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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「それでも夜は明ける」本年度アカデミー作品賞作品の実力

2014-03-29 10:55:51 | ミニシアター系映画
「それでも夜は明ける」★★★★
ウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、
ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、
ポール・ジアマッティ、ルピタ・ニョンゴ、
ブラッド・ピット、アルフレ・ウッダード出演

アレクサンダー・ペイン監督、
134分 2014年3月7日公開
ギャガ
(原題/原作:12 YEARS A SLAVE)



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第86回アカデミー賞で、見事「作品賞」を受賞した.。
ブラッド・ピットが製作に携わったため
受賞のスピーチを興奮気味にしていたが、
彼が主演男優賞を取る日はくるのか?



「1841年、奴隷制廃止以前のニューヨーク、
自由の身でありながら白人に騙され、
南部の綿花農園に売られて、
12年間も奴隷生活を強いられた
黒人男性の実話を映画化した伝記ドラマ」



自由黒人と言う、なんとも不思議な
階級があったことを初めて知った、
アメリカで黒人が
自由や平等を獲得するまでには
段階がいくつもあったんだなと実感、
でも疑問に思ったのは
当時その優遇されていた黒人は
同胞の奴隷黒人をどう見ていたのか、
そのあたりは描かれていなかった。



自由を奪われて南部に奴隷として売られ、
12年間の過酷な日々が描かれている、
なかには心優しい白人の領主もいたが
だからといって彼らを解放することはなく、
人間を商品として
売り買いしていたのは事実だ。

相当ひどい事が行われただろう、
この映画はその歴史の一部を見せている。



映画を見る前にこの映画が
「作品賞」を受賞したのを
wowowで見ていたので
この作品のどんなどころが
「今年のベスト」に選ばれた理由なのかも
考えながら見た。



しかし自分にはそのあたりは分からなかった、
この作品が他の候補作と比べて
突出して秀いでていたとは思えなかったからだ。


特にラスト
主人公は自由黒人と証明され
解放されるシーン、本来なら感動のシーン。
苦労を共にした黒人たちの
切ない視線を浴びながら
決して振り返らない演出

これでは「あー、良かった!」とは
単純に感じられない。


もちろん何もかも解決されて
ハッピー!なんてあり得ないのが現実
分かっているが釈然としない。


彼はその後黒人の解放運動に
尽力したという、真実の物語。
やはり黒人の人種差別の歴史は
自分には理解しきれないと痛感する、
大変な歴史の再認識は出来たが
人間の物語としては
どうにも未消化で納得出来なかった。



★100点満点で75点

スティーヴ・マックィーン監督作品
ハンガー Hunger (2008) 監督・脚本
SHAME -シェイム- Shame (2011) 監督・脚本
それでも夜は明ける 12 Years a Slave (2013) 監督・製作

公式サイト:http://yo-akeru.gaga.ne.jp/

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「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」何も得るものが無くても、旅は良いものだ

2014-03-23 16:54:56 | ミニシアター系映画
「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」★★★★
ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ、
ジューン・スキッブ出演

アレクサンダー・ペイン監督、
115分 2014年2月28日公開
ロングライド
(原題/原作:NEBRASKA)

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主演のブルース・ダーンは、2013年カンヌ国際映画祭で
「最優秀主演男優賞」に輝いた。
そしてアカデミー賞「主演男優賞」にもノミネート。



「『100万ドルが当選しました』という
インチキなDMを信じ切って、
はるか彼方のネブラスカまで
賞金を受け取りに行こうとする
父親ウディ(ブルース・ダーン)と、
不本意ながら同行する
息子とのロードムービー」



暖かくなったと思ったら
また寒さが戻ってきて
風の強い夜なんて
その寒さにどうなってるんだ!と、
それでも春の日差しを感じる昼間は
新しい季節を感じたりもする。


さて、映画ですが、
劇場で予告編を見た時から
モノクロの映像と
険しい表情を見ただけで
頑固オヤジと分かる主人公の風貌に
劇場で見ようと思っていた作品。


もう真っ直ぐ歩くのにも苦労してるのに
歩いて何処かへ行こうとしている、
高速道路を歩こうとして警官に止められ
引き取りに行った息子に
「100万ドルが当選したから、受取りに行くんだ」と。

誰が見ても、よくあるDMのい手口で
「当たるかもしれない」という手紙なのに
何としてでも手に入れて
ピックアックトラックを買うんだと、
息子の静止にも耳を貸さない。


仕事がうまくいっていない息子も
それなら付き合うと
モンタナからネブラスカまで
父と息子の4州をまたぐ車での旅、
途中、立ち寄った父の故郷で
若い頃の父親の意外な過去を
息子は知る事になる



