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あまりの居心地のよさに、もう1泊してしまいたくなったドイツ・フライブルク。しかし先の行程もあるので午後1時前、名残惜しくも街を離れました。
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ドイツでは特急ばかりに乗ってきたので、今度は普通列車にしようと予定を組んでいましたが、ゆったりビールを飲んだお陰でタイムアウト。結局、3度目のICEになりました。
ただ今回は、最新型のICE3。機関車牽引ではなく、日本の新幹線のような電車タイプになっているのが特徴です。2編成併結で、細かな需要に対応しています。
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下車駅のオッフェンブルクまでは45分程度。席に着くのも面倒だし、コーヒーを飲みたくもなってきたので、食堂車のカフェコーナーを目指しました。
食堂車区画はICE1と違い、1等用の座席がついています。レストランらしい雰囲気に劣るのは、ちょっと残念。営業しない時は、座席として使えるような配慮でしょうか。
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カフェ区画はスタンディングタイプ。窓の高さは他と同じなので、景色を眺めたければちょっと腰をかがめないといけません。
ICE1の食堂車の方がよかったけど、それは比較の上での話。最新型になり、1編成あたりの両数が減る=営業がしにくくなっても、食堂営業が続けられているのは素晴らしいことです。
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オッフェンブルクで乗り換えて、フランス・ストラスブールを目指します。トラムのような、軽快な姿の低床式ディーゼルカー。わずか2両編成で、ローカル線の雰囲気です。
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特徴的な「垂直に立っていない窓枠」を、車内から見るとこんな感じ。
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クロスシート主体の車内は、発車する頃には満席近くなっていました。
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晴れ渡る穀倉地帯を、各駅に停車して結んで行きます。駅周辺へあまり家は張り付いていないけど、各駅ごとに一定の乗降客はいます。
のんびり、ゆったりしつつも、地域の足として活躍するローカル列車です。
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ライン川を渡ればフランス領。この旅、4カ国目を迎えたけど、国を超えたという実感も緊張感も気負いも、まったくありません。手間がないとはいえ、パスポートにフランクフルト空港のスタンプしか残らないのは、ちょっと寂しくもあります。
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鉄っちゃんとしてフランスを実感できるのは、やっぱりTGV。ただこれとて、スイス領内でも見かけました。
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駅の端の、ローカル列車用ホームに着いて終着。駅本屋の方に行くと、細かな装飾が施された鉄骨の上屋が迎えてくれました。
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しかし、それよりも驚いたのが駅舎。歴史ありげな重厚感のある駅舎を、鉄骨とガラスのドームが覆っていました。「旧駅前」は、中性的な空間になっています。
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ペダルを漕いで、自分で発電する充電スポット。これは楽しい。日本でもウケるのでは?
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そして駅の外に出れば、もはやガラスドームしか見えません。宇宙から降り立ってきたかのような、およそ駅には見えない建物です。
これを新旧の共存というのかは判断できないけど、少なくとも旧駅舎を取り壊すことなく、未来的な景観を造りだしたことには間違いありません。
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駅前はホテルやレストランが並んでいて、ちょっとした駅前通りを形成していました。
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今宵の宿は、そんな並びにあるホテル・ビクトリア。最後の宿なのに55ユーロ(7,200円)とこの旅最安値の宿だったので不安もありましたが、エントランスはきれいでひとまず安心。建物自体は古くても、きちんと手は入れられているようです。
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エレベータが、止まる時にガクン!となる古いタイプだったり、増築を重ねたのか廊下に段差があって大荷物に難儀したりはしたけど、部屋はこぎれいで不満なし。色使いもポップでかわいいです。
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窓を開けば、駅前通りを俯瞰できました。
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明日の朝には発たねばならぬストラスブール。早速街歩きに出かけてみましょう。
