(演技をする山口真帆さん。写真はネットより。以下同じ)
今回ご紹介するのはドラマ「DIVER-特殊潜入班- 第二話」です。
-----内容&感想-----
9月29日、ドラマ「DIVER-特殊潜入班-」の第二話が放送されました。
「DIVER-特殊潜入班-」は身分を隠して犯罪組織に入り込み、組織の闇を暴く兵庫県警の潜入捜査官チーム、通称”D班”の物語です。
昨年アイドルから女優に転身して活動し始めた山口真帆さんが、第二話のゲストで登場すると知り興味を持ちました。
山口真帆さんのドラマ出演は今年1月の「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」の第一話ゲストに続いて二度目、また今年9月には舞台「走れメロス ~文豪たちの青春~」にも出演しています。
冒頭、暗い屋内で女性が息を切らしながら、丸い飴玉のようなものを食べるシーンで物語が始まります。
食べると息切れが収まっていて禁断症状に見えました。
すぐに女性は飛び降り自殺をして亡くなってしまいます。
(左から兵庫県警本部長(県警トップ)の阿久津洋子(りょう)、潜入捜査官黒沢兵悟(福士蒼汰)、潜入捜査官佐根村将(野村周平)、D班の班長伊達直哉(安藤政信))
阿久津洋子から伊達直哉に、女子大生の自殺者がこの半年間で兵庫県内だけで5人目と語られます。
今回亡くなったのは烏鷺谷大学の学生で、5人は通っていた大学はバラバラですが同じ高級風俗店に勤務していた共通点があります。
この場面を見ていて安藤政信さんもりょうさんもかなり演技が上手くて驚きました。
一つの台詞を言っている中にもしっかり濃淡があり、声に表情が宿っているかのようでした。
(犯罪組織に入り込むので捜査官は危険と隣り合わせになります。)
阿久津洋子は伊達直哉に烏鷺谷大学のことを調べるように言います。
さらに匿名で通報が入り、5人とも烏鷺谷大学の学生が主催するグルメサークルに所属していたことが分かります。
グルメサークルを主催しているのは小野原光生(鈴木仁)という参議院議員の息子です。
サークルは週に何回か会合を開いていて、物語の主人公にして問題児でもある黒沢兵悟が大学で潜入捜査をします。
(黒沢兵悟に声を掛ける井川エリ(山口真帆))
黒沢兵悟が問題のグルメサークル「ワールドグルメキャンプ」のポスターを見ていると、「これー、興味ありますよね?」と井川エリが声をかけてきます。
にこやかに声をかけていて甘い雰囲気が出ていました。
一人ではなかなか行く勇気がなくて、もし良かったら一緒に行かないかと言い、黒沢兵悟は「良いですよ」と承諾します。
黒沢兵悟の雰囲気が伊達直哉と話していた時の不遜な態度から、はにかんだ穏やかな大学生の雰囲気になったのが印象的で、流石に潜入のプロだと思いました。
二人が席についた時、黒沢兵悟の左手の腕時計にカメラ付き通信機が仕込まれていて驚きました。
カメラに映った映像はD班のメンバーの居る部屋にリアルタイムで送られ、闇医者の皆本麗子(片瀬那奈)とIT担当の宮永壮一(浜野謙太)が見ていました。
やがて小野原光生が現れて挨拶をし、爽やかな好青年に見えました。
(微笑む井川エリと黒沢兵悟。山口真帆さんの笑顔の良さが発揮された場面だと思います。)
北海道産の小麦粉とアメリカ産の小麦粉で作られたパンの重さを両手に持って比べることになり、井川エリが「微妙に違うよね」とここでも甘い雰囲気で黒沢兵悟に聞いていました。
そのパンを食べてみてくださいと言われ、黒沢兵悟は皆本麗子と宮永壮一の「食べるな」という忠告を聞かずに食べます。
グルメサークルでビュッフェパーティーが始まり、黒沢兵悟は楽しむふりをしながら周囲を見回します。
その目の演技が潜入捜査官というより闇世界の住人の雰囲気が出ていて上手いと思いました。
井川エリが「また来週もこの会が開催されるらしいから、一緒に参加しない?」と聞き、黒沢兵悟が「うん、そうだね」と言うと「ほんと?やったー!」と喜びます。
終始可愛らしく甘い雰囲気で、こんな美人さんに甘い雰囲気で来られたら一般の人はなかなか断れないかも知れないなと思いました。
(戦う黒沢兵悟と佐根村将。)
グルメサークルの中に一人不審な男が居て、黒沢兵悟と男子トイレで激しい戦いになりやがて男を取り押さえます。
男は佐根村将といい、伊達直哉の指示で動いていた味方だと明らかになりますが黒沢兵悟は協力する気は全くないです。
