里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

コスミレ 淡紫色の花

2018-05-07 | 日記

南三陸町戸倉地区の南部、沢沿いの林道から分岐する作業道を上がって行くと、
薄暗い杉林を抜けて、伐採跡の明るい尾根筋にでました。作業道は赤土が露出していて、
そこにたくさんのタチツボスミレやアカネスミレが咲いています。タチツボスミレは
どこにでも咲いているので殆ど無視、アカネスミレは最初のうちだけ撮っていましたが、
ここでは次々と見つかるので、素通りすることが多くなります。

そんな作業道をさらに行くと、「おや、いまのアカネスミレ、花色が薄かったような ?」
数歩戻って観察すると、花色が薄いのと、花びらが幅広ですね。それに葉が大きいような ?
たぶん、別の種でしょうね。周辺を探すと、他に6~7株生えていました。




                             二枚とも2018.5.2撮影

植物図鑑で各種スミレと見比べてみると、コスミレが最も似ているように思われます。
花色は少し薄めの紫色。後ろの距はちょっと太目の円筒形で、長さは6~7mm。
葉の先端はやや丸みを帯び、鋸歯は低く粗い方です。
各部の特徴を照合すると、コスミレで間違いないでしょう。
自生環境を見ると「人家や耕作地の周辺、路傍、低山の明るい林内など」となっています。
この自生地は南東向きの日当たりの良い作業道で、標高は200mほど。
植物図鑑にある自生環境と似たようなものですね。


                                 2018.5.2撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は5~12cm。
人家や耕作地の周辺、路傍、低山の明るい林内などに自生する。
根は白くて地中に深く入る。地上茎は無い。
葉は数多く束生し、花期には長さ2〜5cmの長卵形で、先端はやや丸みを帯びる。低い鋸歯が
あり、基部は浅い心形。裏面は淡紫色を帯びることがある。夏の葉は三角形で大きい。
花期は3〜5月、花柄は長さ6~12cmで、花は淡紫色から淡紅色まで変化が多い。
花弁は長さ1〜1.5cmで、紫色の条線が目立つ。側弁はふつう無毛だが、ときに毛のあるもの
もある。柱頭はカマキリ型。距は長さ6〜8mmで細長い。距に毛が散生するものもある。
果実は蒴果で、長楕円形で長さ10mmほど、紫の斑点がある。
コスミレは変異が多く、葉に毛があってノジスミレに似ているものや、花の色が紅紫色でアカネ
スミレに似ているものもある。



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