里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イワハタザオ 崖地に散生

2020-04-24 | 日記

加美町宮崎地区西部、林道を上がって行くと、山側法面が高い崖のようになっていて、そ
の中ほどに白花を付けた植物が点々と生えています。アブラナ科のハタザオかその仲間のよ
ようですが、確認しようにも法面が急なので登れそうもありません。

先程の場所は諦めて林道をさらに上がって行くと、あの白花があちこちの法面に咲いてい
て、その何箇所かは生えている所まで登っていけそうです。ザレ場のような斜面を登って
行くと、白い4弁花ですからハタザオの仲間に違いありません。

                              二枚とも2020.4.16撮影

ハタザオやヤマハタザオは、草丈が50cm以上もあってひょろ長いようです。
また、茎頂の花序の花数が少なく、1つひとつの花も直径4~5mmと小さいので、この植
物は別物ということになります。

そうするとこの植物は、同じ仲間のイワハタザオということになります。
草丈が20cmほどと小さくまとまっていて、茎が太めです。茎頂に付く総状花序が大きく、
1つひとつの4弁花の直径も8~10mmと大きめです。また、名のごとく岩場や崖の裸地に
のみ生えていて、平坦な草地や林道端には生えていませんでした。

                              二枚とも2020.4.16撮影

アブラナ科ヤマハタザオ属の多年草で、本州の中部以北に分布し、草丈は15~30cm。
山地~亜高山帯の、日当たりのよい岩場や崖地、斜面の林縁などに自生する。
根出葉はロゼット状に展開、狭倒卵形で長さ5~10cm、先端は丸く基部は細くなる。
葉縁には低く粗い鋸歯があり、しばしば波打つ。葉質はやや厚い。
茎は根生葉の中心から直立~斜上し、高さ15~30cm、分枝は少ない。
茎葉は互生し、長楕円形で長さ2~5cm、先端は鈍く尖り、基部は茎を抱く。
葉縁には低く粗い鋸歯があり、しばしば波打つ。葉質はやや厚い。
花期は4~6月、茎頂に総状花序を出し、5~20個の花を付ける。花は白色の4弁花で、
直径8~10mm。花弁は倒卵形で、長さ4~5mm。萼は長楕円形。
果実は長線形の長角果で、長さ4~6cm。弓状に開出して付く。
種子は楕円形で、長さ1.5mmほど。上部に翼がある。



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