近代とエコ・システムの破壊

2005年11月01日 | いのちの大切さ

 進化のこの段階まで来ると、生命でないもの(例えば太陽、大地、水、空気などなど)と生命が分化し、生命も微生物や植物や動物というふうに無数に分化し、でもすべてがしっかりとつながってエコ・システムをなしている、つまり統合されていることがわかります。

 宇宙は、分化と統合、分化と統合……というふうに複雑化し続けている、つまり進化しているのです。

 私たちもそういう進化の流れの中にあり、進化の流れが生み出したエコ・システムの一部として存在しています。

 それなのに、人間だけが、ほかの生命たちの都合を無視して、自分たちの勝手な産業活動をやっていいと錯覚しはじめたのが近代、この2~300年くらいです。

近代人は、この2~300年間、勝手なことをやって、その結果、海や大気が汚染され、二酸化炭素が増え、地球温暖化が起こり……たぶんまちがいなく、この数年の夏の暑さや暖冬、極端な雨不足かと思えば集中豪雨、ハリケーンの巨大化などなどの「異常気象」は地球温暖化のせいだと思われます。

 近代人のそうした自分勝手な産業活動は、実は近代合理主義と近代科学、それに裏付けられた技術と深く関わっていることは、すでにお話ししてきたとおりです。

 人間以外の自然と人間とは、おなじ1つの自然であり、つながりあいながら1つのエコ・システムをなしているのですが、近代人は、主体・人間と客体・自然が分離しているかのように考え、そうした分離思考を元に生活を営んできたのです。

 今、その限界・欠陥が決定的なかたちで現われ、エコ・システムが破壊されようとしているのではないでしょうか。

 エコ・システムは人類の生活の基盤ですから、それが破壊されれば、やがて人類の生活も崩壊してしまいます。

 しかし、私たちが、こういう40億年の生命の歴史、あるいは宇宙の137億年の歴史の中で、宇宙とつながり、自然とつながって、「生かされて生きている」というふうに自分を捉えはじめた時、今までとはちょっと違う人生観と生き方が起こってくるはずです。

 というより、そういう現代科学に裏付けられた新しいコスモロジーと、それに基づいた新しい技術と産業が生み出されないかぎり、いわゆる「環境問題」の根本的な解決はありえない、と私は考えています。

 いや、こういう否定的な言い方はやめて、肯定的に言い換えましょう。

 現代科学のつながりコスモロジーへの理解が大きく広がり、それに基づいた新しい技術や産業が創発する時、きわめて困難で、ほとんど絶望的にさえ思える「環境問題」に、根本的な解決の方向が開けてくる、と私は確信しているのですが、ネット学生のみなさんはどうお考えでしょう?

 ぜひ、意見を聞かせてほしいと思います。

 なお、私の「環境問題」についてのより詳しい意見に関心を持っていただける方は、サングラハ心理学研究所のHPにアクセスして「自然成長型文明に向けて」という論文をお読みいただけると幸いです。

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コメント (4)
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