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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「ヴィクトリア女王 世紀の愛」絢爛豪華な舞台の生身の人間の孤独

2009-12-29 00:17:18 | ミニシアター系映画
「ヴィクトリア女王 世紀の愛 」★★★★オススメ
エミリー・ブラント、ルパード・フレンド、ポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン出演
ジャン=マルク・ヴァレ監督、102分 、 2009年12月26日公開、2006年
(原題:THE YOUNG VICTORIA)




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「イギリスを「太陽の沈まない帝国」と呼ばれるまでにした、
ヴィクトリア女王(エミリー・ブラント)が、若くして王位に就き、
アルバート王子(ルパード・フレンド)と出合い、
理想のカップルとして今も語り継がれるその始まりの物語」



実際に見るまでは年末だし、
昨日の貧乏ったらしい映画からガラリと
雰囲気の違う豪華絢爛の映画でも見ようと
そのくらいのつもりで劇場へ。

階段を下りるにも専属の一緒に手を添えて
降りる人が付いている、
笑っちゃうくらいがんじがらめの生活も
王位継承最上位だからこそ、
やはりどんなに想像しても彼女の気持ちは
庶民には到底分からない。


舞台だけ豪華で定型的な描き方なんだろうなと
そのあたりは期待もしなかったが、
見ながら考えが変わった、
ひとりの女性、ひとりの人間としての苦悩が
さりげなく描かれ、時に見せる不安で
揺れる表情に可愛らしさも見え隠れ。


エミリー・ブラントという女優を選んだことが
この映画を普遍的な愛の物語に変えている、
ケイト・ブランシェットが演じた「エリザベス」は
迫力ありすぎだったし、彼女ではこの映画は
成立しなかっただろう。

もちろん戴冠式の数分の儀式に
ため息が出るくらいの豪華さも盛り込んで
別世界ながら、ひとりの人間が
ちゃんとそこに存在していて
見ごたえがあり満足して劇場を後にした。


外へ出ると強い風が吹いていて
たった今まで見ていた世界とのあまりの落差に笑える、
でもひとりで笑ってるとキモイので
もちろん寒さに顔をしかめたように
マフラーに手を添えた。

様式やしきたりという
固定化された中でそこから
芸術や新しいものも保護し生まれたようだ、
自由、自由と言っているが
自由に縛られ過ぎて閉塞感が生まれることも
あるのかもしれない。

家族と離れ15年間地道な苦労をした男の物語を見た翌日、
考えられないくらい贅を尽くした生活をした女性の物語と
映画は色々な所へ連れて行ってくれる、
それが楽しくてまた劇場へ向かうのだ。

★100点満点で80点


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エミリー・ブラントは「プラダを着た悪魔」では不幸な秘書のような役どころだったが、
「サンシャイン・クリーニング」で見せた別の顔、そして女王と、さすが女優だ。

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「泣きながら生きて」素直に両親に感謝したくなる

2009-12-28 00:09:59 | 邦画
「泣きながら生きて」★★★★★満点オススメ
日本に不法滞在15年の中国人の密着ドキュメント
フジテレビ製作、108分 、 2009年12月26日公開、2006年




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あなたの糧は何ですか?
希望と未来への憧れです。



「日本語学校で勉強し大学へ行きたいという
夢を持って来日した主人公丁さんは、
15年家族と離れ3つの仕事を掛け持ち
娘をアメリカの大学の医学部へと進学させた、
2006年TVで放送されたものが今回公開された」



このドキュメンタリーをTVで見た記憶がある、
ただその時はTVを見ながら
「大変な人もいるんだなぁ」くらいで
コーヒーを飲んだりしながら
リラックスして、CMのインパクトに
気を取られたりしていた。

今回劇場でこの作品と対面して
映像の力を思い知った、

ことさら何かの結論を導くような演出じゃなく、
事実を積み重ね、見せ過ぎたり
過剰な音楽と洗練されてないことはあったが
そんなことどうでもいい、
ひとつの家族の真実の物語がここにある。


