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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

村上春樹の新作がやって来た!

2017-02-24 23:42:50 | 読書の時間
昨年暮れから楽天ブックスに注文していた
村上春樹の新作「騎士団長殺し」第1部、第2部
厚めの2冊が本日、我が家に。

これに備えて、本を読み終えていたので
明日からいよいよ、新作を読むぞ。




TVを見てたら、昨夜のうちから
書店に並んでいる様子が映っていたが
それはやりすぎ。


どうせ読み始めれば、
感動に厚くなる・・・というより
物語の底にゆっくりと入っていって
「何が言いたいんだろう?」とか

何度か同じ個所を読み返したり・・・、

まあそういう、面倒なことをやりたくて
読み始めるんだけどね。



書籍「〆切本/夏目漱石(著), 江戸川乱歩(著), 星新一(著), 村上春樹(著),他」作家も人の子、イメージと違うところも面白い

2017-02-20 01:09:06 | 読書の時間
書籍「〆切本/夏目漱石(著), 江戸川乱歩(著), 星新一(著), 村上春樹(著),」★★★★
出版社: 左右社 (2016/8/30)
365ページ、2.484円

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「かんにんしてくれ給へ どうしても書けないんだ……」
「鉛筆を何本も削ってばかりいる」
追いつめられて苦しんだはずなのに、
いつのまにか叱咤激励して引っ張ってくれる……
〆切とは、じつにあまのじゃくで
不思議な存在である。
夏目漱石から松本清張、
村上春樹、そして西加奈子まで
90人の書き手による悶絶と
歓喜の〆切話94篇を収録。
泣けて笑えて役立つ、
人生の〆切エンターテイメント!」

(出版社HPより)

この本も、昨年、朝日新聞の書評欄を読んで
すぐに注文して届いていたが
読む順番が時々前後
入れ替わったりして
なかなか読めなかったが、
このところ、ハーソカバーの
長編が続いて、お腹一杯感があったので
こんな本も良いなと。


カバーを外すと本の表紙から
裏の見返しまで、
この本に出てくる作家の
泣きごとのような言葉があって
これも微笑ましい


本の作り手の情熱というか、
遊び心も伝わって
嬉しい気分になる


作家も人間、
机に向かったり、人と話したり、
ゆっくりTVも見ていられない、
何も無いところから
ひねり出すわけだから
それは常人には計り知れない
苦悩があるだろうけど。


何とか間に合った
時には間に合わなかった
にしても、作品を生み出した時の
ほんわかした喜びが
こちらもに伝わって
あまり読んだことない作家の本も
読んでみようかなと検索してみたり。



350ページ、ほとんど言い訳や
泣きごと、最後は逃げようか等々


やはり村上春樹はそういうことが
無いようで、〆切の随分早くに
出来上がるようで
それもなんか、裏切られないなと。


編集の勝利のような本、
でも寄せ集めなんだから
2.500円近い定価は高いな、
作家さんにどのくらい入るのか?

夏目漱石や谷崎純一郎から
吉本ばななや西加奈子まで

最近厚くて面白い本が続いたので
息抜きにはぴったりだった。


★100点満点で85点編集の勝利だ!

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書籍「罪の声/塩田 武士著」その“声”に着目した時、「罪」とは一体なんだったのだろう

2017-02-16 01:09:50 | 読書の時間
書籍「罪の声/塩田 武士著」★★★★☆
出版社: 講談社 (2016/8/3)
418ページ、1782円

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週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門第1位!
第7回山田風太郎賞受賞作。

「逃げ続けることが、人生だった。
家族に時効はない。
今を生きる「子供たち」に
昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。

「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也は、
ある日父の遺品の中からカセットテープと
黒革のノートを見つける。

未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する。
圧倒的な取材と着想で描かれた全世代必読!
本年度最高の長編小説!」



最近は映画に出かけるより
本を読む時間が増えている、

あとは犬の散歩。


この本は新聞の書評で気になって
ネットで買っていて、
昨年からの在庫、やっと順番が回って来た。

「グリコ・森永事件」って名前に
記憶はあるけど、もう詳細は分からない、
ただ子供が食べるお菓子に
「毒を入れる」という脅迫や
グリコの社長が風呂場から
誘拐されたこと、
身代金の要求はあったが
確かお金は手に入れて無いはず。


会社の名前は変えてあるが
起きた事実のほとんどは
この小説の中で使われているらしい、
面白そうだな、と読み始めた



この小説の読みやすいところは
犯人を追い詰めていくというより、
脅迫に使われた「子供の声」が
自分なんじゃないかと疑う男が
僅かな証拠を頼りに
かなり真実に近づいていくあたり。

これなら自分も凄く身近に感じる。
そして「怖いな」と感じる


そしてもう一方では
新聞社の文化部の記者も
仕事としてこの事件を掘り返し、
二人にとうとう接点が現れる。

犯行の動機とか
犯罪者側の言い分じゃなく、
ほぼ当事者、でも利用されただけの
子供たちの苦しみ、
このあたりはフィクションながら
胸を突かれた。



読みながら感情が高ぶり
思わず涙を流したが
これは感動じゃなく、
彼らの心の苦悩がリアルに伝わったからだ。


「かい人21面相」と名乗り
愉快犯とも言われたようだが

本当はあの時、何が起こり
何が行われていたのか
真実は分からない、
でもその一つの答えがこの小説にある。


凄く面白かった。この著者の他の作品も読んでみよう。

★100点満点で90点

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書籍「しんせかい/山下 澄人著」それ程スペシャルな感じは受けなかった。

