goo

福島選手、泣く必要なんてないよ。

陸上、女子100メートルの第一人者、
福島千里選手が苦しんでいる。
好調だというのに。
春先、11秒21という驚異の日本新を叩き出し、
11秒1台も期待されているが、
その周囲の期待感と、自分自身への期待が、
僅かばかりの足踏みも焦燥感につなげてしまうのだろうか。
先日も布施リレーカーニバルで、タイムレースを2回行い、
1回目は11秒24の自己2番目のタイムながら、
2回目は足がつりそうになって11秒47。
「本当にすいません」と涙ぐんだという。
先日の日本選手権で11秒30で優勝した時も、少し涙目だった。
200メートルでは、ライバルの高橋萌木子(ももこ)選手にかわされ、
2位となったのにもショックを受けている様子だった。
でも、そんなに焦らなくてもいいのではないか、と思う。
陸上競技の記録は、狙って出るものではないような気がする。
過去にも、記録を狙いつづけて果たせず、
ふっと力が抜けた競技会で思わず新記録を出した例も多い。
たとえば、男子走り幅跳びで日本人初の8メートル越えを果たした
山田宏臣(ひろおみ)という選手がいた。
南部忠平が戦前に出した7m98という記録を抜き、
8mの大台に乗せるため猛練習に明け暮れ、
「山田大明神」なる神棚に毎日祈った。
それでも記録が出ない。
素晴らしいジャンプをすれば、踏切り板を踏み越してファウル。
あるいは踏み切り板の遥か前からのジャンプになって、距離を損する。
それが、小田原で開かれた競技会の直前に
風邪を引いて、いつものような練習もできず、
さしたる期待も寄せずにとりあえず出場したら、
力が抜けたのがよかったのか、8m01の日本新記録樹立となった。
「もう死んでもいい」と男泣きしたという。
それぐらい、競技の神様は気まぐれだから、
努力をしたうえで、「あとは神様任せ」と思っていた方がいいと思う。
高橋選手とは、根本的にタイプが違うから、
「私は私」と自分のスタイルのレースに徹すれば、
自然と結果もついてくるのでは。
長々と駄説を述べたが、これも福島選手の素質を高く買っている
ファンゆえの偽らざる気持ちである。
のびのびと、頑張れ、福島選手。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )