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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

ミカエルの鼓動★★☆柚月 裕子 (著)読みやすいが,想像の範囲内だった

2022-01-30 08:44:53 | 読書の時間
ミカエルの鼓動★★☆柚月 裕子 (著)
文藝春秋 (2021/10/7)467ページ
第166回直木賞候補作
HPあらすじ
「大学病院で、手術支援ロボット
「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。
そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れる、
あるとき、難病の少年の
治療方針をめぐって、二人は対立。
「ミカエル」を用いた最先端医療か、
従来の術式による開胸手術か。
天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。」
@ここまで「HPあらすじ」

最先端医療の現場、
海外のTVドラマが好きで
この本に描かれた世界を
興味深く読んだ。

説明されても
理解することと
頭で納得するのが追い付かないような
先端の設備と
でもそこには
なんとも古典的な
人の体にメスを入れ
何時間にも及ぶ手術の現場があり、
最後は人の技術なのか
ロボット医療の進化なのか。

面白かったが
何かもっと新しい驚きが
欲しかったな、
小説やドラマで描かれ
自分の頭で想像できる範囲で
着地こそ
「そうなんだ」と軽い驚きは
あったが、心揺さぶられるような
新鮮な驚きはなかった。

TVドラマの二時間ものの
原作って感じ。

それでも読んでいる間は
この先どうなるのか
自分の中で想像しつつ
「神の手」をもつ
人間っていう存在も、
そういう人がひとつ飛びぬけた
技術革新を起こしていくのだろうなと
考えてみたり、
楽しい読書体験だった。

人は100%死んでしまう、
残りの時間も正確には分からない
こんな不安定な現実の中で
何ができるんだろう?
何がしたいんだろう?

黒牢城★★☆米澤 穂信 (著)戦国時代の心理戦

2022-01-20 12:43:36 | 読書の時間
黒牢城★★☆米澤 穂信 (著)
 KADOKAWA (2021/6/2) ‎ 448ページ
第166回直木賞受賞!
HPあらすじ
「本能寺の変より四年前、天正六年の冬。
織田信長に叛旗を翻して
有岡城に立て籠った荒木村重は、
城内で起きる難事件に翻弄される。」

『塞翁の盾』もそうだったが、
448ページという
本を持った時の重みも
本を読む前の、こちらの
気持ちを動かしてくれる。

時代も織田信長など
こっちもまあまあ、知ってる
歴史上の人物の活躍したころで、
イメージがしやすい、
ただ、有岡城も荒木村重という名も
この本で初めて知った。

でもそういった前情報は
特に必要なく
ある城を守る戦略にたけた
殿様の話として読んだ。

この城に黒田官兵衛が現れ
敵方のため土牢に幽閉され
主人公の村重は
考えが煮詰まると
官兵衛のもとを訪れ
彼の知恵を拝借
官兵衛が登場すると常に
岡田准一くんの顔に。

イメージって怖いものだ。

派手な戦闘シーンがあるわけでなく
心理戦が展開され、
その行くへを楽しんだ。

戦国の世はイメージしやすく
そしてたいがいのことは
リアルを求めないので
小説の舞台にはアリなんだなあと
改めて感じた。

心躍る読書の時間とまでは
いかないが
本の重みを楽しみつつ
まったく別の場所へ
ひととき連れて行ってくれた。

書籍「皆のあらばしり」乗代 雄介 (著) ★★★奇妙な味わい

2022-01-19 10:19:16 | 読書の時間
書籍「皆のあらばしり」乗代 雄介 (著) ★★★奇妙な味わい
新潮社 (2021/12/22)
単行本、 144ページ
@あらすじ@(HPより)
ぼくと中年男は、謎の本を探し求める。
幻の書の新発見か、それとも偽書か――。
高校の歴史研究部活動で
城址を訪れたぼくは中年男に出会う。
人を喰った大阪弁とは裏腹な深い学識で、
男は旧家の好事家が蔵書目録に残した
「謎の本」の存在を追い始めた。
うさん臭さに警戒しつつも、
ぼくは男の博識に惹かれていく。
ラストの逆転劇が光る、
良質のミステリのような注目作。(HPより)

なんとも言いようのない
奇妙な味わいのある作品。

主人公ふたりの会話は
深読みすれば
いろんな解釈が出来そう。

主人公の高校生が
地元の歴史を部活で研究していて
とても知識豊富な大人と出会ったとき
男の外見や行動が少し怪しくても
なんか、その出会いを
すんなり受け入れるのは理解できる。

少し背伸びして
男の知識や先回りした行動に
憧れつつも
ラストで一矢報いるのも
爽快な気分になる

芥川賞候補という先入観で
読み始めると
難解な部分が無くて
肩透かしを食ったような気分になるが
少し読んで
ちょっと戻ったりしながら

たった二人の登場人物を
頭の中で映像にしてみる

すると色んな見方ができて
これも面白い読書体験だった。

@表題の著者の後の★マーク@
★★★すごく良かった、オススメ
★★☆良かった。
★★読んで損なし
★☆

映画「オマールの壁」ほんとうに同じ空の下で

2022-01-09 14:37:04 | ミニシアター系映画
映画「オマールの壁」
2013年/パレスチナ(97分)
監督     ハニ・アブ・アサド
キャスト:アダム・バクリ、ワリード・ズエイター
リーム・リューバニ、サメール・ビシャラット

「宗教や民族的な紛争が絶えない
パレスチナの今を、庶民の視点から
見つめた社会派ヒューマン・ドラマ。

自由も人権もない社会を変えようと
するも巨大な壁に阻まれる、
若者の苛烈な状況下での青春を描き出す。

第86回アカデミー賞で
外国語映画賞にノミネートされた。」(ぴあHPより)

はるかに高い壁に垂れた
ロープを伝って
主人公オマールは壁の向こうへ



幼なじみの3人で会うため、でも
本当は友人の妹に会いたいから

壁がパレスチナ側とイスラエル側を
隔てているのではなく、
パレスチナ人同士の間も
分断されている。

以前「もうひとりの息子」という
同じような壁を隔てて
絆さえ分断されしまいそうな
家族の映画を見たが
現代の世界で
まだこんなことが
現実だと思うと
自分の想像の範囲を超えた
苦しみみたいなものが
見えてくる。

ラスト、「えっ!」と
思わず声を上げた。

この映画はセリフはわずか
視線や表情で
何かを語っている。

amazonプライムで見た。

(8メートルの高い壁)

映画「マトリックス レザレクションズ」復活に懐かしさあり、驚き無し

2022-01-03 14:50:15 | 大作映画ハリウッド系
映画「マトリックス レザレクションズ」☆☆

劇場公開日 2021年12月17日
2021年製作/148分/アメリカ
原題:The Matrix Resurrections
配給:ワーナー・ブラザース映画

監督:ラナ・ウォシャウスキー
キアヌ・リーブス主演、
キャリー・アン・モス、
ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世他出演

1月1日に映画を見たのは久しぶり、
「マトリックス」は3部作で完結したはず
18年経って「復活」ということは
また少し続くのだろう。

自分たちの生きてる世界は
実は機械に支配された
仮想空間だった。

現実を取り戻す人間と機械の
戦いを描いた3部作は
映像の斬新さで
映画ってこういうことも
出来るのかとワクワクしたっけ。

今回は主人公ネオはゲームクリエイターとして
「マトリックス」という
伝説的なゲームを作ったことになっていて、
また、仮想現実の世界が舞台。

映画のオープニングは
第1作と全く同じシーンから
始まる。
「でも、トリニティじゃない」
心の中でつぶやく。
すばらくすると
懐かしい人の登場に
嬉しい気持ちになり
あれから22年も経ったのかと
驚きの方が大きい。

そう考えると「マトリックス」は
やはり最先端だったな。

旧3部作では有線電話を使ってたが
さすがに時代にそぐわない、
そんなふうに、当たり前だったものが
10年もすれば変わっていくことも
確認しつつ
またしても映画は人間と機械の戦いへ。

ラスト、
これは続編があるなと思いながら
席を立った、

最近は、アマゾンやネットフリックス
Wowowで映画や動画や
海外ドラマを見ることが多い、
でも、たまにはこんな大画面で
ただひたすら映画だけに集中して
多くの人と同じ時間を
共有するのも良い。

帰りにイーストウッドの
「クライマッチョ」のムビチケ購入。

ポップコーンも久しぶりに食べた。

コロナで打撃を受けた映画業界、
劇場公開されない映画が
アカデミー賞を獲ったり
環境もどんどん変化している。

映画って贅沢だなと
改めて感じた。

@「マトリックス レザレクションズ」☆☆(☆3つ満点)