東松島市の宮戸島、松を主体とした雑木林の中の山道を下って行くと、随所にヤブコウジ
が生えています。丈が10cmほどしかないものの木本類に分類されていて、初冬の頃までは
直径5mmほどの赤い実が2~3個付いています。
大体は年末までに落果してしまいますが、山道沿いでは稀に赤い実が付いています。
この山には赤松やツバキ、ヒサカキなどの常緑樹がよく茂っていて、これらが強風を遮る
ことから落果を免れているのかも知れません。
二枚とも2022.1.28撮影
濃緑色の葉と赤い実のコントラストが印象的で、丈が低く抑えられているのでグランドカ
バーとして庭に植えられたり、縁起物として正月に飾られたりしてきました。
ヤブコウジ(藪柑子)の別名に十両があり、古典園芸植物としても知られています。
正月の縁起物としては以下の種があります。
万両 マンリョウ サクラソウ科ヤブコウジ属
千両 センリョウ センリョウ科センリョウ属
百両 カラタチバナ(唐橘)サクラソウ科ヤブコウジ属
十両 ヤブコウジ(藪柑子)サクラソウ科ヤブコウジ属
二枚とも2022.1.28撮影
サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑広葉樹で、樹高10~20cmの小低木。
北海道南部〜九州に分布し、丘陵地~低山の半日陰以下の林床に自生する。
地下茎が分枝して長く這って増殖するため、しばしば群生する。
茎は直立して、分枝しない。葉は互生し茎頂に3~4個が輪生する。葉身は長さ4~13cm
の長楕円形で先端が尖る。縁には細鋸歯がある。葉表は濃緑色でやや光沢があり、両面と
も殆ど無毛。葉柄は長さ6~10mm。
花期は7〜8月、前年枝の葉腋に直径5~8mmの花を、2~5個下向きに付ける。花冠は
白~淡紅色で皿状に5裂、裂片は長さ4mmほどで先が尖る。花柄は長さ7~10mm。
果実は液果様の核果。直径5~8mmの球形で、秋に赤熟する。
核(種子)は1個で、直径5mmほど。
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