栗原市栗駒沼倉地区北西部、林道をゆるやかに上がって行くと、山側に上がって行く細道
があります。これを上がって行くと4~5枚の耕作放棄田がありますが、ヤマハンノキや
ヤナギの若木が茂っていますから、10年以上前に放棄されたものと思われます。
いまヤマハンノキにはたくさんの花が咲いていて、茶褐色の花房が枝先から垂れ下がって
います。この木は雌雄同株で風媒花ですから、目立つ花房はたぶん雄花でしょう。
雌花はどれでしょうね ?
二枚とも2021.3.24撮影
枝先に長く垂れ下がっているのが、予想どおり雄花序です。雌花序は随分小さく、紅紫色
の長楕円体で長さは5mmほど、3~6個が雄花序よりも元側に付きます。
ヤマハンノキは耕作放棄された田んぼや湿地周辺、川筋などに多く、他の樹種が進出する
前に逸早く生えてくる先駆樹種(パイオニアプランツ)です。
そういう特性から、砂防や緑化で植樹されることも多いようです。
2021.3.24撮影
カバノキ科 ハンノキ属の落葉広葉樹で、樹高15~20mの高木。雌雄同株。
北海道〜九州に分布し、丘陵~山地の湿地周辺、河川敷~沢沿いなどに自生する。
樹皮はやや紫褐色を帯び、平滑で、灰色の横長の皮目が目立つ。
小枝は葉裏や花序とともに、赤褐色あるいは汚褐色の軟毛がやや密生する。
葉は互生し、葉身は広卵形で長さ8〜15cm、先端は短く尖るかまたは鈍く、基部は円形〜
切形。縁には欠刻状の重鋸歯がある。側脈は6〜8対あり、表面で凹み、裏面に隆起する。
表面は濃緑色で短毛がまばらに生え、裏面の脈上にはビロード状の軟毛が密生する。
葉柄は長さ1.5〜3cmで、軟毛が密生する。
花期は4月、葉の展開前に開花する。雄花序は茶褐色で長さ7〜9cm、柄があり、枝先に
2〜4個が下垂する。雌花序は紅紫色で、雄花序より元側に3~5個が下向に付く。
果実は堅果。果穂は長さ1.5〜2.5cmの楕円体。果鱗は長さ4〜5mmの扇形で黒褐色。
堅果は扁平な長楕円形で、頂部には花柱が残り、両側に狭い翼がある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます