ワインに限らず「代表的」とか「典型的」という言葉で表されるものがあります。
「チリではカルムネール種が他の産地にはない典型的な」
「ドイツを代表する甘口ワイン」
「オーストラリアと言えばシラーズが代表的だ」
などなど・・・・
しかし、実際のところは世代によって「代表的な」ものや「典型的な」ものは違っていたりします。
だって唄や家電、ファッションもそうですものねえ・・・
仮に「伝統的な製法」と言っても実に様々で一様ではありませんし、だいたい親の世代に反発する息子がワイナリーを引き継げば「あんな時代遅れの親のやり方は自分の代には変えるんだ」と意気込むものですし、例えば温暖化などの自然条件や道具の進化が「マイナーチェンジ」を促します。
或いはDNA鑑定によって「実はその品種はアレと違った」となって、それを聞くだけで味わいは違って感じるものです。
チリのカルムネールも1986年ヴィンテージまではメルロと思われていたわけで「カルムネール表記」のワインは無かったですし、南アフリカのピノタージュもその名が示すように以前は「ピノノワール」と「エルミタージュ」=シラーの交配と思われていたところ、実はシラーでなくサンソーが片親と知れるとイメージまで替わっている、と私などは感じています。
またバローロなども「バローロボーイズ」と言われた世代が小樽の新樽で熟成したワインを世に出し、大きな評価を得ましたが、彼らが「ボーイズ」で無くなってくると同時に回帰の道をたどったり
「ニューワールドは重く強い」と言われて久しいのですが、今ではボルドーの近々のワインの方がアルコールが高いことが多かったり・・・
ですから「典型的」とか「代表的」という言葉は「その時代の」とか「その世代の」という形容詞が付かなければ説明がつかなかったりするのです。
ソムリエ歴30年余り、飲食業でワインを触り始めて40年弱。
それ等は若い世代から見ると「長いですね」と言われますが、実は長い歴史の中では一瞬のことですし、そんな一瞬の中でも既にあちらこちらで進化や回帰、枝分かれ、などを繰り返しています。
今月のそむりえ亭のグラスワインにも、その辺りは垣間見ることができます。
どうぞ、「生き物のような」ワインの世界を楽しんでください。
面白いですよ‼‼
樋口誠
「チリではカルムネール種が他の産地にはない典型的な」
「ドイツを代表する甘口ワイン」
「オーストラリアと言えばシラーズが代表的だ」
などなど・・・・
しかし、実際のところは世代によって「代表的な」ものや「典型的な」ものは違っていたりします。
だって唄や家電、ファッションもそうですものねえ・・・
仮に「伝統的な製法」と言っても実に様々で一様ではありませんし、だいたい親の世代に反発する息子がワイナリーを引き継げば「あんな時代遅れの親のやり方は自分の代には変えるんだ」と意気込むものですし、例えば温暖化などの自然条件や道具の進化が「マイナーチェンジ」を促します。
或いはDNA鑑定によって「実はその品種はアレと違った」となって、それを聞くだけで味わいは違って感じるものです。
チリのカルムネールも1986年ヴィンテージまではメルロと思われていたわけで「カルムネール表記」のワインは無かったですし、南アフリカのピノタージュもその名が示すように以前は「ピノノワール」と「エルミタージュ」=シラーの交配と思われていたところ、実はシラーでなくサンソーが片親と知れるとイメージまで替わっている、と私などは感じています。
またバローロなども「バローロボーイズ」と言われた世代が小樽の新樽で熟成したワインを世に出し、大きな評価を得ましたが、彼らが「ボーイズ」で無くなってくると同時に回帰の道をたどったり
「ニューワールドは重く強い」と言われて久しいのですが、今ではボルドーの近々のワインの方がアルコールが高いことが多かったり・・・
ですから「典型的」とか「代表的」という言葉は「その時代の」とか「その世代の」という形容詞が付かなければ説明がつかなかったりするのです。
ソムリエ歴30年余り、飲食業でワインを触り始めて40年弱。
それ等は若い世代から見ると「長いですね」と言われますが、実は長い歴史の中では一瞬のことですし、そんな一瞬の中でも既にあちらこちらで進化や回帰、枝分かれ、などを繰り返しています。
今月のそむりえ亭のグラスワインにも、その辺りは垣間見ることができます。
どうぞ、「生き物のような」ワインの世界を楽しんでください。
面白いですよ‼‼
樋口誠