里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

サルトリイバラ 朱赤色の果実

2019-01-19 | 日記
気仙沼市本吉町馬籠地区西部、山間の細い農道を歩いていると、林際の藪に赤い実が
チラチラ見えます。立ち寄ってみるとサルトリイバラの実ですね。
今の季節なら寒さや乾燥で赤い色が褪せたり、果皮が皺ばんでいたりするのに、この一角
だけが寒さも強風も避けているかのようです。
背後の尾根が北西の風を遮っているお陰なのでしょうね。




                             二枚とも2019.1.15撮影

サルトリイバラを漢字表記すると「猿捕茨」で、これは強靭な木質のつるに鋭いトゲがある
のでイバラが付き、それでサルでも身動きできずに捕まってしまうという意味のようです。

この果実にはあまり果汁が含まれておらず、乾燥しても収縮等の変化が少ないので、赤く
熟した果実は生け花でも利用されるようです。クリスマスの飾りとかリースなどにも使わ
れ、商品名サンキライ(山帰来)として流通していますね。なお山帰来はこの植物の根茎の
生薬名で、それを園芸界でも用いているのでしょう。


〈LOVE GREEN サンキライのリースより〉


                                 2019.1.15撮影

サルトリイバラ科サルトリイバラ属の落葉つる性木本で、日本全土に分布する。
沿岸部~山地の、日当たりの良い藪や林縁などに自生する。雌雄異種。
根茎は横に伸び、多くの節があって肥大する。細根は節から出ている。
つる(茎)は固く、節ごとに屈曲して2m以上にも伸び、疎らに鋭いトゲがある。
葉柄の基部に托葉の変化した1対の長い巻きヒゲがあリ、これとトゲで他物に絡みついて、
茎を伸ばす。葉は互生し、葉身は円形〜楕円形で長さ幅とも3〜12cm、先端は小さく尖り、
基部は円形。縁は全縁。葉質は革質で、表面には鈍い光沢がある。
両面とも無毛、脈は3〜5個、表面でへこむ。
花期は4〜5月、葉の展開と同時に葉腋から散形花序をだし、淡黄緑色の小花を多数付ける。
花被片は6個、長さ4mmほどの長楕円形で、上部はそり返る。雄花の雄しべは6個。
雄花の雌しべと雌花の仮雄しべはともに退化して、ほとんど目立たない。
果実は液果。直径7〜9mmの球形で、10〜11月に朱赤色に熟す。
種子は長さ5mmほどの倒卵形〜楕円形。


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