里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キキョウ 刈払い後の開花

2017-03-25 | 日記
一関市の南東部に位置する弥栄(やさかえ)地区には、標高100~200mの台地や
丘陵が広がっていますが、東側を流れる北上川の水面標高が10mほどしかない
ため、急激な浸食によって何本もの谷が刻まれています。
今回は地区の北寄りを流れる北ノ沢川と、周辺の丘陵や耕作地を踏査しました。

北ノ沢集落の背後、丘陵中腹の標高100~150mには水田が広がっています。
沢沿いの水田もありますが、丘陵上に揚水して水田にしているところも多く、効率が
悪いのでしょうか、採草地に転換したり、耕作放棄地も目立ちます。
細い農道を歩いて行くと、道路下法面に青い花らしきものが見えます。
下りてみると、背丈の低いキキョウの花ですね。




                             二枚とも2015.8.28撮影

キキョウは秋の七草の一つに数えられていますが、宮城県や岩手県南では、
7月中旬から8月中旬にかけて咲くようです。
このキキョウは随分花期が遅れていて、それに草丈が本来の半分もありません。
たぶん、花が咲く前に刈り払われてしまい、それから茎葉を伸ばして、今ようやく
花を咲かせたものと推測します。付近にはまだツボミもありました。
草丈が低いので花が大きく見え、高山植物のような可愛らしさがありますね。


                                 2015.8.28撮影

キキョウ科キキョウ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
日当たりの良い山野の草地や、山間の耕作地周辺に自生し、草丈は50~100cm。
根茎は細長い紡錘形で淡黄褐色、真っ直ぐ下に伸び、しばしば分枝する。
茎は直立し、傷つくと白い液を出す。
葉は互生あるいは輪生し、葉身は狭卵形で長さ4~7cm、葉柄は無く先端は尖る。
縁に細かい鋸歯があり、葉裏は粉白色を帯びる。
花期は7~8月で、茎の上部で何本かに分枝し、夫々の上部に花を付ける。
花は青紫色で直径3~5cm、花冠は広鐘型で先は5裂する。
花は両生花で他家受粉する。まず雄しべが熟し、花粉が持ち去られた後に、
雌しべの柱頭が5つに裂開して、他の花の花粉を受け入れる。
果実は蒴果で、先端が5裂し種子を散布する。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