その夜、黒沢兵悟、佐根村将、皆本麗子、宮永壮一でグルメサークルについての話をします。
黒沢兵悟はとても態度が大きく、佐根村将に役に立たないから出て行けと言い、宮永壮一にも偉そうな態度を取っていました。
しかしとても頭が良いようで、グルメサークルで行われていたことが「スタンフォード催眠感受性スケール」という、暗示にかかりやすい人を選別するものだと見抜きます。
皆本麗子が「早くしないと次の犠牲者が出る」と言っていました。
さらに、佐根村将が「一緒に居た女の子(井川エリ)も危ないんじゃないか」と言うと黒沢兵悟は大笑いし、「あいつは引きだよ」と言います。
声を掛けてきた人が偶然高級バッグを持ち、200万円以上する時計を付けているなんてことがあるか?と言い、よく見ているなと思いました。
皆本麗子が「相当悪事を働いて稼いでいるってことか」と言うと、黒沢兵悟は見当外れなことを言っていた佐根村将に「わーったろ?お前には無理なんだよ」と不遜に言い、佐根村将は出て行きます。
出て行った佐根村将のところに伊達直哉がやって来ます。
佐根村将は伊達直哉に頼まれ、匿名で通報したのが誰なのかを調べていたことが明らかになります。
2回目のグルメサークルの会合が開催されます。
今回はABC三つのカップが用意され、小野原光生が出汁が入っているので飲み比べて一番美味しかったものを前に出してと言います。
通信機で宮永壮一が「味違うの?」と聞くと黒沢兵悟は「全部一緒だよ。全部水だ」と答えます。
しかしどれかのカップを前に出す人が続出し、これが「ABCは味が違う」という暗示をかけ騙されやすい人を選別しているのだなと思いました。
黒沢兵悟は迷っているふりをして一つを前に出します。
(モニター越しに会合の様子を見る井川エリ。それまでの甘い雰囲気から一転して悪の組織の女性幹部の雰囲気になります。)
井川エリが黒沢兵悟の様子を、悪女顔でハンバーガーを食べながらモニター越しに監視していて驚きました。
「やっぱこの人、ハマりやすいかもなー。誘おっかなー」と不気味な笑顔で言っていて、豹変ぶりが印象的でした。
この場面を引き立てるためにそれまでをことさら甘い雰囲気にしていたのかも知れないと思いました。
(不気味に微笑みながら「誘おっかなー」と言う井川エリ。山口真帆さんの演技が新たな一面を見せたと思います。)
やけに甘い雰囲気の人は腹に思惑があると思った方が良いのかも知れないと思いました。
小野原光生が飴で一度口の中をリフレッシュしてと言い、今度はお茶の飲み比べで一番濃厚だと思うものを選んでと言います。
匿名で通報したのは立花という非常勤講師で、伊達直哉が話をします。
冒頭で亡くなったのは立花のゼミの子で、同じサークルの人が5人も亡くなっているのに大学側が動かないのは、小野原光生の父親が地元選出の国会議員だからだと言います。
グルメサークルの会合が終わって黒沢兵悟が外に出て歩き始めると、目の前を歩いていた女性が具合が悪くなって倒れそうになります。
黒沢兵悟が助けますがその時に何か異変を察知していました。
すると小野原光生がやって来て「あっちで休みましょう」と女性を連れて行きます。
(黒沢兵悟に声をかける井川エリ。)
今度は井川エリが「佐藤君!」と声をかけてきて、「やっぱ間に合わなかったかー。だったらご飯行かない?」と誘い、黒沢兵悟は「え、急だね」と戸惑った素振りを見せます。
「ダメー?」と聞かれ「今日はちょっと…」と言うと、佐根村将が高校の時からの同級生のふりをして近付き、それなら俺と行かないかと誘います。
井川エリは当初「あなたには言ってないんだけど」と冷たい雰囲気でしたが、佐根村将の腕時計を見て金づるになると見たのか良いよと言います。
その夜、黒沢兵悟、伊達直哉、皆本麗子、宮永壮一で話をします。
黒沢兵悟は倒れかけた女性の様子から、薬物の影響だと言います。
出汁や飴の中に入っていたと思われ、宮永壮一が「でも兵悟君は大丈夫じゃないか」と言うと「薬物くらい慣れてる」と答えていて、やはり闇世界の人だなと思いました。
ただし皆本麗子が検査すると黒沢兵悟は陰性になり、なぜなのかとなります。
すると佐根村将がボロボロになって現れ、ぼったくりバーに連れて行かれてボコボコにされたと言います。
さらに、ボコボコにされてしばらく店の前に倒れていると、倒れかけた女性と小野原光生がその店に入って行くのを見ます。
