一関市弥栄地区北東部の北上川沿いに、川底という集落があります。
かつて北上川の水運が盛んだった時代にあっては、重要な役割をもった集落だった
のでしょうが、それがなくなった今は6~7軒が点在するだけの過疎集落です。
そのうちの数軒は無住のようですから、寂しい限りです。
それも仕方ないのかも知れません。ここは大雨で北上川が増水すると、洪水にみまわれた
集落で、防災無線塔の見上げるような高みに、過去の増水位置が記されています。
集落から裏手の山に上って行く、細い林道があります。
四輪駆動車がやっと上がるような急坂ですが、洪水時の避難路でもあったのでしょう。
急坂を上りきったあたりの、林道脇で見つけたのがアブラチャンの実です。
直径1~1.5cmの堅い実で、精油分が多く、薪ストーブにくべると激しく燃えます。
二枚とも2015.8.28撮影
種子には多くの精油分を含んでおり、絞って燈火用に使用したほか、樹皮や枝葉にも
精油分を含んでいるので、松明(たいまつ)にしたといいます。
また材が粘り強いので、杖や輪かんじきにした地域もあるようです。
このように身近な樹木であるため、各地に様々な呼名があり、それは樹形によるもの、
用途によるもの等、それぞれの謂れがあるのでしょう。
ムラダチ、アブラギ、ジシャノキ・・・因みに我が村ではジシャガラと呼んでいました。
残念ながら、謂れは聞きそびれました。
2015.8.28撮影
クスノキ科クロモジ属の落葉広葉樹。雌雄異株で樹高3~5mの低木、樹形は株立ち。
本州~九州に分布し、山地の半日陰のやや湿り気のある場所を好む。
樹皮は灰褐色~茶褐色で、白っぽい点状の皮目が目立つ。
クロモジ属の特徴で精油分が多いことから、枝を折ると芳香がある。
葉は互生し、葉身は楕円形で長さ5~8cm、基部はくさび形で先端は尖る。
縁に鋸歯は無く、葉柄は赤味を帯びる。
花期は3~4月で、葉の展開前に黄色い小さな花を付ける。
1つの花芽から3~5個が少しずつ時期をずらして開花する。
雄花序には3~5花付き、雄花の花被片は6個、雄しべは外側に6個、内側に3個。
雌花序には3~4花付き、花被片が6個で雌しべが1個。
果実は15mmほどの球形で、9~10月に緑黄褐色に熟し、裂開して種子を1個出す。
種子は乳白色で堅く、精油分を含む。
最新の画像[もっと見る]
- タヌキ トコトコと逃走 2日前
- タヌキ トコトコと逃走 2日前
- タヌキ トコトコと逃走 2日前
- オオイタドリ 翼付きの果実 3日前
- オオイタドリ 翼付きの果実 3日前
- オオイタドリ 翼付きの果実 3日前
- オオイタドリ 翼付きの果実 3日前
- ハルニレ 津山町の沢沿い 7日前
- ハルニレ 津山町の沢沿い 7日前
- ハルニレ 津山町の沢沿い 7日前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます