里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオヤマザクラのサクランボ

2021-07-01 | 日記

大和町吉田地区南西部、集落道を山の方へ上がって行くと、路肩のあたりに小さな黒い実
が幾つか落ちています。これは山桜のサクランボですね。
枝を見上げると、新枝や葉柄が赤いのでオオヤマザクラでしょうか。
林縁から3mほど入った所に二本の中径木が生えているので、林内に入って樹皮を確認する
と、暗紫褐色ですからオオヤマザクラで間違いないでしょう。

                              二枚とも2021.6.30撮影

オオヤマザクラの分布域を見ると北海道~四国となっていますが、特に北海道から本州の
北部や日本海側の多雪地に多いとあります。私がよく歩く県北の沿岸部では全く見たこと
がないのに対し、奥羽山系では標高200m程度の丘陵でもふつうに自生しています。

集落道の終点は林道へと続いていて、それを上り詰めてからは尾根筋を登って行きます。
標高400mほどまで上って行くと、小広い平坦地があって周辺に4~5本のオオヤマザクラ
が聳えています。その樹下に長い枝が1本落ちていて、その枝元の方を見ると何かに噛み
切られたような断面になっています。山桜のサクランボはクマの好物で、樹上で食べてい
るのを見た人もいるようです。ただ体重60~70kgもある成獣は枝先までは行けませんから、
このように枝を噛み切って下に落とし、下りてからサクランボを食べるそうです。
この枝の葉は少し萎れかかっていましたから、2~3日前に食べたものと思われます。

                              二枚とも2021.6.30撮影

バラ科サクラ属の落葉広葉樹で、樹高10~20mの高木。北海道~四国に分布する。
多雪地の山地に自生することから、本州の日本海側や北海道に多い。
樹皮は暗紫褐色で光沢があり、横長の皮目がある。
葉は互生し、葉身は楕円形~倒卵状楕円形で長さ8~15cm、先端は尾状に長く尖り、基部
は円形~浅い心形。縁に鋭い鋸歯があり一部重鋸歯となる。葉質はやや厚く、表面は濃緑色
でほぼ無毛、裏面は粉白色を帯びる。開ききらない葉は強い赤みを帯びる。葉柄は無毛で赤
みを帯び、長さ1.5~3cm、上部には1対の蜜腺がある。托葉は線形で早く落ちる。
花期は4~5月、開花は葉の展開とほぼ同時で、前年枝の葉腋に1~3個の花を付ける。
花弁は紅紫色~淡紅紫色で5個、長さ1.5~2cmの広倒卵形~広楕円形で先端はへこむ。
雌しべは1個、雄しべは多数。
果実は直径1cmほどの球形の核果で、5~6月に紫黒色に熟す。核は扁平な卵形。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