里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

コブシ ふくらんだツボミ 

2018-03-06 | 日記
気仙沼市本吉町の田束山東麓、林道を下っていくと、地形が開けて田畑が見え
てきました。その一角に民家があって、ちょうど戸外にいた老夫婦から、野草や庭木
の話を伺うことができました。

沢近くにコブシの大木があるが、今はあまり花を付けなくなったのだとか。
でも、そこから種が散布されたようで、庭の隅に一本、沢向かいの杉林際に数本の
若木が育っていると言います。
庭のコブシの木にはツボミが幾つも付いていて、大きくふくらんでいました。




                             二枚とも2018.2.24撮影

生薬の辛夷(シンイ)はコブシまたはモクレンのツボミを乾燥させたものです。
成分には精油、マグノサリン、コクラウリン・レクチリン・ユジリンなどが含まれています。
効能としては発散作用、排膿作用、筋弛緩作用、抗アレルギー作用があり、頭痛や鼻炎、
蓄膿症などに良いとされます。

コブシの名の由来は、秋に実る果実が集合果で、握り拳のように見えることから。
下にその写真を借りてきました。

コブシの実は袋果がくっついた集合果で、9月中旬には袋が裂開して赤い果実が見えるように
なり、10月上旬には袋が枯れて落下します。
中の赤い果実はヒヨドリ、ムクドリ、カラスなどの野鳥が好んで食べると言われていますが、
果実が樹上にあるうちは不安定で食べ難いのか、主に落下してから食べるようです。
そして、食べ終わると杉の木などに止まって休んでは、下に糞を落とすわけですね。
そこから発芽して、若木が育つということでしょう。


       〈樹木ウォッチング コブシより〉


                                 2018.2.24撮影

モクレン科モクレン属の落葉広葉樹で、樹高10~15mの高木。
北海道~九州に分布し、山地や丘陵地の落葉樹林内に自生するが、山麓や沢筋に多い傾向がある。
花が清楚で美しいため、公園や庭園に植栽される。
樹形は主幹を立てた広円錐形、根は深く入るが粗い。幹は灰白色で平滑、皮目がある。
葉は互生し、葉身は倒卵形で長さ6~15cm、全縁で先は短く尖り、基部は楔形。
葉裏は淡緑色、葉をもむと強い香りがある。葉柄は長さ1~1.5cm。
花期は3~5月、 葉が展開する前に開花し、開花と同時に小形の葉が花の基部に1個ずつ付く。
花は白色で直径7~10cm、外花被片3個は小さく、広線形の萼状。内花被片6個は大きく花弁状。
雄しべ、雌しべはともに多数で、雌しべ群は中央に、雄しべ群はその下部を取り囲むように付く。
果実は袋果が集まった集合果で長さ7~10cm。9~10月に熟して裂開し、赤色の種子が糸状の
珠柄の先に垂れ下がる。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