里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アベマキ コルク質の樹皮

2017-03-18 | 日記
石巻市の十三浜地区で、相川集落北方に聳える、300mほどの無名山の尾根筋を下って
いると、雑木の中に変った樹皮の木が聳えています。
明るい灰褐色の樹皮なのですが、外皮が無くのっぺりした感じです。
触ると何となく軟らかく、指で強く押すと凹みます・・・コルクのような感じですね。
隣に聳えている木と枝ぶりなどはそっくりなのですが、樹皮だけがコルク質のような ?
樹下の落ち葉を調べると、クヌギの葉にそっくりです。

周囲を探すと、同じような樹皮の木が4~5本見つかりました。
他に、枝ぶりは同じなのに、縦に深い割れ目の入った木が5~6本聳えています。
クヌギとその変種なのでしょうか ?




                            二枚とも2016.2.12撮影

帰着後に樹木図鑑で調べると、縦割れの樹皮はクヌギかアベマキのようですが、
のっぺりしたコルク質の方は不明のまま。
ネット検索でクヌギとアベマキの記事を漁り、似たような樹皮の写真がないかと、
見比べるしかないでしょう。

あっちこっちの記事を見ていたら、のっぺりしたコルク質の写真が見つかりました。
広島県の山中で撮った写真のようで、アベマキの樹皮となっていました。
縦割れの樹皮もアベマキですね。いろいろ変化があるようです。




                            二枚とも2016.2.12撮影

ブナ科コナラ属の落葉広葉樹で、樹高15~20mの高木。
山形県以南の本州~九州に分布し、比較的乾いたやせ地や尾根筋に自生し、特に
雨の少ない瀬戸内海沿岸地方によく見られる。
生長とともにコルク層が発達し、樹皮の表面が裂け、厚く隆起する。
葉は互生し、葉身は長楕円形で長さ12~17cm、幅4~7cm、先端は尖り基部は丸い。
葉縁には刺状の鋸歯がある。葉表は無毛でやや光沢がある。
クヌギの葉に似るが、アベマキの葉裏には星状毛が密生して白く見え、クヌギの
葉裏は脱落しやすい黄褐色の軟毛があることで区別できる。
花期は4~5月、葉の展開と同時で、雄花序は小型の黄褐色、新枝の基部から穂状に
垂れ下がり、長さは10cmほど。雌花は新枝の上部の葉腋に1個ずつ付き,短い柄が
あるのが特徴。雄花序に比べると小さいので見逃しやすい。
果実は堅果で、翌年の秋に熟し、直径1.5~2cmの球形。
褐色で椀形の殻斗に包まれ、殻斗には多数の線形の鱗片が付く。

かつてはコルク層を剥ぎ取って国産コルクとしたが、現在では用いられない。
コルク層が発達して凸凹した樹皮を、「あばた」に見立て「アバタマキ」と呼ばれ、
それが短縮されて「アベマキ」となった。


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