なんというか、もう死にそうな親父
ボロボロのガタガタ
でもネブラスカに行くと言う
堅い信念だけは
見てるこちら側にも伝わる、

ちょっとボケてるんだろうなー、
それとももう、意地になってるんだか、
そのあたりは曖昧なまま
特別な出来事は起こるべくもなく
淡々と進んでいく。




道路沿いに貼りついたような街
経済不況にあえぎ
ズブズブな沼に足を取られたように
酒で何かを忘れるような停滞感に満ちて
それでも何処かへ向かおうとしてる
主人公が眩しくさえ感じる。



当選してなかった事実を知った父親
肩を落とす姿に
息子は出来るだけの
ささやかなプレゼントをする

真新しいピックアップトラックで
かつての故郷をゆっくりと走る主人公、
そのピカピカの車を見送る視線。


ファンファーレでも欲しいとこだけど
それほど劇的な勝利でもない
でも彼の満足感をその時
自分達も共有した、確かに。


人間は年を取り
誰もが残りの時間にため息をつく、
何が良くて何が悪いかとか
誰の為にとか
そんなまだるっこしい事抜きにして
やりたい事をが出来たら
とりあえず、そんないくつかを、
並べて数えて、
暖かい春を待つってのが正解。

モノクロ映画って時々見ると
そのザラついた画面から
セリフ以外の何かが伝わる気がする。


★100点満点で80点

公式サイト:http://www.nebraska-movie.jp

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書籍「ステイ・クロース/ハーラン・コーベン 著」その日、男が消え、彼女も街を去った

2014-03-22 19:09:56 | 読書の時間
書籍「ステイ・クロース/ハーラン・コーベン著」★★★★
ハーラン・コーベン 著 ,
ヴィレッジブックス、2013/9/20
(616ページ , 1.008円)


<リンク:
>*



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「全米ベストセラー初登場1位の絶賛ミステリー
2月18日。アトランティックシティの
有力者の息子が忽然と消えた。
市警察の刑事ブルームは
17年前の同じ日に起きた失踪事件を皮切りに、
毎年男たちが消えていることを突き止める。
そんな矢先、17年前の目撃証人という
元ストリッパーが名乗り出る。
彼女は過去を封印し、
理想の家庭の主婦として生きていた。
一方、あの日人生を狂わされた
元報道カメラマンのレイは、
再び 血の記憶?に苛まれてゆき……。」

ヴィレッジブックスHPより


久々に面白い作品に巡り合えた。

郊外で家族4人で平穏に暮らすメガン、
ある日、昔の馴染みのロレインから
電話がかかってくる。

同じ頃、カメラマンのレイは
暴漢に強く殴られ大切なカメラを
奪われてしまう。

そしてアトランティックシティでは
またひとり男が失踪した。

いくつかの点が描かれ
それが一気に同じ場所へと
線で結ばれていくと
過去の苦い記憶が蘇ってくる。



一気に内容に引き込まれた、
そして始まる、「何が、どうなってるんだ?」
そして気になる、その先が。


翻訳者も巧いんだろうな、
もたつかず、妙な違和感も無く
主人公のすぐ近くで
彼女と同じに大きな渦に飲み込まれ
これをやり過ごすのか
それとも解決すべく
前へ進むのか

そのどちらも困難で楽しい結果だけが
得られるとは到底思えない
ならば彼女はどうするのか?


途中で登場するバービーとケンの
殺し屋カップルってもの気にいった、
とても映画的な人物でもある、
登場する人物のほとんどは
何かから追い詰められ
ギリギリの選択を迫られていく。


ラストはまあ、こんなところに
着地するんだろうな、
主人公のメガンは
この激動の数日間を後から
どんなふうに振り返るんだろう


少し淋しく、でもほっとした。
ハーラン・コーベン の作品は初めて読んだが、
結構たくさんあるようなので
少しずつ読もう。

★100点満点で80点

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「ウォーム・ボディーズ」ゾンビも進化し、恋をする

2014-03-21 09:11:36 | ミニシアター系映画
「ウォーム・ボディーズ」★★★★DVD鑑賞
ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、
ジョン・マルコヴィッチ出演

ジョナサン・レヴィン監督、
98分 2013年9月21日公開
2013,アメリカ,アスミック・エース
(原題/原作:ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語)




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「アイザック・マリオンの小説
「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」の映画化、
人間は高い壁を作ってゾンビから身を守っている、
とんでもない近未来の話。
ゾンビと人間の恋を描くという
大胆な発想は、コメディ色もあって
面白い作品に仕上がった、
公開時、必ず見ようとしていたが
時間が遭わず断念、DVDでやっと見た」



