で売られている「祈福風鈴」と呼ばれるお守りをつるします。段にはハイドン、デカルトなど世界の偉人の名前が刻られています。ちなみに9月3日は「多啦A夢」!なんとドラえもんと読みます。
展望エリアから湖面まで行くための「文武年梯」という階段を366段降りる必要があります。最上段は12月31日、以下1段1日,最下段は1月1日、各ステップ上にはその日に生まれた世界の有名人の名前が刻ってあります。
台中市中心部からバスで1時間半ほどの小高い丘を登ったところ(湖面の海抜727m)に台湾最大の湖の日月潭があります。日本統治時代に日本人がこの湖の水を利用して水力発電所を造りました。現在台湾の水力発電量の半分以上を発電しています。