一関市花泉町、丘陵地の狭間の田んぼ沿いの道を歩いていると、田んぼの縁や水路沿いに
嫌われ者のヒエがまとまって生えています。ヒエはイネよりも育ちが早く、草丈もあるの
でイネの日照を遮ったり、田んぼの養分を奪ったりするので農家には嫌われています。
写真のように成熟してくると種がこぼれて、翌年はもっと繁殖することになります。
ヒエにも何種類かあるようで、写真のように果穂に付いた芒(のぎ)が紫褐色で長いものと、
芒が目立たないものがあるようなので、種が違うのか調べてみましょう。
二枚とも2022.8.29撮影
イネ科の植物図鑑でヒエを検索すると、やはり幾つかの種が載っていました。
よく畑周りや道端で見かけるのがイヌビエで、私の写真のヒエはケイヌビエという種と判
りました。他にもヒメイヌビエや雑穀として栽培されるヒエなどがあります。
なお「ヒエ」の名の由来は「冷え」からきており、栽培において耐寒性に優れていること
を示しているという。古代から戦前まで、冷害で稲や麦が不作のときに、救荒作物として
食される重要な穀物だったようです。
二枚とも2022.8.29撮影
イネ科ヒエ属の1年草でイヌビエの変種。北海道~沖縄に分布し、草丈は60~120cm。
水田や水路沿い、湿地などに自生し、多くの種子が散布されることからしばしば群生する。
水田に蔓延ると、イネの生育を阻害する。
茎の基部はやや赤みを帯び、数本に枝分かれする。茎には毛がなく節がやや高い。
草体はイヌビエに比べて大きい。
葉は線状披針形で長さ20〜40cm、表面と縁はざらつく。葉鞘は長く平滑。
花期は8〜9月、花序は長さ15〜30cm、先は下垂し、花軸から長さ3〜7cmの枝をだして
小穂を密につける。小穂は卵形で長さ3mm。第1包穎は長さ1mm、第2包穎は3mm、
短い芒がある。第3穎は3mm、長い紫褐色の芒を出す。芒は長さ10〜35mm。
果実は広楕円体で長さ2mm、乳褐色。
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