里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オニアザミ 濃紅紫色の花

2024-05-26 | 日記

加美町宮崎地区西部、尾根上の林道を下って行くと、林道の路肩や法面に大型のアザミが
散生していて、茎の先の方に濃紅紫色の花を咲かせています。草体の大きさや切れ込みの
深い葉がサワアザミに似ているものの、葉に触ると鋭いトゲがチクチク刺さります。
サワアザミよりもトゲが痛いようにも感じます。かと言ってアメリカオニアザミほど剛直
なトゲではありません。ひょっとして、これが在来種のオニアザミなのかも知れません。

オニアザミは中部地方以北の日本海側の山地に自生するアザミですが、宮崎町西部は奥羽
山脈の只中に位置していて、このあたりは標高350mほどしかありませんが、多雪地域に
含まれるのでオニアザミが生えていても違和感はありません。

                                三枚とも2024.5.22撮影

ネットでオニアザミを検索し主な特徴を確認すると、
①茎が太く草丈が50~150cm。
②花期にも根生葉が残り、葉は羽状中~深裂、裂片や鋸歯の先に鋭い刺がある。
③茎葉は上部ほど小さくなり、基部は耳状に広く茎を抱く。
④花はアザミの仲間の内でも大きな部類で、色は濃紅紫色で常に下向きに咲く。
⑤総苞は直径3~4cmの筒状鐘形で暗紫色、著しく粘る。

上記5項目がすべて当てはまるので、オニアザミで間違いないでしょう。

                                 二枚とも2024.5.22撮影

キク科アザミ属の多年草で、本州の東北地方~中部地方の日本海側に分布する。
山地~亜高山帯の日当たりのよい草原や林道端に自生する。
茎は太く草丈は50~150cm、縮毛とクモ毛が多い。
根生葉は花期にも残り、長楕円形で5~8対に羽状中~深裂し長さは35~65cm、裂片や鋸
歯の先に鋭いトゲがある。葉質は厚い。
茎葉は上部ほど小さくなり、羽状中裂して長く鋭いトゲがあり、耳状に広く茎を抱く。
花期は6~9月、茎頂に大型の濃紅紫色の頭花を2~3個接して付け、常に下向きに咲く。
葉腋から出た頭花は単生する。頭花の直径は3~5cm、総苞は直径3~4cmの筒状鐘形で
暗紫色、ふつうクモ毛があり、著しく粘る。総苞片は6列で先が尖る。
果実は痩果、褐色で長さ3~4mm、長さ1.2~1.6mmの冠毛がある。

 



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