語学学校の夢に破れ、それでも日に
3つの仕事を掛け持ち、寂しい食事をし、
汗にまみれ深夜の帰宅の姿のどれも
美しいと思った、

しっかり顔をあげて
その迷いの無い視線の先には常に家族が見える。

もうすぐ年越しだ、
また東京の公園では「派遣村」が出来るのだろうか、
顔をさらして「政府が悪い」「企業が悪い」と
甘ったれてるいい年した日本人に見せたい。
何だってやる気になれば仕事はあるのだから、
不法残留の丁さんが3つやっていたよ。

勝ちとか負けとかすぐに決着をつけたがるけど、
勝ち負けは自分が決めること、
ギリギリのプライドだけは持ちたい、
それが他人にどんなに無意味に映ろうと。

これは本音だ、
でも普段は「大変だよね」とか言っている、
30代で生活保護を受けるしか無いと言い放つ顔、
自転車の前と後ろにつぶした缶を山ほど乗せて
横を通る老人の顔、
そして日本に感謝したいという丁さんの顔。

泣きながら生きているのは誰だろう、
実は丁さんは辛くて泣いてなどいない、

ただ家族の不在を淋しく思うだけなのだ。
彼を泣かせるのは、自らの生き方を
貫く為のものだからだ。


丁さんの苦労を素晴らしいとは思わない、
苦労なんてしなければそれに越したこと無いから、
けれどどんな状況でも「自分らしく」
せめて自分のことくらい自分で決めて進みたいと
強く感じた、
成田を飛び立つ機上の人となった丁さんの涙は
何だったのだろう。
これからは穏やかな生活をしてくれるといいな。



この映画で描かれた主人公の生き方をどうこう思うより
見終えて自分のことを振り返るには
厳しくて良い映画だった。

そして自分の両親に感謝したい、
大切に育ててありがとうと。

★100点満点で満点★点数はつけられません。
(映画としての出来は普通です)


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裕福に育ったのでと筋違いの答弁をしていたこの国の総理も
本当の意味の「弱者」ってどんなものか分からないだろうな。

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ラオスの世界遺産訪問・ワット・プーへの道②

2009-12-27 00:09:19 | 2009秋/ラオス.パークセー
パークセーからワット・プーへ
2009-9-20



9月の旅行を少しずつ書いて行きます。
ラオスは3度目、昨年の世界遺産ルアンパバーンに続き、
2001年に登録されたワット・プーへ行って来た。

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もう少し良いホテルに移りたかったので
寝るだけなら充分だったホテルをチェックアウトし、
ホテル経営の食堂でコーヒーを飲んだ。
朝食のあっさりしたラーメン(ここではフーという)を
食べる地元の人で満員の賑やかな声と、
動き出した町を象徴する車やバイクの騒音に包まれていると、
日本からずいぶんと遠くへ来たなと実感する。



8時過ぎに昨日予約しておいた
ワット・プーへの車が到着し想像したより
ちゃんとした車に乗り込んだ。
町から少し走ると田園風景と
山や川に沿うようにくねくね道を快調に飛ばして
9時にはメコン川の渡しの地点に到着、
車が8台くらい乗ったところで出発、
ゆっくりゆっくりと動いていく。

5分ほどで向こう岸に着いて、
左折すると舗装された道路なのに、
穴だらけという状態でれをドライバーが
うまく運転してくれるが、時々は大きな穴をかすり
車は大きくバウンドし、そんな道を15分ほど行くと
ゲートが見えてきて、入場料を支払い少し行くと
ここからは徒歩だと言われ、歩きだした。


アンコールワットに比べたら規模は小さいが
両側を池に挟まれた石の参道が
目の前の山に突き刺さるように延びて
その両側は無数のリンガが立ち並んでいた。


快適な車から出て一気に吹き出した汗、
見上げると山の中腹に建物らしきものが見え、
あの高さまで登るのかと一瞬ひるむが
すこしまえにを歩く6人くらいのグループの
元気な笑い声につられるように歩き出す。

