登米市津山町横山地区南東部、沢沿いの集落道を上がって行くと、道脇に一本の常緑広葉
樹が茂っていて、遠目ながら赤い実が幾つも生っているように見えます。
歩み寄って確認すると、何かの木にツルマサキが絡んでいるのが、一本の常緑広葉樹のよ
うに見えていたんですね。今はちょうど果実の果皮が割れ始めたタイミングのようです。
赤い(橙赤色)のは種子を包んでいる仮種皮の色ですね。
二枚とも2020.10.29撮影
ツルマサキは崖や木の幹をよじ登りますが、つるの各所から長さ数mmの気根を多数出し
て、岩や樹皮に張り付いていきます。この気根はつるを固定するのみで、支えとなる樹
木に寄生しているわけではありません。ただ、枝を横に張り出して茂りますから、支えの
木の日照を遮るようになれば、その木は徐々に弱っていくことでしょう。
マサキの葉と比べると、葉表の光沢が少なく、葉質も幾分薄いような印象です。
それと葉縁が裏側へ少しカールしているようですね。
葉に白や黄の班が入る園芸種もあるようです。
二枚とも2020.10.29撮影
ニシキギ科ニシキギ属の常緑つる性木本で、北海道南部~沖縄に分布する。
林内や林縁に自生し、気根を出して崖地や樹木を這い上がる。
幹は灰褐色で、縦に浅い筋が入りマサキに似ている。本年枝は緑色で丸く、こぶ状の細かい
突起がある。幹は樹木等を這い上がるが、枝は自立して横に張り出す。
葉は対生し、楕円形~長楕円形で長さ2~6cm、葉質は革質で、葉表にはやや光沢がある。
縁には細かな鋸歯がある。側脈は4~6対。葉柄は長さ2~9mm。
花期は6~7月、葉腋から集散花序を出し、直径5mmほどの花を多数付ける。
花弁は4個で淡緑色~白緑色、先が円形。雄しべは花弁と同数。
果実は蒴果で、直径5~6mmの球形。褐色~赤褐色に熟し、11~12月に4裂する。
中には橙赤色の仮種皮に包まれた種子が2~3個入る。
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