女性は少しボーッとした様子だったと言い、ぼったくりバーで高額な請求をされ男性は払えなければボコボコにされてお払い箱になり、女性は風俗に沈められる構図が浮かび上がります。
小野原光生達は風俗への女性の紹介料で稼いでいて、薬物漬けにすれば被害を訴えにくくなり、そして薬物欲しさにまた借金を抱えることになります。
黒沢兵悟は「負の連鎖にはめていくってことか」と言っていました。
佐根村将がボコボコにされた時の様子をボイスレコーダーに記録していて、それが傷害の証拠となりバーに伊達直哉率いる兵庫県警が逮捕状を持って踏み込みます。
立花が伊達直哉を訪ねて来て再び話をし、娘を持つ父親としてこれ以上犠牲者を増やすわけにはいかないので出来る限り協力すると言います。
立花がワールドグルメキャンプの部室の鍵を開け黒沢兵悟と佐根村将が忍び込みます。
金庫に大量のお金があるのを突き止め、飴もあったのでサンプルに持って行きます。
お金の一部を「ほらよ」と渡す黒沢兵悟に、佐根村将が「亡くなった彼女たちが稼いだお金をよく取れますね」と言うと、「世の中騙される奴が悪いんだ」と言います。
これは違うなと思い、やはり騙す人が悪いと思いました。
金庫に8800万円あり飴からはコカインが検出されたことを伊達直哉が阿久津洋子に報告します。
小野原光生の逮捕状を取るにあたり、父親が国会議員であることから県警トップの阿久津洋子の身を心配すると、次のように言います。
「(逮捕する)それは正義でしょう?ならば躊躇なくやるべきよ。国会議員がいくら喚こうが、事実は変わらないでしょ。忖度するような警察官は、すぐにでも辞めるべきね」
堂々たる態度で印象的な場面でした。
台詞に胆力があり、りょうさんの演技はかなり上手いと思いました。
3回目のグルメサークルの会合が開催され、黒沢兵悟と佐根村将が行きます。
井川エリも現れますが佐根村将にはよそよそしい態度でした。
黒沢兵悟が井川エリと二人で話し、「あいつ酔っ払って何も覚えてないんだってさ」と言うと少し安心した様子で、自身は喧嘩が起きる前に先に帰ったと言います。
ただし前回までのような甘い雰囲気はなくなりぎこちない笑顔になっていて、動揺が隠せていませんでした。
AとBの飴を食べ比べているところに伊達直哉率いる兵庫県警が突入すると、驚きの展開が待っていました。
黒沢兵悟という人の悪を潰すためなら手段を選ばない狂気を感じた場面でした。
佐根村将がお前は人を殺すために潜入をやっているのかと詰め寄ると、黒沢兵悟は「狩るか、狩られるかだ」と言います。
黒沢兵悟がなぜダークになったのか幼少期の回想で明らかになり、「俺は、騙す側の人間になる」と言っていて、現在の姿を形作る言葉だと思いました。
終盤、検査に引っかからない麻薬の謎が明らかになります。
また、黒沢兵悟が実は小野原光生達の命を助けてあげていた可能性が浮かび上がり、これは意外だなと思いました。
根っからの悪人ではないのかも知れないと思いました。
(山口真帆さんが所属する芸能事務所「研音」の大先輩、りょうさん。元々はモデルとして活動し、現在では演技力の高い女優と評されています。)
注目していた山口真帆さんの演技は、悪女に豹変する場面と気まずそうな雰囲気の場面が印象的で、今後に向けて演技の幅が広がったのではと思います。
先輩方との差を感じたのは、「罪のない嘘」での菅原りこさんと同じく台詞の緩急でした。
特にりょうさんや安藤政信さんなどは一つの台詞の中でもスピードが変わったり声のボリュームが変わったりして凄く上手いと思いました。
これは経験を積みながら身に付けて行くもので、特にりょうさんは事務所の大先輩でもあり芸能活動の途中から女優になった点も共通していて、その姿から得るものがたくさんあるのではと思います。
同年代では松岡茉優さんも途中から女優に転身して若手きっての実力派女優になっており、似た境遇での大成功例は心強いです。
(頬杖をついて穏やかに微笑む山口真帆さん。)
山口真帆さんは派手さと上品さを併せ持つ美人な佇まいに加えて「利発」な印象もあり、教師や弁護士のような知的な役柄にも向いている気がします。
まだまだ女優として駆け出したばかりの存在で、台詞の緩急のような演技力も経験を積むごとに上げて行けると思います。
山口真帆さんのこれからのさらなる活躍を楽しみにしています
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