書籍「心淋し川」西條奈加 著
集英社 (2020/9/4)単行本 : 248ページ
【第164回直木賞受賞作】
今回の直木賞受賞作ということで、
読んでみた。
時代小説は、あまり読まないが、
情景描写が簡潔で
妙な言い回しや比喩も少ないので
自分なりの物語の舞台に
すんなり入ることができた。
それだけでも、すごくいい。
6つの短編からなり
舞台は江戸の千駄木町の一角、
そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と
呼ばれる小さく淀んだ川が流れている。
なんか、どぶ川の匂いがしそうだが、
それもこの物語の背景を
こちらにやんわりと教えている。
「誰の心にも淀みはある。でも、
それが人ってもんでね」
そんな言葉が読んでいる間中
何度も思い出される。
少し面白かったり
じんわりきたり
いい読書の時間だった。
他の本も読んでみたい。