定年後、妻が突然、離婚届に署名と捺印を求めてくる。
「俺は何も悪いことはしていない!何故だ?」
「あなたの存在そのものが、ストレスなんです」
* * *
長野市の権堂というアーケードの繁華街に、日本で一番古いという、長野松竹相生座という映画館がある。
数年前、近くに長野グランドシネマズという、近代的な映画館ができた。
きれいで新しいので、若い人のみならず、ほとんどの人が、そちらの映画館に行くようになった。
だが、僕は、年季の入った松竹相生座の方が好きだ。
もう、随分と昔から、この映画館で男はつらいよシリーズを見てきた。
新しい映画館は、受付のお姉さんが、抑揚のない話し方で、とてもなじめない。
松竹相生座は、人間と話している感じがする。
お茶のサービスもしてくれる。
何よりも、映画館が込み合っていない。営業的には大変なのだろうけれども、本当に映画好きといった年配の人たちがここに来る。
今日は、山田洋二監督の『家族はつらいよ』を見た。
前作の『母と暮らせば』は、『父と暮らせば』と対比したときにイマイチだったが、今回は違う。
不協和音は必要なんだ、と、少し安心する。
我家は、不協和音がたくさん散りばめられている。
色々ななもめごともありながら、それもハーモニーの中に組み込まれて、全体が調和して流れていく。
よくある当たり前の生活こそ、かけがえのないものだと、そんなことを思う。
以前に比べて、さびれてしまった権堂だが、ちょっと脇道にそれたところに、ランチ定食580円、の看板を見つけて、入ってみた。
カミさんはコロッケ定食、僕はカレイの荷魚定食を注文。
夜は居酒屋になるのだろう。様々な名前の、日本酒の瓶が並んでいた。
落ち着いた感じの店で、『東京家族』や『男はつらいよ』のポスターが飾られていた。定食も旨かった。
主人と奥さんもとても感じがよくて、今度映画に来た時も、多分、吸い込まれるように、ここに寄ってしまうだろう。
新しい発見をした一日だった。
このところ、ランニングをしに、千曲川の堤防に通っている。
ここは、長野マラソンを来月に控え、練習をする人の姿が増えてきた。
雪が豊かに残る北信五岳や、志賀高原の山々、時折日本一気温が低くなる菅平に聳える根子岳がきれいに裾を引く姿、それらを眺めながら走る。
僕は長野マラソンに出るわけではないが、三月に250キロ以上走ると決めたので、せっせと走りに来る。
大体コースは決まっていて、約12キロくらいの距離を、平均時速10キロ以上を目標に走る。
これも、準備運動などせずに、走り出すので、最初は遅い。
昨日は、その前に20キロくらい歩いていたので、始動が早かった。12.2キロを平均時速11.2キロ。これは、フルマラソンで3時間46分くらいのペース。
だが、今日は映画を見てきたので、スロースタート。最終的に12.1キロを平均時速10.6キロで走り終えた。
一流のランナーの半分ほどのスピードだが、それでも、後半にスピードが上がってくる走りには満足している。
無駄な力を入れず、腰を高く、腰の回転を意識して走る。
僕は、美しくは知っているだろうか?
腰を落として走っているランナーを見ながら、自問自答する。
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本日の走行距離 12.1キロ。 3月の走行距離189.0キロ。
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離婚届こそ出しませんが、何処も同じなんだなぁと(笑
楽曲の中での不協和音は解決へ向かう、必要不可欠な味のある音です。
家族の不協和音もそう捉えると、感じ方が変わるんですかね~、イマイチ悟りの境地にはまだ…
あ、お返事いいです(笑
何という偶然でしょう~(*''▽'')
私も昨日この映画を観ました!
今記事を書いてこちらに伺ってビックリです。
受け付けの女の子にどんな映画なのか聞いたところ一生懸命説明してくれて、
またここに来ようという気持ちになりました。
やはり器より人ですよね。
私は映画は好きなのですが、映画館で観るのは数年ぶりでした。