トラムの1日券(3人までのグループ券で5.7ユーロ=747円)を買い、階段を下ります。トラムの駅は、なんと地下にあるのです。上下移動が伴い、地上レベルで乗れるトラムの利点は失われていますが、水平移動の距離は短く設計されています。
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すぐに地上に出て、街の中心部へ。複数系統が十字に集うオム・ド・フェール電停は、円形の屋根がかけられ中央駅といった風情です。
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そしてこの街も、中心部の街路はトランジットモール。歴史的な街並みの中を、デザイン性の高い流線型のトラムがすべるように走って行きます。新旧の融合が面白い街です。
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広場には市が立っていて、夕方の時間でも多くの市民が立ち寄っていました。トラムと広場で街の骨格が形作られる様子に、午前中に見たフライブルクが重なりました。
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街の中心に立つ、ストラスブール大聖堂。装飾は、これまで他都市で見てきたどの聖堂よりも細やかです。一つ一つの彫刻に、作り手はどんな思いを込めたのか。思い巡らせて外を巡れば、1週間あっても時間は足りないでしょう。
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細やかさは、内部も同じ。緻密に作られたステンドグラスからは、CGでは再現できないような光が差し込んできます。
とても言葉に表すことができない感情が渦巻き、なんでだろう、涙が出ました。建築物を見て涙腺がゆるむだなんて、初めての経験です。
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からくり時計が17時になる瞬間を待ちましたが、ちょこっと動いただけで周囲の人ともども拍子抜け。実は本格的に動くのは12時30分だけらしく、その時間帯には別途入場料が必要なんだそうです。見てみたかった!
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5ユーロを払えば塔に登れるとのことで、せっかくなのでチャレンジしてみました。エレベータなんて便利な文明の利器はもちろんなく、ぐるぐると回る螺旋階段をひたすら登らなければなりません。
寒いし、目が回るし、結構怖いし…少し後悔しつつ、息を切らしつつも登った先に待っていた景色は…
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中世ヨーロッパにタイムスリップしたかのような、赤い屋根の家々。そして夕暮れ。心臓の底まで震わせるような鐘の音が、街中に鳴り響いていました。
登ってよかった。1分前までの疲れはどこへやら。心底、そう思いました。
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上り下りの途中では、外壁の装飾も間近で見ることができるのも、登った人だけの特典です。
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ロアン宮から、イル川のほとりをそぞろ歩き。大切な人と仲良く歩きたい、夕暮れの散歩道です。
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川の分岐点上にある、プチフランスと呼ばれるエリア。ここフランスじゃん!と思ってしまいますが、いろんな歴史的な経緯があるようです。
木組みの建物が並ぶ、雰囲気のいい街並み。人通りは少ないけれど、レストランはぼちぼち開き始めていて、優雅に食事する人たちが窓辺に映ります。
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ぐるりと歩いて、広場に戻ってきました。ライトアップされた大聖堂は、昼とはまったく違った姿です。
昨日のフライブルクは昼夜の人通りの差が大きかったけど、こちらは夜になってもなお賑やかさが続きます。
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この旅最後の夕食、ちゃんとした所で食べたくて、広場近くのレストランへ。ところがウエイターさんがまったく英語が分からず、かといってこちらの意図を分かろうと頑張ってくれるわけでもなく、最終的には放置されてしまいました(泣)。
ちょっと気分も害してしまいました。大学の第2外国語で履修「させられていた」仏語、もっと頑張っておけばよかったかな。ちなみに、写真の場所と記事は関係ありません。
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ただ夜の街並み、そして大きな窓に車内の様子を映しながら走るトラムは、本当にきれい。今度は時間を取って来たいと思える街であることには、変わりありません。
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駅前のホテル1階にあるレストランに、英語を積極的に話してくれるウエイトレスさんがいて、ようやくほっとした気持ちで食事にありつけました。ご当地、アルザス料理のコースです。
発酵させたキャベツがベースの煮込み料理、シュークルート。ちょっと食べなれない味ではあるけど、食べ進めるうちにクセになる味でした。大満腹のお腹をかかえ、ヨーロッパ最後の夜は更けて行きました。