ゾンビと人類が生き残りの戦いを
繰り広げる近未来、
主人公のゾンビのR(ニコラス・ホルト)は

仲間と食料である生きた人間を探しに
街へ出かけ、そこで人間達と戦うが
彼は自分にショットガンを向けた
美少女ジュリー(テリーサ・パーマー)に
心を奪われてしまう



この気持ちが何なのか彼が自問するが、
その彼の内なる声が面白い、

ゾンビって考えるんだ・・・・とか
こっちも真剣にそんなことを想像してる、
その彼の顔が人間の脳味噌を喰ったばかりなので
口の周りが地がベットリなのも
凄い状況で笑える。


ゾンビの彼はジュリーを助けて
自分のねぐらの飛行機の機内へ連れて行き
「今出たら危ない」と彼女を説得し
奇妙な共同生活が始まる、
一緒にいることで不思議に人間の
脳を食べたいと言う欲求が無くなるゾンビ、
そして彼の心臓は鼓動を始め
体温がわずかに上昇し始める。


へー、そう来たか。
こんな展開もあるんだ。
そんなふうに思いながら見る。

結局ジュリーは人間の住む場所に戻るが
ゾンビのRの純粋で自分を想う気持ちに気づき
危険を冒して人間の住む区域に現れたゾンビのRと
付き合う事を決める。

このあとなんともファンタジーな
結末が訪れるんだけど
ゾンビものでこういう展開って
よく考えたものだ、

続編では「ベビー誕生」とかあるんだろうか?
劇場で見たかったが
DVDでも充分楽しめる作品。
続編があれば絶対劇場で見よう。

★100点満点で80点


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書籍「ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石/伊集院 静著」正岡子規の青春時代を知った

2014-03-16 19:09:20 | 読書の時間
書籍「ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石/伊集院 静著」★★★★☆
伊集院 静 著 ,
講談社 、2013/11/22
(410ページ , 1.680円)


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「ノボさん、ノボさん」「なんぞなもし」
明治二十年。新時代の躍動とともに、
ノボさんこと正岡子規は二十歳を迎えた。
アメリカ渡来のべーすぼーるに夢中の青年は、
俳句・短歌・小説・随筆、
あらゆる表現に魅入られ、
やがて日本の文芸に
多大な影響を及ぼす存在となる。
志をともにする子規と漱石は、
人生を語り、夢を語り、恋を語った。
明治三十五年、子規の余命が尽きるまで、
誰もが憧れた二人の交際は続く。
子規と漱石の友情を軸に、
夢の中を走り続けた人、ノボさんの人生を描く。」

講談社HPより


150回芥川賞と直木賞を読み終えて
この本を読み始めた、
近代史に登場する正岡子規については
「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
それくらいしか知らなかったが
彼の青春時代を読む事が出来たのが
最大の収穫であり

今回の芥川賞と直木賞と比べて
筆力や読ませ方などにも
大きな違いがあるんだなぁと実感した。


出会いは人生を形作っていく、
大学では野球に出会い
文芸の魅力にのめり込んでいく、
溌剌とした日々が描かれている、
特別な部分より
他の若者となんら変わらない
好奇心旺盛な若者がいる。



その輝かしい日々と対比するように
後半は彼の苦悩が描かれる、
真の小説を書きたいと願いつつも
思うような作品が書けないもどかしさ、
そんな時も過去の俳人や歌人の作品を
体系化する作業にも心血を注ぎ
彼の短い人生を知っているからこそ
なんとも無念な様子が
こちらの胸に迫ってくる



そして読んでいて驚いたのは
夏目漱石が親友として登場し

正岡子規の元に集まる同好の士が
森鴎外や高浜虚子、伊藤左千夫等々
自分でも知っている文学者が
登場し、彼と同じ時代に
確かに生きて交流していたということ。


それは当然の事なんだろうけど
やはりこうして
彼らが同じ時代に青春時代を過ごし
まだ何者にもなっていない時を
感じることは新鮮な驚きだった。



作者が正岡子規という人間の
生涯を詳細に調べ上げ
彼がまさにその時代に生き
その隣で話を見聞きしていたように
その当時の空気とともに
描きだしていて
晩年の子規の無念さなどが
痛いほど伝わった。



描き方によって
その人の印象は随分変わる
正岡子規と言う人が
本当はどんな人だったかは
想像するしかないが
その手助けには多いになる作品だった。 


★100点満点で90点

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