2017-02-10 13:09:53 | 読書の時間
書籍「しんせかい/山下 澄人著」★★★☆
新潮社 (2016/10/31)
163ページ、1728円

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156回芥川賞受賞  2017.01.19

「十代の終わり、遠く見知らぬ土地での、
痛切でかけがえのない経験――。
19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、
船に乗って北を目指す。
辿り着いたその先は【谷】と呼ばれ、
俳優や脚本家を目指す若者たちが
自給自足の共同生活を営んでいた。
苛酷な肉体労働、【先生】との軋轢、
そして地元の女性と同期との間で揺れ動く思い。
気鋭作家が自らの原点と初めて向き合い、
記憶の痛みに貫かれながら綴った渾身作!」



芥川賞、直木賞の受賞を知って
楽天に予約して
「蜜蜂と遠雷」に続けて読んだ。

内容とは全く関係ないが
「蜜蜂と遠雷」は507ページで1.944円
こちらは163ページで1.728円薄い!
ページ数だけで言ったら
600円位じゃないとな、とか
思いながら読んだ、というか
あっという間に読めた。



著者も初めて知ったし、
芥川賞のニュースで著者が
富良野塾の塾生だったことを知り、
彼の自伝的作品ということで
ここに出てくる「先生」が倉本聰なんだなと
そういう情報はやはり要らなかったな。


冬になれば雪深い
北海道での生活を描いているが
それが「今」なのか
あの時期を振り返って「以前」を
書いてるのか、
「どっちだろう」というような
個所がいくつかあった。


それは仕掛けなのか
どうかわからない。

まあ、そういうことはあるとして
俳優や脚本家の養成を
目的としながらも
自給自足的生活も目指していたので
それなりに大変なこともあったようで
そういったことが描かれているが
ほとんど色んなことに踏み込まず
かなり淡々と描いている。


もっと泥臭い内容にもなれただろうが
当事者とも思えないほど
他人事にさえ思える。

自分の気持ちも
断片的にしか描かれない。


そんな大変なところで
2年を過ごしたのだから
無気力って訳じゃないし
狭い世界で僅かな人数と暮らすわけだから
何かひとつ描いても
面白そうなのに
見た感じをさらっと
なぞっているように感じた。

それを狙ったのかどうか
分からないが
心に残るような
「何か」は自分には感じられなかった。


面白い本に巡り合うと
同じ作者の別の作品も読んでみたくなるが
この作者のは、別にいいや。

ここのところ
ずっと
直木賞作品の方が面白い。


そんな感想。


★100点満点で70点

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書籍「蜜蜂と遠雷/恩田 陸著」読んでいる間中、音楽が聞こえているようだ

2017-02-04 13:58:43 | 読書の時間
書籍「蜜蜂と遠雷/恩田 陸著」★★★★☆
出版社: 幻冬舎 (2016/9/23)
507ページ、1944円

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156回直木三十五賞受賞  2017.01.19

「著者渾身、文句なしの最高傑作!
3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。
養蜂家の父とともに各地を転々とし
自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。
かつて天才少女として
国内外のジュニアコンクールを制覇し
CDデビューもしながら13歳のときの
母の突然の死去以来、
長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンで
コンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。
完璧な演奏技術と音楽性で
優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院の
マサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが
繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き
優勝するのは誰なのか?」



昨年暮れにまとめて買った本のひとつ、
今回直木賞に選ばれたので
読む順番が繰り上がった。


本を持つと、その重さというか厚さと
開いて2段組の印刷を見ただけで
顔がニンマリとしてしまう、
こんな壮大な物語を
この作家さんは書いたんだな。



クラッシック音楽には疎いので
読んでいる間中、自分の頭の中で
鳴っていた音楽は
書かれたものと違っていた、
でもその臨場感や緊張感
そして聴衆の驚きや、素直な感動は
自分なりに感じることが出来た。



なにより凄いなぁと感じたのは
それぞれの曲を弾いている
出場者のピアノの音楽がいかに素晴らしいか、
それを表す言葉の巧みさ
「素晴らしい」ということを
これほどの比喩というか
伝える表現の多様さに驚いた。



ここに出てくるのは
頑張ってその機会を獲得した人たちじゃない、

「天才」とか「才能」とか
そういう僅かな人にだけ
与えられた天分を、その後の努力で
自分なりの表現を掴んだ
ほんの一握りの人たちの話だ。


だから自分に重ねることは出来ない、
そういった意味では
共感とかからは
かなり離れている。


それでも社会人となりながら
コンクールの基準ギリギリの年齢で
出場した高島明石には
頑張って欲しかったし、
ささやかながら「ギフト」が
与えられたのも嬉しかった。


ここに描かれたのは
別世界だけど
想像出来る世界



何かに才能があると
自覚出来た僅かな人達は
実際それをそう感じてるんだろう?

自分の日常とはかけ離れているから、
映画を見るように
こちら側の人間として
彼らの気持ちをあれこれ考えながら
長い物語を4日程で読んだ。


とても気持ちの良い
読書体験。

★100点満点で95点

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