登米市東和町、山裾の農道を歩いて行くと道下に畑があって、何か大型の作物が3~4株
植えられています。畦道から観察すると、分岐したそれぞれの枝先にアザミ似の花が5個
前後付いていて、紅紫色の花が咲き始めています。これはゴボウの花ですね。
総苞には栗のイガ状に細い棘が付いていて、これがとても印象的です。
小学生の頃だったか、山裾の畑にこの花が咲いていたのを覚えています。
当時野菜の種は買うものではなく、自家採種して翌年撒いていましたから、野菜の花はよ
く見かけたものです。ご近所と種子交換して、互いに評価しあったりしていましたね。
二枚とも2022.7.11撮影
ゴボウの原産地はヨーロッパ北部~中国東北部です。我国へは縄文時代に伝来、縄文遺跡
からゴボウの植物遺体が出⼟しているので、史前帰化植物ということになります。
現在は根菜として食されていますが、平安時代以前は生薬として利用されていたようです。
根を牛蒡根(ごぼうこん)と言って食欲増進、発汗利尿などに用い、干した種子を悪実(あく
じつ))と言って、利尿、浮腫、化膿止め、解毒に用いていたようです。
ゴボウは2年草ですから、適時種を撒いて栽培しなければなりません。秋に蒔いて翌年の夏
に収穫するか、春に蒔いてその年の秋に収穫するかの二通りがあります。
春蒔きはその年の秋に収穫するのですが、収穫せずに放っておくと冬を越し、翌年の6月中
旬以降に花を咲かせるそうです。私の写真の花がこれに該当するのでしょう。
二枚とも2022.7.11撮影
キク科ゴボウ属の二年草で、ヨーロッパ北部~中国東北部原産の史前帰化植物。
根は褐色の直根で長さ1m前後、直径2〜3cm。草丈は1~2m。
茎は丈夫で紫色を帯びて直立、上部で分枝し、枝は斜上する。疎らにクモ毛がある。
根生葉は叢生し、葉身は心形で長さ40cmほど、長い葉柄がある。
縁は全縁で波打ち、裏面には白い綿毛がある。
茎葉は互生し、葉身は心形~卵形で長さ30cmほど、上部の茎葉は次第に小さくなる。
花期は6~7月、分岐した枝先や葉腋から、散房花序状に3~8個の頭花を付ける。
頭花は直径40~45mmの球形で、紅紫色の筒状花の集合体。総苞はイガ状の細い棘が無数
に突き出ていて、先端が鉤状になって動物に取り付いて散布される。
北海道では野に逸出し、道端、空き地、原野などに生えている。
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