20段ほどの崩れかけた石段をのぼると
平らな場所にでる、
通路を挟んで北宮殿と南宮殿が向かい合わせに立っている。
レンガを積んだかなり立派なもので、
木の囲いで近寄れないが、細部は崩れていて、
修復が必要と感じた。

たぶん当時は庶民が簡単には近づけなかっただろう
神聖な場所も雑草の勢いに押されるように
手入れをしないといずれ自然に帰ってしまいそうだ。



また目前の急な石段を登ると
水を売っている人を見つける、
ここまで運ぶの大変だろうなと思いながら
もう少し登るとごろごろと大きな石が目に飛び込んでくる、
そしてその向こうに本殿が頼りなく
強い日差しの中迎えてくれる。

もっと崩れてるのを予想したが
結構残っていて、正面の左右両側には
シバ神のレリーフが現れる、
これはレプリカをはめ込んだものなのか
手を触れることも出来る、状態は良い。


内部に入ることもできるが
ここは後になって修復されたようで
ヒンズー寺院のなかに仏像が安置されている。

正面右手には通路があり
ここを行くと「ワニの石、亀の石、ヘビの石」と言われる
大きな石がいくつか無造作に置いてある。
このあたりは草の勢いもすごく
歩くのも大変だ。

大木が大きな面積に葉影を作ってくれているので
強い日差しは遮られて
わたる風も心地良い。
再び今登ってきた石段を上から見下ろすと
その向こうまでずっと視界は広がり
遺跡の規模がわかる、かなりの大きさだ。

ゲートのさらに向こうにメコン川まで見えて
しばらくそこから
このクメール遺跡が出来た当時どんなだったか
思いを馳せた。

アンコールワットが出来た同じ12世紀頃
ここがチャムパーサック王国の首都だった、
そのころの人々の暮らしはどんなだったろうか。
いずれにしてもメコンの豊かな資源が
王朝の成立にも寄与したのだろう。

地元の人たちが遠足のノリで来てる感じが
多かった、
あとは中国系の団体が賑やかにすれ違う。

来た道を戻り車に乗り込む、
ゲート脇の遺跡展示ホールで止まってもらい
中に入って絵はがきやピンバッチを購入、
中にも展示してあるが規模は大きくない、
日本の援助で建てられたようだ。
こんなところまで日本のお金が届いている。

またしても悪路を戻り船着き場に到着、
往復に周囲の建物を見たが、
結構ゲストハウスを見つけた、
このあたりに2泊くらいして
ゆっくり見物するのもいいだろうな、
メコン川沿いに食堂もあるようだ。



旅のデータ
・ワット・プーまで車のチャーター 50ドル
・パクセーホテル 1泊290.000キップ(約3.200円)
・ワット・プー入場料 30.000キップ(330円)


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ワット・プーはラオスで登録2番目の世界遺産

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「オリンダのリストランテ」本当にやりたいことは何ですか

2009-12-26 00:09:26 | 邦画
「オリンダのリストランテ」★★★☆DVDで鑑賞
リタ・コルテセ 、 アドリアン・ウィツケ 、 マルティン・アジェミアン出演
パウラ・エルナンデス監督、96分 、 2008年11月1日公開、2001年、アルゼンチン



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「ブエノスアイレスの小さな食堂(リストランテ)の
女主人オリンダは、彼女の小さな城を愛しながらも
店を手放そうかと悩んでいた、
そこへドイツ人の旅行者がやってきて
何かがちょっと変わっていく」



そこそこ繁盛している小さな食堂を守るオリンダ、
彼女はふと気がつけばため息をついてしまうような、
まるっきり不幸って訳じゃないのに
幸せを実感できないような毎日を送っている。


ってことはこれはほぼ誰にでもあてはまる、
「何かが足りない・・・」

そこへドイツ人旅行者がやってくる、
24歳で旅行中に出会ったこの町に住む女性を探しに
見つけるまでは帰らないと
オリンダの店で寝泊まりするようになり、
青年の純粋な人を求める気持ちに触れ
なんだか色々考え過ぎていた自分を見つめることになる。

