栗原市栗駒の鳥沢地区を流れる綱木川の上流部では、山の南~南東斜面の伐採跡地
にスギやヒバが植林されていて、その外周を巡るように林道が開削されています。
昨年の秋にその林道を踏査した際、細長い葉のスミレがたくさん生えていたので、
その種が何なのか、ずっと気になっていました。
4月に入りスミレが咲き始めたので、それを調べるべく再訪しました。
二枚とも2015.4.8撮影
植林地の林道を上がっていくと、淡紅紫色の小さなスミレがポツポツと咲いている。
林道の路肩や法面、植林地の際などで、花茎をもたげて咲き始めたばかり。
中には花だけで新葉が出ていない株もある。
細長い葉の裏を覗き込むと、紅紫色なのでマキノスミレと思われるが、ずいぶん
小振りなので戸惑いもある。
私が毎年観察している、南三陸町の松林内の林道では、葉がもっと大きくて叢生
しているし、花は濃紅紫色なので別種のような趣である。
土質や日照による違いか、観察時期の違いによるものか。
2015.4.8撮影
スミレ科スミレ属の多年草で、近畿以北の本州に分布する。
丘陵~山地の林縁や、明るい林内に自生する。
地上茎のないタイプのスミレで、西日本に多いシハイスミレの変種。
葉は直立する傾向があり、一株あたりの葉数は2~3枚。
葉身は細長い披針形で、長さ2.5~4.5cm、幅0.8~1.5cm。先端は尖り、基部は心形。
葉表は濃緑色でやや光沢があり、葉裏は濃紅紫色。
花期は4~5月で、花は直径1.2~1.5cmで淡紅色~紅紫色。側弁に毛がなく、距は花色と
ほぼ同色、長めの円筒状で長さ5~7mm、やや上に反り返る。
果実は茶褐色で丸く、紅色の斑点がある。
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