ミカエルの鼓動★★☆柚月 裕子 (著)
文藝春秋 (2021/10/7)467ページ
第166回直木賞候補作
HPあらすじ
「大学病院で、手術支援ロボット
「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。
そこへ、ドイツ帰りの天才医師・真木が現れる、
あるとき、難病の少年の
治療方針をめぐって、二人は対立。
「ミカエル」を用いた最先端医療か、
従来の術式による開胸手術か。
天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。」
@ここまで「HPあらすじ」
最先端医療の現場、
海外のTVドラマが好きで
この本に描かれた世界を
興味深く読んだ。
説明されても
理解することと
頭で納得するのが追い付かないような
先端の設備と
でもそこには
なんとも古典的な
人の体にメスを入れ
何時間にも及ぶ手術の現場があり、
最後は人の技術なのか
ロボット医療の進化なのか。
面白かったが
何かもっと新しい驚きが
欲しかったな、
小説やドラマで描かれ
自分の頭で想像できる範囲で
着地こそ
「そうなんだ」と軽い驚きは
あったが、心揺さぶられるような
新鮮な驚きはなかった。
TVドラマの二時間ものの
原作って感じ。
それでも読んでいる間は
この先どうなるのか
自分の中で想像しつつ
「神の手」をもつ
人間っていう存在も、
そういう人がひとつ飛びぬけた
技術革新を起こしていくのだろうなと
考えてみたり、
楽しい読書体験だった。
人は100%死んでしまう、
残りの時間も正確には分からない
こんな不安定な現実の中で
何ができるんだろう?
何がしたいんだろう?