戦争法案を巡って緊迫した情勢の続く中、我が村始まって以来の軽トラデモが行われた。
呼びかけにこたえて集まった車は10台。
久しぶりの晴天の中、スピーカーで音を出しながら村内を一周した。
農作業中の人も作業を中断して手を振ってくれる。
農村で、繁華街などどこにもない中で、どんなふうにアピールするのが効果的か考えた。
国政の問題で、農村のジジババを相手にチマチマと、『戦争法案反対!』と叫んだところで中央には届かない。
だが、草の根としては、時の政権に直接叫ばなくても、地元の人に判ってもらえるように丁寧に説明すれば、それが一番効果的だ。
なぜなら、そんな無茶苦茶な政権を誕生させるような議員を、次の選挙で選ばなくなるからだ。
採決は予断を許さない。
だが、主権者は我々だ。我々が『ノー!』と言えばそれは『ノー!』だ。
強行採決を行おうとも、我々が多数なら覆せる。
それが、人類が長い歴史の中で多くの犠牲を払いながら勝ち取って来た民主主義の原則。
突然、胸の中にひとつの歌が湧きあがる。繰り返し繰り返し、次第に大きくなる。
なつかしい、あの歌、戦いの歌が。
We shall overcome
ジョン バエズが歌った反戦の歌だ。
今の若者はラップで反戦を歌う。
昔の若者にとってはやっぱりこの歌。
我々は勝利する。
民主主義者が独裁者に負けるわけにはいかない。
* * * * * *
秋が深まっていく。
戦争法案反対の行動とバランスを取るように、情緒的な雰囲気の中に身を置く。
黒姫山の麓、信濃町まで焼きモロコシを食べに行く。
これは毎年決まった寒冷の行事。
この漬物は92歳になるおばあが漬けたもの。
焼きモロコシに秋の深まりを感じる。
実りの秋。リンゴ、ブドウ、梨、プラム、色々な果物も並ぶ。
北信濃の秋は実に豊かだ。