里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イイギリ(飯桐)の黄葉

2017-11-13 | 日記
イイギリは、昨年まで全く知らなかった樹木です。
今年の7月下旬だったか、大和町吉田地区の伐採跡地の作業道を歩いていたとき、
傍らにアカメガシワのような、大きな葉の若木が何本も生えているのを見つけました。
宮城県北においては、アカメガシワが自生しているのは沿岸部だけですから、それが
吉田地区のような内陸の山中に生えているとは・・
「ちょっとおかしいよね、よく似た別の樹種かも ? 」

この時は疑問を放置してしまいましたが、その後栗駒山麓や七北田川源流域などでも見か
けたので、本気で調べてみました。特に手掛りがなかったので、樹木図鑑を1ページずつ
めくって、似たような葉の樹木を探しました。その結果、イイギリと判った次第。




                             二枚とも2017.11.7撮影

大和町宮床地区南部、集落の南側山中の林道を南に向かうと、薄暗い杉林が続くため、観察
するような草木に出合うこともありません。30分ほど歩いたところで、黄葉した大きな葉が何枚も
落ちているのを見つけました。葉の長さは20cm以上もありそうです。
葉柄が長いし、以前調べたイイギリの黄葉のようです。頭上を見上げると、イイギリの木が1本
聳えています。黄色というよりも黄緑色ですが、それが落葉しているわけですから、この色が
イイギリの黄葉の色なのでしょう。

名の由来は、大きな葉が桐の葉に似ており、昔はこれに飯を包んだことから名づけられたようです。
前述したように、伐採跡地や崩落地などに最初に生えるようですから、先駆樹種の一つですね。




                             二枚とも2017.11.7撮影

ヤナギ科イイギリ属の落葉広葉樹で、樹高15~20mの高木。
本州~沖縄に分布し、山地のやや湿気のある場所に自生する。伐採跡地などに逸早く進出する
先駆樹種(パイオニアプランツ)の一つで、生長が早い。
樹皮は、淡灰褐色で皮目が多い。 材は白くやわらかで、キリに似る。枝は灰褐色、長く横に張出す。
葉は枝の先に集まって互生する。葉身は心形で長さ15~30cm、先端は短く尖り、縁には粗い鋸歯が
ある。基部から 5~7本の掌状脈が出る。葉柄は長さ6~20cm、赤みを帯びる。雌雄異株。
花期は4~5月で、 枝先や葉腋から円錐花序を下垂させる。雄花も雌花も同じく黄緑色で、花弁は
なく、萼片の数は5枚前後で一定しない。雄花は直径1.5cmほどで、多数の雄しべがある。
雌花は直径8mmほど、子房は球形で花柱が3~6本、退化した短い雄しべもある。
果実は液果で直径8~10mmの球形で、秋に赤く熟す。冬、葉が落ちても赤い実は残るために目立つ。
多数の細かい種子を含む。
赤い房状の果実が美しいので、公園などに栽培され、生け花や装飾にも使われる。



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