「回帰」・・・・ 良く使われる言葉です。
しかし、本当の意味で回帰する事は難しい事です。
何故なら新しい事はそれなりの理由があって新しくなったのですから。
しかし、それによって失われていくものが多い事に多くの人が気付き始めています。
しかし、難しい。一定の部分だけを見つめていると半端な回帰になってしまい、バランスが崩れるのは用意に想像がつきます。
フランソワーズ.ベデルは何から何まで「昔ながら」の方法でシャンパーニュを造ります。
栽培から、発酵、容器、コルクの留め方etc・・・・
シャンパーニュでは第3の葡萄であるピノムニエを大半使用し、樽発酵、熟成を重ねて瓶での2次発酵に移ります。この際、王冠で瓶口を留めることが多いのですが、不便で高価なコルクを使用。最後の工程「口抜き」をした後のコルク留めも針金ではなく紐留めです。大変な作業です。
但し、そうしたからといって良いシャンパンが出来るというものではありません。私もかつて購入して「しまった!!」と思ったことも何度もあります。飛びついちゃったのですね。
しかし、ここの「コム.オントルフォワ」=昔ながらのキュヴェはメリハリと柔らかさ、香ばしさと爽やかさをしっかり実現しています。深い大地の恵みと人の叡智が込められています。
私としては温度を上げてピノノワール用のグラスで、最初の一杯ではない時点でお勧めしたい、と思います。取り敢えず6本のスタート。ここ数日のお勧めになろうかと思います。
1グラス2,450円。そんなにお安くありませんが、生産者の気合を感じていただける味わい。キノコの香り、海老の香り、或いは肉料理などと合わせていただきたいシャンパンです。