町内の散歩で横丁を歩いていると、ブロック塀に沿ってイネ科と思しき植物が群生してい
て、その殆どの小穂が熟して淡黄褐色になっています。しゃがみ込んで観察すると、植物
図鑑で見たコバンソウですね。私としてはこれが初見です。
形や色合いが小判に似ていることから、コバンソウと名付けられたようです。
道路沿いで見たことがないのに、この横丁にだけ群生しているのは、どこか近くの園芸好
きのお宅から逸出して、繁殖したものと思われます。
二枚とも2021.6.27撮影
コバンソウはヨーロッパの地中海沿岸が原産地で、我国へは明治時代に観賞用として移入
れ、これが野に逸出し現在では関東以南の各地で野生化しています。
夏~秋に熟した小穂から種が散布され、春になると発芽します。
発芽率が良く痩地でも育つので、分布域では道端や空地などで雑草化しているようです。
2021.6.27撮影
イネ科コバンソウ属の一年草で、ヨーロッパの地中海沿岸が原産地。草丈は30~70cm。
現在では関東以南に分布していて、道端や空地、海岸の砂地などに生えている。
全体に無毛。葉は幅1~7mm、薄く柔らかで、鋭頭。葉舌は長さ1~4mmの薄膜質。
花期は5〜6月、茎上部に数個の細い枝があるまばらな円錐花序を出し、厚みのある卵状
楕円形の小穂をぶら下げる。小穂は光沢があり、若い淡緑色のときは目立たないが、熟し
て淡黄褐色に変化するとよく目につくようになる。
小穂は長卵形で長さ1~2.5cm、7~20個の小花からなり、苞穎や護穎に竜骨がなく背部
が丸く膨らんだ舟形。2個の苞穎はほぼ同形で長さ5~7mm、基部は浅い心形。
護穎は苞穎と同長で、基部は耳状に張り出し5~9脈が目立つ。
果実は穎果で、種子は褐色の広倒卵形で長さ2.5mm。
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