大崎地方東部の涌谷町、箟岳丘陵がゆったりと横たわるような形で東西に
延びており、その麓を歩き回って山野草の花を探してみました。
南麓には軟らかい凝灰岩質の地層が広がっていて、浸食されやすい地質のため、
鋸の歯のような形で浅い谷が幾つか続いています。
このような地形を関東では谷戸(やと)と言っていますが、県北では「いりっこ」
と呼ぶようで、古老方の会話がおぼろながら耳に残っています。
小さな谷戸にも四五軒の農家があって、細道が奥まで入り込んでいます。
農家の庭先で行き止まりになったり、坂道を上って台地上の畑に出たり・・・
二枚とも2015.4.14撮影
谷戸の奥の、畑に上がる坂道沿いに咲いていた、ヤマエンゴサクの花です。
降りだしそうな曇り空には、淡い青紫色の花が似合います。
自然度の高い山中では色々な山野草の花が見られますが、春咲きの小さな山野草に
とっては、人の生活圏近くの方が生きやすいのかも知れません。
年に二三度刈り払いするので、笹や背丈のある多年草の勢いが削がれます。
人は意識していないでしょうが、保護活動をしているようなものですね。
2015.4.14撮影
ケシ科キケマン属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は10~20cm。
山野のやや湿った林内~林縁、沢沿いの草地などに自生し、半日陰を好む。
塊茎は球形、直径1cmほど。全体に繊細な印象があり、茎はふつう1本で、直立か斜上する。
最下の葉は鱗片状となり、この腋から分枝する。茎葉は2~3個あり、2~3回3出複生。
小葉は線形〜卵円形、しばしば3裂するなど葉形は変化が多い。
花期は4~5月で、茎頂に総状花序を出し、数個の花をつける。花冠は赤紫または青紫色、
管状で長さ2.5cmほど。花弁は4個、外側の上の花弁が後方に伸びて距となり、先端は外側下
の花弁と共に唇形状になる。内側にある2弁は先端が合着していて、筒状になった上下花弁の
間から先端を出す。花柄の基部には苞葉があり、先端が3~4裂する。
果実は広披針形〜卵状長楕円形の蒴果で、長さ7〜13mm、幅3~4mm。
種子は卵形で直径1.5mmほど、表面は平滑で、種枕がつく。
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