自分の気持ちを押し殺して
笑って過ごす毎日を、これじゃない
こんなはずじゃなかったと人生の後半にさしかかって
じっと手を見るような瞬間、
彼女は自分がしたかったことを思い出す、
そして思う、遅すぎる事は無いよねと。


アルゼンチンは遠い、
地理的には本当に遠い、
けれどここに出てくる人達を見ると
すごく身近に感じる、何だ同じじゃないかと。
いつか行きたいなブエノスアイレス、
そして町の人々で賑わってる食堂で
他の人の食べてる美味しそうなものを指差して
その料理がやってくるのを待つのだ


週末のくつろいだ時間、
途中でコーヒーを入れるためにDVDを止めても気にならない、
良い香りを楽しみながらまた続きを見る、
そんなリラックスした時間に見たい愛すべき作品を見つけた。

★100点満点で75点

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リストランテの周囲くらいしか画面にでないので、町の様子はあまりよく分からないが
リオデジャネイロと言われても違いは分からないほど、どこにでもあるような食堂が舞台。


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「eatrip イートリップ 」食べることは生きること

2009-12-24 00:09:49 | ミニシアター系映画
「eatrip イートリップ 」★★★
UA、浅野忠信、高橋皖司、秋山鐘一郎、森岡尚子、千宗屋出演
野村友里監督、78分 、 2009年12月19日:公開




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あなたにとって「食」とは何ですか?

「フードクリエイティブ・チーム“eatrip“を主宰している
フードディレクター、野村友里が初挑戦したドキュメント。
“食と生“をコンセプトに様々な人間たちの“暮らし“に目を向け
インタビューした作品
ラストの食卓は本当においしそうだった」



劇場での予告でもどんな映画か分からなかった、
とりあえず美しいチラシに惹かれて
前売り券を買い楽しみに劇場へ。

沖縄のやんばるで自給自足をする主婦が
自分らしさを強調して「今が幸せ、今が楽しい」と
全身で主張しているのがキツかった、
豊かさとかの価値判断は別にして
貧乏くさいのだ、
つい思ってしまう、今は良いけど年取ったら
どうやって食べていくんだろうと。


きっと彼女のような生活を「良いな」と
瞬間思う人は居るだろうが、だからと言って
実践する人はいない、
それが現実と言うもの。

あなたにとって「食」とは何ですか。

この問いかけに答えるのは
俳優、歌手、茶人、住職、築地鮮魚仲買人、鰹節問屋、
画家、ダンサー、デザイナー、シンガーソングライター
何を主題としたいのか分からないが、
普通の人がひとりも出てこない。

おまけにラストはモンゴルの草原にあるような
ゲルの中での今回インタビューした人を交えた
晩餐会、豪華な料理が並ぶが
当然ながら自給自足の沖縄の主婦はいない。

UAも都心から離れて玄米や近所の人の作った
野菜、産みたて卵などを食べる生活を送っていると
さりげない日常を切り取って見せてくれるが、
あんな生活ができるのはUAだからだ、
一般の人には無理だろう、ダンナが相当稼いでくれなければ。

何が言いたかったのか釈然としないドキュメンタリーだった
でもラストの豪勢な食卓は充分目の保養になったし、
高齢の住職の生き生きとした表情も良かった、
映画としての評価はしないが
見たら色々考えるだろうし
美味しい食事について考えるきっかけにもなる


一日3食を90年繰り返しても
食べることには飽きないのは凄いことですよ、
住職の朗々とした声の調子と言葉が説得力をもって迫る。

映画を作った人より出演した人のパワーで
なんとか作品として成立した駄作、
だけど何か得した気分もする不思議な映画だった。

★100点満点で60点


soramove
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出演している人の何人かはすごく魅力的だった、人の言葉の持つ
力を改めて感じた

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