里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カワラヨモギ 宮戸島の海岸

2017-08-12 | 日記

東松島市の宮戸島で、入江の奥の漁港周辺を踏査していると、漁具置場と波打際の
間の叢にカワラマツバのような植物が群生しています。
ただ、カワラマツバと違うのは、何かに寄りかかる事無くしっかりと自立していること。
歩み寄って観察すると、ヨモギの仲間のようです。

帰宅後に植物図鑑と見比べると、カワラヨモギのようです。
海辺のカワラヨモギは風と砂の影響で矮小化したり、這性になったりするようですが、
ここは砂が少なく、また山蔭になっているため強い風もなく、河川敷のそれのように
すっくと直立しています。




                             二枚とも2017.8.3撮影

カワラヨモギの花穂を刈り取り、刻んで陰干しにしたものを、生薬で茵蔯蒿(いんちんこう)
といいます。胆汁の分泌、排泄を促進させる作用があり、消炎性の利胆薬として、尿量が減少
して、口が渇き、便秘がちで発熱があり、黄疸のような症状がある場合に用いられます。
有効成分は精油成分のカピレンやカピロン、カピリン、クロモン類のカピラリシンなど。

写真のような直立して全体が緑色のカワラヨモギですが、帰化植物ではないかという疑問が
持たれています。法面緑化工事によって吹き付けられる種子は多くが輸入されたもので、
そこから逸出して広がったものも帰化植物となります。吹付け種子の多くが朝鮮半島や中国
から輸入されますが、これに混入していた可能性が高いと言うもの。
未確認情報ながら追記します。


                                 2017.8.3撮影

キク科ヨモギ属の多年草で、北海道〜沖縄に分布し、草丈は30〜100cm。
河川中流域の礫河原や、砂浜海岸などに自生する。
河原に生育するカワラヨモギは、草丈が1m近くになることがあり、花はややまばらに付く。
葉は2回羽状に分裂する。コスモスの葉よりも細く、柔らかな感じであり、ほとんど無毛。
砂浜に生育するカワラヨモギは、葉は2回羽状に分裂しているが、羽片は長く伸びず、密集
している。両面に微細な毛が多く白緑色となる。花序は密集して花茎が見えないほどになる。
花期は9〜10月、頭花は円錐状に多数付き、直径1.5〜2mmの球形〜卵形。
両性花は結実しない。果実は痩果、楕円状卵形で長さ1mmほど。



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