石巻市雄勝町船越地区、海岸岩壁の上の斜面が草地になっていて、そこに白い花
が群生していました。白い傘形の花序ですし、葉がニンジンに似ていますから、セリ科の
植物と思われますが、種の特定まではできません。
写真を多めに撮って持ち帰り、植物図鑑と見比べてみましょう。
植物図鑑で調べると、イブキボウフウのように見えるものの、図鑑の写真は枚数が限られて
いますから、確定することができません。「イブキボウフウ セリ科」でネット検索して、
たくさんの写真と見比べてから同定することにしましょう。
二枚とも2017.7.19撮影
ネット検索すると、イブキボウフウの他に「ハマイブキボウフウ」という種もあるようです。
自生地が海岸ですから、これとも見比べる必要がありそうです。
違いは花期と葉にあるようです。
イブキボウフウの花期は8~9月で、ハマイブキボウフウのそれは6~7月とあります。
葉については、ハマイブキボウフウは質が厚く、裂片の切れ込みが浅く、先端が尖らないようです。
7月19日に花を撮影できたということは、ハマイブキボウフウということになります。
葉も厚いようですし、裂片の先端が少し丸みを帯びています。以上のことから、写真の植物を
ハマイブキボウフウと同定します。
二枚とも2017.7.19撮影
セリ科イブキボウフ属の多年草で、草丈は30~80cm。
北海道~近畿以北の本州に分布し、海岸近くの草地や岩場に自生する。
花茎はやや太くかたくて中実、稜があり、全体に突起状の毛がある。上部では多く枝を出す。
葉は2~3回羽状複葉で小葉は切れこみが浅く、裂片の先は鈍形。質は厚めで、やや光沢がある。
根生葉には長い柄がある。
花期は6~7月で、枝先に直径3~6cmの複散形花序を出して、多数の白い小花を咲かせる。
小花の花弁は5枚で、花弁の先は爪状に内側に曲がる。
果実は卵円形で長さ3mmほど、熟すと二つに分かれて軸先にぶらさがり、風で散布される。
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