書籍「すみれ/青山七恵著」★★★☆
青山七恵著 ,
文藝春秋、2012/6/9
( 174ページ , 1,260 円)
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
「処女作の『街の灯』からのファン、
さあ、凄いもの書いてやるぞといった
気負いが全く感じられないのに
読み終えると
何かとんでもないものの
片鱗に触れたような作品を書く作家で
全部読んでいる、
新作が出たのでさっそくネットで注文した」
好きな作家の本でも
主人公が15歳の少女となると
ちょっと苦手だ。
彼女の家にやってきた
両親の大学時代の友人の37歳のレミちゃんと
暮らした短くも濃密な時間を描いている、
年は離れていても
女性同士という微妙な距離感と
15歳と言う年齢の精一杯が伝わる。
ラストまで来て
これは著者の自伝的な作品なんだと気付いた、
彼女は書くことで多くの人に語りかけつつ
少女時代に触れ合ったレミちゃんに
彼女の言葉のいくつが届くといいなぁと
書き続けているようだ、
その切ない気分は伝わる。
自分達は感情むき出しの子供時代を経て
自分の気持ちをコントロールし
社会に順応していくのだが
そんなものはたぶん全部
他人の目を意識した行為だ、
だからそれが時々抑制できず
ドバーッっと溢れて来てしまうことがある。
それは多くの場合
小さな場所でごくわずかの時間だけ
解放され
すぐに何も無かったように
たとえば「どうかしてた、ごめん」とか
そんなふうに解決していくが、
主人公の出会ったレミちゃんは
少し前に自殺未遂をしてしまい
友人である両親がしばらく引き取って
様子を見ているという状況で
自分の子供ほどに年の離れた「私」にも
容赦なく感情をぶつける。
こういう自分勝手とも思える行動は
ほとんどの人は意識して閉じ込めるが
そんなふうにして
一体何を得るのだろう、
不特定多数じゃなく
目の前のただひとりにさえ届けば
自分の言葉はそれだけで
生かされ
それだけで安心して眠れるのだ。
2時間もかからずに読み切れる作品
自分の好みの作品ではないが
やはり「何か」は感じた。
★100点満点で70点★
soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン
青山七恵作品一覧
『窓の灯』2005年、河出書房新社
『ひとり日和』(2007年、河出書房新社)のち文庫
『やさしいため息』(2008年、河出書房新社)のち文庫
『かけら』(2009年、新潮社)のち文庫
『魔法使いクラブ』幻冬舎、2009 のち文庫
『お別れの音』文藝春秋、2010
『わたしの彼氏』講談社、2011
『あかりの湖畔』中央公論新社、2011
『花嫁』幻冬舎、2012
『すみれ』文藝春秋、2012
★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか
青山七恵著 ,
文藝春秋、2012/6/9
( 174ページ , 1,260 円)
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
「処女作の『街の灯』からのファン、
さあ、凄いもの書いてやるぞといった
気負いが全く感じられないのに
読み終えると
何かとんでもないものの
片鱗に触れたような作品を書く作家で
全部読んでいる、
新作が出たのでさっそくネットで注文した」
好きな作家の本でも
主人公が15歳の少女となると
ちょっと苦手だ。
彼女の家にやってきた
両親の大学時代の友人の37歳のレミちゃんと
暮らした短くも濃密な時間を描いている、
年は離れていても
女性同士という微妙な距離感と
15歳と言う年齢の精一杯が伝わる。
ラストまで来て
これは著者の自伝的な作品なんだと気付いた、
彼女は書くことで多くの人に語りかけつつ
少女時代に触れ合ったレミちゃんに
彼女の言葉のいくつが届くといいなぁと
書き続けているようだ、
その切ない気分は伝わる。
自分達は感情むき出しの子供時代を経て
自分の気持ちをコントロールし
社会に順応していくのだが
そんなものはたぶん全部
他人の目を意識した行為だ、
だからそれが時々抑制できず
ドバーッっと溢れて来てしまうことがある。
それは多くの場合
小さな場所でごくわずかの時間だけ
解放され
すぐに何も無かったように
たとえば「どうかしてた、ごめん」とか
そんなふうに解決していくが、
主人公の出会ったレミちゃんは
少し前に自殺未遂をしてしまい
友人である両親がしばらく引き取って
様子を見ているという状況で
自分の子供ほどに年の離れた「私」にも
容赦なく感情をぶつける。
こういう自分勝手とも思える行動は
ほとんどの人は意識して閉じ込めるが
そんなふうにして
一体何を得るのだろう、
不特定多数じゃなく
目の前のただひとりにさえ届けば
自分の言葉はそれだけで
生かされ
それだけで安心して眠れるのだ。
2時間もかからずに読み切れる作品
自分の好みの作品ではないが
やはり「何か」は感じた。
★100点満点で70点★
soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン
青山七恵作品一覧
『窓の灯』2005年、河出書房新社
『ひとり日和』(2007年、河出書房新社)のち文庫
『やさしいため息』(2008年、河出書房新社)のち文庫
『かけら』(2009年、新潮社)のち文庫
『魔法使いクラブ』幻冬舎、2009 のち文庫
『お別れの音』文藝春秋、2010
『わたしの彼氏』講談社、2011
『あかりの湖畔』中央公論新社、2011
『花嫁』幻冬舎、2012
『すみれ』文藝春秋、2012
★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか