今日も朝から大学の授業で、ゆっくり記事を書けません。
もったいぶるわけではありませんが、人間は宇宙の傑作か失敗作かという問いへの私の解答例はもう少し待って下さい。
授業は、前期でほんとうの自信とは何かとコスモロジーが終わり、後期、仏教の心理学・唯識の概説も終わったところです。
今年は残念ながらついてこられなくなった学生もかなりいますが、それにしてもついてくる学生はちゃんとついてきています。
今日は「無住処涅槃」という大乗仏教の目指す究極の境地の話をしました。
かなり高度な内容なのですが、大半の学生がしーんと聴き入ってくれました。
個人の人生の「目標」や「夢」ももちろんあったほうがいい。
しかしそれを超える、社会をよくしたいという「理想」というのがある。
そのためには自分の人生すべてを捧げてもいいという心を「志」という。
さらにもっとすごいのが、生きとし生けるものすべてが幸せになるまでは、あえて果てしなく生まれ変わり死に変わって輪廻し続けるという境地=無住処涅槃という大乗のコンセプトです。
そういうすごい話が大乗仏教にはあるんですね…と。
こんな今時受けそうもない話に聴き入っている彼らの様子を見ていると、聖徳太子や聖武天皇や行基…などの努力が千数百年をへて、伝わり実るかもしれないと、期待を抱かせられます。
「美しい日本」を創りたい若者はいる、いてほしいと思いながら、仕事を続けています。
*写真は鞍馬の紅葉
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