里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

スミレ 半日陰の路地

2017-05-22 | 日記
知人宅脇の路地に咲いていたスミレです。
日当たりの良い場所では既に花は終わっているのですが、朝晩の僅かな時間しか日の
射さない路地ですから、こうして花期を遅らせて楽しませてくれるのでしょう。
スミレの種子は長さ1.5mmほどの楕円体ですから、塀際や縁石の隙間などに入り込み、
そこで発芽して花を咲かせるのでしょうね。




                            二枚とも2017.5.13撮影

スミレの種子にはエライオソーム(種枕)と呼ばれる、アリの好む物質がくっついています。
エライオソームの主成分はオレイン酸、リノール酸などの脂肪酸で、アリはスミレの種を
見つけると、巣に運び込んでエライオソームを食べます。
残った種子は巣外に捨てるので、アリが種子の散布に協力していることになり、このような
種子をアリ散布型種子と呼ぶようです。
各種スミレの他には、ムラサキケマン、キケマン、カタクリなどが知られています。

下の写真のスミレは、南三陸町戸倉地区の標高300mほどの林道脇に咲いていました。
これも花期が遅くなっていますが、幾分標高が高い地点だからでしょうね。


                                2017.5.19撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、日本全土に分布し、草丈は7~15cm。
日当たりの良い道端、野原などに自生する。
根茎は短く茶褐色の根がある。地上茎はなく、葉と花茎は株元から束生する。
葉身は三角状披針形~長楕円形で、長さ3~8cm。先端は鈍く、基部は切形からやや心形。
葉柄は葉身とほぼ同長か,より長く,基部に披針形の托葉が1対あり,上部に狭い翼がある。
花期は4~5月、高さ5~15cmの花柄の先に、濃紫色の花を1個付ける。
花は左右対称で、花径は2~2.5cm。花弁は5個で、上弁2個、側弁2個、唇弁1個からなる。
側弁2個の基部には白毛がある。花の中央の橙色に見えるのは雄しべの付属体。
唇弁の後端は距と呼ばれる袋状になっていて、ここに蜜をためる。長さは5~7mm。
萼片はふつう緑色で、紫色を帯びない。果実は蒴果で、熟すと上向きになり3裂する。
種子は長さ1.5mmほどの楕円体で、エライオソーム(種枕)が付く。


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